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第一王立学園

まだまだ短い文ですが、文を増やせるよう努力していきたいです。

 星歴 1314年 4月20日


 時は12時を僅かに回った頃,ここ第一王立学園では学園内に複数あるレストランが賑わい始める時間である。


 そんなレストランの中でも俺たちは、一番人気のあるレストランウィンドールに昼食を食べにきている。


 レストランウィンドールは、学園内でも、本館 東館 西館とは別に建物を持っていて外観は高級感のあるたたずまいとなっている。


 しかしながら実際に中へ入ってみると庶民的な内装となっており、料理の味も良いため学園に通う学生に人気のレストランとなっているのだ。


 そのレストランがある第一王立学園は学園がある地ヴィージャンド王国で1番の名門校と呼ばれている学校だ。


 第一王立学園は、王都の中の11区に位置しておりかなり広大な敷地となっている。建物は、本館 東館 西館 その他という風に分かれておりそれぞれの棟で用途は違っている。


 そんな学校に通う俺ラナー・グレンテルは、学力面では学年最下位の成績を見事に入学当初から保ち続けている。ちなみに年齢は17歳である。


「はぁ〜、どうしたら成績が上がるもんかねぇ〜」


 俺がため息をつきつつ友人に話しかける。


「お前は、努力ってもんを知らないのかよ」


 そう答える友人、名は シャレー・サレントという。俺とは対照的に入学当初から学力,実技共に2位を保ち続けている。


 同い年で、同郷出身。昔からの友人だ。かなりの天才肌で羨ましいと思ってしまうことが多々ある。


「努力はしてるさ。でも、上がらないんだよ。特に勉強。俺に勉強なんて無理さ」


 心中でまた言い訳をしてしまったと思いつつ、口からは別の言葉が飛び出す。


「まぁ、でも確かにお前は実技科目だけでこの学園に入ったようなもんだけど、でもそれとこれとは別だろ。お前は、また言い訳をしてるのか、言い訳をやめるって言ってから何回目の言い訳だ?」


 何度話したか分からない言い合いを続けているうちに料理ができたようだ。番号が呼ばれたので料理を取りに行き席に戻る。ここがこのレストランで唯一の学生食堂っぽいところだ。


「さて、今日の日替わり定食は何かな〜」


 長きに渡る学園生活において1番の楽しみともいえるのが食事だ。この学園に入って一番良かったと思う点でもある。


「ほんと好きなんだな、ここの日替わり定食」


 ラナーから呆れるような賞賛するような呆れるような視線が飛んでくる。


「だって、日替わりだぞ、日替わり最高じゃないか」


 ちなみにこの日替わり定食はレストラン内で人気ナンバーワーストワンであり、俺ぐらいしか食べているのを見たことがない。


 日替わり定食に使われる食材は王都内の畑や海で採れたものだそうだ。地産地消最高じゃないか。


 人気ナンバーワーストワンとは逆に人気ナンバーワンは日替わり異国ランチだ、違いは異国の料理ということぐらいかしかない。食材も異国の食材を使っているという徹底ぶりだ。ここの学生は、異国という言葉に弱いのだ。


 食事程人間の本能に忠実な物はないだろうなどと考えつつ、日替わり定食の料理の1つ魚のフライを口に運ぼうとした。王都は東西二方向を海に囲まれているため魚介類が有名でもあるのだ。そんなとき、レストランの入り口から、俺たちが食事をしているテーブルの方へ、一際目を引く目鼻立ちの整った茶髪の知的そうな少女が歩いてきた。


 あれ? あの少女どこかで見覚えがあるな。


 俺より少し身長が高いぐらいのその少女は、シャレーと俺が昼食を食べているテーブルの前で止まると。シャレーにぶっきらぼうに声をかけた。


「おい、シャレー。ラナー借りてっていいか?」


 おっと、何だその態度偉そうに。俺の意見などまるで聞くつもりがないようだ。


「あぁ、借りてってくれ」


 さも当然のようにシャレーは答える。


 えーとこの人はたしか………? どこかで見たことがあるような気がする。それどころか、何度か口喧嘩した覚えがある。

 そうだ同じクラスの委員長で名前は………シナン・レセストリーだったかな。


「ラナー、学園長がお呼びだ。一体お前、何をやったんだ?」


 学園長? 今そう言ったか?

 シナンの口からそんな言葉が飛び出た。ついに退学処分の時がきたか…………。


「ちょっと待ってくれ、まだ食事が」


「ラナー。申し訳ないが食事は諦めてくれ」


「はい……」


 まだ何も手をつけれていない、フライその他諸々に目を落とし、どうすればいいかと迷ったが……。


「戻ってこなかったら全部俺が食べといてやるよ」


 シャレーのその言葉で安心した俺は覚悟を決め、レストランの外に歩み出た。

この話はまだ本編の前の話です。

あと何話か本編の前の話が続きます。

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