序
登場人物いっぱいいるので紹介コーナー作ります。
字数増やした(行数で稼いだだけですがね。)
それで…は…おた……のし…み…くださ………………………………………。
「旅行行こうよ~!ねえってば!」
「うるさいやつだな、全く……。何?どうしたの。」
私の同居人、市川有紗だ。うるさいし、絡んでくる。うざい。でも、ほっとけないやつ。
「ほら、これ見て。」
そう言うと有紗はテレビをつける。
『今日は流野県、黒皮町です。ここにはいい温泉がたくさんあって、食べ物も美味しいんですよ!』
ふーん。まぁいいところじゃん。
『ここの温泉は不老温泉といい、その名の通り、効能には不老不死、神経痛や関節痛、冷え性、全知全能といった万能過ぎる温泉です。』
そんな温泉ねえよ。あったらもう入ってる。
『知る人ぞ知る隠れ温泉なんですかねぇ……ふぅー極楽~っ。』
「はいっ、これでおしまい。ねえ?どうだった?行こうよ~」
まぁ、そんな遠くに行く機会もそこまで無かったし、行ってやるか。
「いいよ、行こう。一緒に。」
「やったぁ!だーいすき碧!」
笑顔の表情を見せ、抱きついてくる有紗。
「苦しい……んだけど。」
そういえば自己紹介まだだったね、あたしは奥山碧。大学生だ。
有紗とは同じ大学で仲良くなったんだよね。なんでこんなやつと一緒にいるんだろ…笑
「あっ、そうだ。せっかくならさ、あともう少し人数増やして行かないか?」
さすがに二人だけだとあたしがもたない……
「いいよ!皆一緒の方が楽しいもんね」
◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇
というわけでなんか5人+αになった。
「温泉なんて久しぶりだなぁ。ありがとみどりん!」
こいつは涼風梨花。一つ言うとすれば…小さ((殴
すみません、見えない何かに襲われてしまいました。
「……仕方ねえな、行ってやるよ。なんか奥山に無言の圧力を感じたな…誘われたとき」
このなんかよくわかんないやつは宮城凍矢。なんかイケメンでむかつくんだよこいつ、むーぅ。
「誘ってくれてありがとう碧!着いたら皆でゲームしようぜ!」
このムードメーカーは伊藤行平。優しくてとってもいい人、幼なじみでもあるんだ。
「でさ、一つ聞きたいことがあるんだけどみどりん。」
梨花が質問なんて珍しいな、ここは聞いてみるか
「なんだい梨花」
梨花はあたしの足下を指差す。
「それ、なに?」
「これ?吉丸。」
「ワンっ!」
そう、あたしの足下にいるこいつは吉丸。
利口でいつだってあたしについてきて、出会いは今から3年前……
ん?そんなことどうでもいい?じゃあ進もうか。
「というかなんで連れていくわけ?いくらみどりんのペットだとしてもさぁ」
そうだ、別に連れていかなくたっていいんだ。でも
「ほっとけないんだよ……。いつも側にいたんだ。」
「そうね、わかった!みどりんのいう通りにするね!」
素直で良い子だなぁ梨花は。あたしこういう子が好きなんだよ、
どっかの知り合いとは違って
「クシュンッ!」
「有紗、風邪か?」
「ううん、大丈夫。なんか噂でも流れてるんでしょ、ありがと凍くん。心配してくれて」
察しがいい人って嫌い。
少しはこの無愛想な顔も温泉で良くなるといいな。
「じゃあ行こっか皆!」
「「「「おー!」」」」
◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇
「いやー、それにしても暑いなぁ」
溶けそうだよ…汗だらっだら。
蝉とかのあの声聞いてるだけで暑いもん
「誰だよハイキングもせっかくだからしようぜっていったやつ……殺す。」
「さらっと恐いこと言わないでよ凍くん!!?」
「…あたしだったね、何を血迷ったのか」
……あ、もうだめ。意識が…遠…のい…て……
「あっ!みどりん!!大丈夫!?」
「奥山!奥山っ!!」
……
……………………
……………………………
「ん?ここは、さっきまで梨花達と一緒にいたはずなのに…」
たくさんの真っ赤な鳥居が並ぶ場所にあたしは立っていた。
人気は無く、なにか嫌な予感だけがする……
「取り敢えず進まなきゃ…。梨花達を探さないと」
真っ赤な鳥居に沿って進んで行くが、いつまで経ってもそれらしいモノは無いし、人もいない。本当にあたしはどこへ来てしまったのか
「……梨花ぁ!凍矢ぁ!有紗に行平ぁ!どこにいるの?……うっ、ううっ」
今にも泣き出しそうだった、ここまで一人が辛いなんてね…一体誰のせいやら
しかし本当に見つからない。道は延々と続いていて大きい所に出る様子もない。
「寒い…寒いよ……」
寒気がしてきた、それも段々と歩いて行くにつれて、
早く梨花達を探さなきゃ、
クスクス
…?
クスクスクス
………あれ?
クスクスクスクス
………………梨花って
「誰だっけ?」
瞬間、目の前が真っ暗になった。
……………………………………
……………………
………
「奥山っ!おい!聞いてんのか!?」
「う、うう…凍矢?」
「起きたか、心配したんだぞ…。ほら、水」
そう言うとあたしに水を差し出してくれた。
美味しい……。礼を言おうとしたけど、もうすでにどこかへ行ってしまっていた。
「……。ありがとう」
そう小さい声で囁いた。
◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇
「おい…さっきから付きまとってるやつ、これ以上俺らに近づくなら……わかるな?」
そう言うと凍矢は何かを脅し、元の場所へと戻った
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「温泉♪温泉♪」
「嬉しそうだねありしゃんは。」
「そう言うりんりんだって、本当は楽しみなんでしょ~」
仲良さげな二人に声を掛けづらいのだが時間も時間なので
「ほら、いくよ。早くしないとご飯に間に合わないよ」
「「はーい」」
3分後
「こんなところに綺麗な川があるね」
温泉に向かう途中に綺麗な澄んだ水が流れる一本の川があった。
見事なまでに透明で、泳ぎたいくらい
「泳いでみたいなぁ、碧~温泉行く前に泳ぎたい~!」
「また明日ね」
「やったぁ!」
正直あたしも泳ぎたいからなぁ(笑)
でも、その明日は災厄となることをまだこのときは知らなかった……
知るよしも無かったのだ。
「ふう…極楽極楽ーっ!」
溶けそうなんだけど、なんか有紗溶けそうなんだけど。大丈夫か?
「ありしゃん溶けそうだよ?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。やっぱり動き回ったあとの温泉は気持ちがいいねえ」
「そうだねぇ」
なんだかんだであの後色々遊びまくって疲れたから最高なんだよ~。
温泉来てよかったわぁ
「ここがその隠れ温泉なの?」
ふと梨花が聞いてくる。そういえばここ、テレでやっていたのとは違うような……
「あー、隠れ温泉ねぇここからもうちょっと北にいった方にあるんだけどさ、山奥だから遭難しそうで(笑)」
そうなのか、今日はもうあんまり動きたくないしなぁ。
あっ、そうだ!
「じゃあ有紗、梨花。明日特にやることないし、どう?一緒に行かない?皆で」
「おお!碧いい案出すじゃん!」
「みどりんにさんせーい!」
あたしが出した案にすっかり乗ってくれて良かった……
「じゃあ、そろそろ出ようか。男性らにも伝えなきゃいけないし」
「じゃあみどりん、ありしゃん、部屋着いたらゲームしよー!」
「ご飯はどうした、ご飯は。」
あいつご飯のこと忘れてんな、腹減ってないのか?
「忘れてた」
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「わぁ!美味しそうな蕎麦に天ぷら!」
「りんりんの蕎麦もいいけど、こっちの松茸炊き込み飯も美味しそうよ!」
真ん中で一人寿司を食べるあたし……。悪かったね、一人山奥で寿司食って!
しょうがないでしょ、好きなんだから
「正直碧が私に作ってくれる蕎麦より美味しい……」
「そんなこと言うんだったらもう作らないからな」
軽く言うだろうとは思ってはいたが、まさか言われるとは……
碧は5のダメージを受けた。
「冗談だってば碧~、気にしないでよ~っ」
「わかった!わかったってば!だからくっつくな暑苦しい!」
「わあああああああああっ!」
うるっさいなぁもう!くそう、ここまで来てあたしを困らせる有紗を逆に感心するわ……
「一ついいか奥山。」
「なによ凍矢……」
想像はついた。
「回りからの視線が痛い。」
…………。
「すいませんでしたあぁ!!!」
その場に土下座して全力で謝った。
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「わんっ」
部屋に戻ると吉丸が出迎えてくれた。
なんと優しい犬なんだ……癒されるわぁ
「僕とゲームしようぜ、碧!」
「ごめん行平、あたしもう眠いから寝るわ」
「つまんねえなぁ」
そんなこと言われてもねえ、眠いのにはかわりないし…
「それは俺も同感だな、うるさくすんじゃねえぞ。」
「じゃあ、皆今日は寝よう!ね、それでいいよねみどりん」
「いいんじゃない?特にゲームする以外は用事とかないし、」
5分後
「じゃあおやすみなさい」
そう言ってあたしは電気を消した。
「流野県黒皮町でタレントの南綾子さんが先月末から行方不明になっていることがわかりました。綾子さんは…先月末に番組収録現場からい…なくなっており、警察は…綾子さん…が事件に巻き込…まれた可能性が…あ…るとみて、収録地…周辺での捜…査を進めていま…す。」
「アハハハハハヒャヒャヒャッ……………次はき…み……だぁよ……」
どうでした?夏終わっちゃいましたけど、怪談は夏だけのものじゃないから~
次回はより怖くしたいですねぇ