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勇者と魔王  作者: 夢乃良
1/3

その1

カギ括弧を修正しました。

魔王は【】

勇者は『』

それ以外を「」

括弧の中身の最初と最後を違う存在がしゃべっているときは「ニンゲン 魔王】等という表記に変更しました

すぱーん!

音がした後には何も残っていなかった。


ソレを見つけたのは日課にしてるジョギングの最中だった。

道のど真ん中にぽつんとソレは転がっていて。

しかもテレビでは見かけるけど、実物はコレが始めてで。

きょろきょろとあたりを見渡しても、落とし主らしき影はなく。

表面には『打倒魔王!』と墨で書かれたのか、達筆な文字が刻まれている。

好奇心に負けて手に取ったのがあんなことにつながるなんて…。


「よっ」

「あ、おはよう…」

ソレを拾ったすぐ後に、毎日顔を合わせる人と出会った。

どちらかというとその人に会いたいが為のジョギングだったりする。

「なんか珍しいの持ってるな」

「さっきそこの角で拾った…」

そこまで言いかけて、口からついて出たのは自分の意志とは無関係な言葉

『魔王!ここであったが百年目!』

「は?」

「私が言ってるけど私じゃなくて…今日こそ滅してくれる!』

私の口から私の言葉といきなり出てくる言葉が重なって、彼の目が点になってる。

「魔王って何だー?ゲームのやりすぎじゃね?」

「だから私が言ってるわけじゃ…はぐらかしても私の目はごまかされないぞ!』

もう何がなんだかわからなくなってくる。

「さぁ、神妙にしるぁ…いたぁ」

勝手に口が動く最中に自分の言いたいことを言おうとして舌をかんだ。

「魔王魔王って、ラスボスみたいなんかな」

「ひらにゃい」

「そっちもおもしろいもの持ってるけどさ、俺もおもしろいの拾ったんだぜ」

彼が差し出したのはひしゃげた空き缶。

「ゴミじゃなくて?」

「動くんだよコレ」

缶をつつくとくねくねと…一昔前に流行ったフラワーなんちゃらみたいな感じ。

「おもしろいだろ?」

「昔のおもちゃ?」

「結構かわいいと思うんだけどな」

「そう?」

どっちかというときもいけど。

「もって帰ろうと思ってさ…今度こそ我が輩の勝ちだな!】

彼の口調が途中から変わった

【この愛くるしさ!我が輩の洗練されたフォルム!】

「フォルム…ねぇ」

【この次元の民を魅了したぞ!…俺は魅了されてない!」

「一人漫才ね」

まぁ、私も同じ状況だったわけで。

【このまま我が輩の分身を増やし、この次元を制圧してくれる!】

『そうはさせない!今日こそがおまえの命日になるのよ!魔王!』

早朝の道ばたで訳の分からない会話が繰り広げられている。誰も気にもとめないのはそれだけ都会ってことかしらー。なんて逃避しててもしょうがないんだけど口は勝手に動いてる。

【何を言うか、己の宿主も我が輩の美しさに目を奪われておったではないか!】

「へんちくりん、と言えばよかったのかしら」

【やはり雄と雌ではずれが生じるのか。我が輩のプランは完璧だというのに】

「参考までに聞きたいんだけど」

【我が輩に口を利くとはなんと図々しい雌だな】

『魔王と話をする必要はないのよ!魔王を滅して世界に平和をもたらせなければ!』

「俺は何でこんなことになってるんだ」

「どんなプランだったの?」

4者(?)がそれぞれに言いたいことを言う。会話はある程度成立しているのでコレでいいかと思う。

『雄』とか『雌』とかちょっと引っかかる単語もあるけど、『魔王』とか言われてるのの発言だしなとか。

【恐れながら聞け!我が輩の分身をあらゆる生物にもたらし、我が輩をあがめさせるのだ!】

「それはペットだー!」

手が勝手に動いた。

手の中のアレで彼の頭をフルスイングではり倒していた。

すぱーん!

いい音がした。

音とともに手の中のアレと彼の手の中の空き缶もどきが消えていた。

「以外と痛くないもんだな。ハリセン」

「そうなの?」

「テレビだと痛そうなんだけどなぁ」

「音だけなのかしら」

私たちの会話もほぼ日常に戻った。

でもたぶん忘れたりはしないんだろうな…強烈な体験だった。

ノリと勢いだけで書いてしまいました…

この勢いだけの話を続けられる根性があれば続きを頑張りたいと思います

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