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8精の王  作者: ryou
森の民たち
12/16

異変

痛いのかすらわからない。自分が今までしていたこととがよみがえる。

走馬燈

そう呼ばれるものであるのは明白であった。


目の前は真っ暗だった、胸にはぽっかり穴が開いて。自分は死んだのだろう。


「ふざけるな」

自分の運命を呪った。神が憎い。助けにすらならない自分がみじめだ。


「俺が何をした、なぜ動かない、あの子を、レナを守れない。弱い、なんで俺は弱い。何が守だ自分すら守れないくせに」

憤りをすべて吐くように言った。


憎いか?

聞こえる、何かの声が聞こえる。

苦しいか?つらいか?

ああそうだ。

なら何もかも我に任せるといい。そうすれば何もかもが終わる。

それもいいかもな。


(ダメだその力を使っては!)

ドラゴンをかたどる檻と白と黒の鎖が見える。

以前にも見たその光景は以前に比べ、やや弱弱しい。奥の何かが漏れ出してくる。

(心地がいい、なんだか眠くなってきた。強い怒りも憎しみも身をゆだねるとトテモ気持ちイイ。モットたくさんコノキモチヲ⋯)

俺の目は徐々に閉じる。しかし、ふと思い出す笑顔が頭に浮かんだ

(タスケナクチャ、メノマエノてきグチャグチャニ⋯)

心地よさが気持ちよさが増大する。


彼の心は闇に閉ざされ、静かに負の感情が彼の心を支配した。

彼は笑った。愚かな自分を。

彼は笑った。愚かな人びとを。

彼は笑った。愚かな世界を。


始まるのは崩壊、起こり得るは破滅。

今まで見ようともしない出来事。想定すらしない存在。

彼の中にいる怪物が今暴れだす。



レナside

騎士にリュウ様が刺されました。あの方には傷ついてほしくなかったのに。

あっという間に彼は死んでしまいました。なぜでしょう、こんなに胸が痛く言葉にすら出てきません。

あの時とは違い助けられなかった、庇うことすらできなかった自分が、ひどくみじめに思えました。


「あはははは、どうだ彼氏を殺された気分は、んん」

騎士は楽しそうにリュウ様の死体を蹴り、私を煽るようにニタニタしています。


「あっああ⋯」

私は座り込んでしまいました。もうどうすることもできない。あきらめるしかない。そう心が叫んでいました。


「あーあ、一突きかよもっとたのしめよ」

「いいだろ急に襲ってきたんだから」

「まあスゲーのろかったけどな」

「違いないげはははははあ」

彼をののしる声が許せなくなります。私はここで何をしているのか、言われるだけでは彼の思いに答えなくては。


「だまりなさい」

「ああ!」

「彼を侮辱しないでください、彼はこの場で誰よりも強く、勇気のあるかたです。その彼を侮辱するのは、私が許しません」


「私が許しません。だとよ、調子に乗んなこのくそアマ」

リュウ様を刺した騎士が私に近寄ってきます。そして

バシンと叩かれ宙を飛びまし。痛いですが彼に比べたら、こんなこと痛くもありません。


「っち、さっさと仕事を終わらせるか、なあ」

と騎士が振り向いたところで異変が起こりました。


「くふあはははっははhっはhh」

彼が、リュウ様が笑いながら立っていたのですから。

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