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8精の王  作者: ryou
森の民たち
16/16

和解

落ち着く、レナに全て知ってもらえて、認めてくれて。死に亭の身体はいつの間にか回復してるし、生涯の中で一番泣いたのではないかってくらい泣いた。

彼女が微笑んでくれているそれだけで、救われた様な気がした。


「クスクス、たくさん泣きましたね、リュウ」

「あはは、ありがとうレナスッキリしたよ」

「それは良かったです、あんまりにも泣きすぎて子供みたいで可愛いです」

「ちょっと恥ずかしいよ」

先ほどまでの静けさがなくなっていく様に、徐々に時が動き出した。


「ほら目が真っ赤で…クスクス…」

「そ、そんな事ないし」ぐしぐし

「ほらそんなに目を擦ると痛くなりますよ」

「はい」

動き出したのだが、いつの間にか二人の世界に入っていた。


「もうしょうがないですね、リュウは…」

「ありがとう」

まったく気づかなかった、周りに人がいた事を…。


「ねえ、レナお姉ちゃんのあんな姿初めて見た」

「しっ、聞こえちゃうでしょ」

「レナちゃんにも春が来たみたいね」

「でも、あのおっかない奴とだぞ」

ヒソヒソ


「おい族長を見てみろよ、開いた口が塞がってないぞ」

「よっぽどショックだったのかしら」

「でもレナちゃんあんなに幸せそうにしてる」

「おい族長が動き始めたぞ」

「どうなるのかしらね〜」


「ゴホン、ゴホン、二人ともそろそろ良いか」

「へっ、あっお兄様」

「あっそのすいません」

そういえば周りに人がいた事忘れてた。


「はー、まあいい、とりあえずお前のおかげで助かったのは事実だ。礼を言わせてもらう、ありがとう。まあ何だ、罵倒して悪かったな」

「いえ、その…」

「あとあの時お前を殴った事や、放りだそうとした事もすまない」

「いえ、弱いのも役立たずなのも、本当の事ですから」

「まぁ聞きたい事は色々あるんだが…、そろそろ二人とも手を離したらどうだ」

「おう」「きゃっ」

レナの兄貴が居る前で手をつないでいる事を、今思い出した。


「取り敢えず広場まで行こうか」

そういって、後ろをついていくと数人の人がいた。


「よくぞご無事で」

「何とかな、みんなをここに集められそうか」

「逃げ延びたものは、ケネディーさんが見てます」

「少し時間はかかりますが、お待ちください」

「頼んだ」

逃げ延びたものだろう、俺を見て訝しむが、直ぐにかけて行った。

「此れでいいだろう、皆は少し休んでろ」

そう言うと、俺に何か聞きたそうにしているが、各々休んで行った。


「レナ」

「はいお兄様、此処にあの剣を持ってきてくれ」

「あれをですか」

「今後の事で重要になってくるからな」

「分かりました、リュウ行きましょうか」

「待て、そいつとは話したい事があるから、残ってくれ」

「お兄様まさか、またリュウを傷つけるのですか」

「する気はない、さっさと行ってくれ」

「わかりました、くれぐれもお願いしますね」

そういうと、レナは離れていった。


「はー、やっと話せるな。ああそういえば自己紹介がまだだったな。俺はクリスだ」

「リュウです」

「やっぱり不思議だ、身体も魔力も優れている訳でないが、騎士を殺したあの強さ。お前は一体何者なんだ」

「わかりません、あんな事初めてで」

「敬語はいい、あとその服装も変だ」

「わかった、多分それは異世界から来たからだと思う」

「なに、異世界からだと」

「ああ、俺の世界では魔法なんか存在しなかった、それに俺の時代は剣を持って戦う時代では無かったしな」

「そんな世界もあるんだな、まあいい、そうか異世界からか…」

何かを納得しているようにうなずく。


「信じるのか」

「ああ、俺の先祖にもいたからな」

まさか信じられるとは思わなかった。


この世界にも時々異世界から物や人が流れ着く事があるらしい。クリスたちはその子孫である武器も、その先祖の物らしい。何でも一度振れば、たとえ神の精鋭ですら切る事ができるらしい。


「だが残念ながらその剣を抜けるものはいないんだ」

「なんで…」

「強力な封印がかかっているらしい、俺も抜く事は出来なかった」

「だが、お前ならあるいは…」

「へっ俺…」

「駄目元だがな」

そうこう話しているうちにレナがもどってきた。


「ただいま戻りました」

そうしてレナが持ってきたものは…

「日本刀!」

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