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第五話 風と共に来る!?

 ●


 オーレリアが泣き止んだのは、アルテ橋の一斉放水が終わり。

 午後のお茶会が始まる時間帯。

 ラヘル河川公園に設置された、複数で腰掛け河を望む事が出来る、大岩を削ったベンチ。

 麦藁帽子を脱いだボクと彼女は微妙な距離を開けて腰を掛け。


「と、取り乱してしまいまして。助けて頂きましたのに、でも怖かったですのよ?」

「その点に関しては、本当に反省してますでっす……、ごめんなさい」


 お互い頭を下げて。

 ボクは、彼女の覚悟が決まる前に飛び降りた事に謝罪を。

 オーレリアは、ボクに助けられた事に対しての感謝の言葉を口にして。

 子供が地べたに座り込めば、隠れてしまうベンチの背後。

 そこで隠れ聞いていた子供達も、顔を出して口々に。


「はい、終了っ!よーし、大聖堂の鐘が鳴るまで遊ぶか」

「美少女二人がお互い見つめ合うシチュは、禁断の甘く切ない恋物語を連想させるでありますトム君ッ!」

「おーい、ジェリー?戻ってこーい、戻れなくなるぞー……駄目だコリャ」

「オーサちゃんもオーレリアちゃんも、お互い素直~」


 仲直りが終了し、安心したのか。

 次々と再び遊ぶ為に、公園の各地に散っていく。

 しかし、ほっと安堵の表情を見せ胸をなで下ろしたのは、遠くから見ていた大人達も同じ。


「確か、木材と船舶運行を任された商家の娘さんじゃったな、中州で良く歩いてるのを見る」

「道理で。このへんで見かけない娘さんだとあたしゃ思ったよ、誰か橋渡って人呼んできな」

「あいよ、貴族のご令嬢じゃぁ無くて良かったぜ、助けていちゃもん付けられちゃなぁ」

「まったくだ。やんごとない方々は、俺達、市民ってか魔力欠落者を見下してやがるかんな」


 公園で遊ぶ子供達を見ながら保護者達は、色々と話し合いをしている様子で。

 その話し合いの輪から抜け出してきた、顔見知りの自警団に所属する青年が。


「オーサっ!クロッセル商会の人間呼んでくるから、お嬢さんの事たのまぁっ!」

「はーいでっす!」

「あのっ!お手数を掛け致しますわっ!」


 ボクとオーレリアの返事を聞くやいなや、アルテ橋に向かい駆けだしていく。

 その姿を二人見送りながら。 

 少しの間沈黙が流れ、川面を行く風が吹き抜ける。

 ボクはこの中州から【飛行ブエロ】の術式で飛んできた少女に興味を持ち。


「オーレリアちゃんは、どうして中州から空を飛んで来たでっすか?」


 少しきまりが悪そうに口澱むも。


「実は。前々からアルテ橋の放水を正面から見るとどうなっているのかしら……なんて……」


 言葉使いは丁寧だけれど、考える事は年相応。

 あの轟音響く放水は、間近でボクも見てみたいと思うですが、


「ボクは魔法は一切合切使えないので、空を飛ぶって発想は浮かばなかったですよ!」

「でも、失敗だったですわね……はぁ、魔力切れを起こすなんて……また……」


 なぜか、悔しそうに俯くけれど。


「(【飛行】の術式って確か)」


 図書館でここ最近読んだ書籍に、複数の記述がありその全てが……まて、まてまて。

「ふぇっ!オーレリアちゃんは何歳でっすか!」

「もうすぐ五歳にまりますけれど?」


 五歳前に、空を数分間と言えど飛べる魔力濃度でっすか!!


「オーサちゃん、どうなされました?」

「いやいやいや、魔力切れして当然でっすが、何分ほど飛んでましたでっすか!?」


 オーレリアは、そうですわね。と、考えてから、

「歩くより少し早く飛べましたので、七分くらい……ですけれ、ど?」

「なっ!」


 ボクが驚愕し絶句したのには、ある理由がある。


「(オーレリアちゃん、自分がどれだけとんでもない事をしたのか気が付いてないでっすよ!)」


 この【飛行】の術式は四元の風、その第四階梯魔法に位置していて。


「(別名が【初心者殺し】と記述されていたですよ)」


 【飛行】の術式は、二つの風系第三階梯魔法【滑走】と【浮遊】を組み合わせた【複合術式】。

 詠唱も発動自体も、魔法学院を卒業出来る程度で十二分に発動可能でっすが。


「(問題は、維持ですよ……)」


 この【飛行】が【初心者殺し】と呼ばれる由縁はそこ。

 発動後、飛行状態を維持する為に、当然の様に魔力を消費し続ける。

 消費し続ければ、魔力濃度も薄まり維持が出来ず効果が消失。

 そのまま落下して。


「(結果として大怪我を負うと。魔法学院を舞台にした娯楽小説【誰も彼も墜落第】に詳しく描写されていたですよっ!)」


 他の記述と総合しても【飛行】の平均維持時間は、三分から三分半。

 その倍の飛行時間を、その年齢でたたき出せる彼女は。


「(根源の吸引力と、循環回帰の圧縮増幅率に関しては飛び抜けているですよっ!)」


 ボクが知っている知識をオーレリアちゃんに伝えると。

 とっても混乱した様子で。


「あ、あの。私……風しか行使出来ない、恥さらしだって……、東岸の子供達に……」

「ん、……どういう事ですか?」


 隣に座る彼女が、ぽつりぽつりと話し出す。

 オーレリアは中州にある材木と、船舶の管理を王家から委託された。御用商人クロッセル家の長女。


 その関係上、騎士や貴族の子弟とも顔を合わせる事も多く。


”風しか行使出来ない、魔法使いの恥さらし”


 なんてすれ違い様に言われる事も、ざらにあったそう。

 それに貴族と取引のあるお父様に心配を掛けたく無いと、ずっと我慢していたそうで。


「東岸に行けば、観覧橋から間近に正面から放水を見る事も出来ますけれど」


 徐々に涙声になり。


「なんとなく近づきたくなくて、だから西岸に、飛んで……」


 必死に悔し涙を堪えようと、我慢する彼女の隣に寄り添う。


「安心するですよ、オーレリアちゃん」


 お父様やお母様が、ボクが頑張った時にしてくれる事。

 ボクの手が蜂蜜色の彼女の髪に触れ、ゆっくりと優しく頭を撫でるですよ。


「オーレリアちゃんは、頑張り屋さんです、大丈夫ですよ?」


 彼女は、自分の服を握り締めながら。

 手の甲に、涙の粒が幾つも落ちて撥ねるのをボクは見て。

 ……お父様に迷惑を掛けまいと耐え続けた、心の優しい娘に暴言を吐く輩が許せる筈も無く。


「(いつか機会が来るはずでっす、誰だか判らないけど首洗って待っとけでっす!)」


 何時か地獄に行くよりも、辛い目に遭わせると決意。


「安心して下さいでっす、オーレリアちゃんは必ず凄い魔法使いになれるでっすよ?」


 この言葉に嘘偽りなく、放っておいても何時かそうなるだろうとの予感はある。


「(でもボクは徹底的に、肩入れすると決めたですよ)」


 ボクは、オーレリアちゃんに涙が止まるまで撫で続ける。

 涙が止まり、小さく咳き込むような声も止む。

 顔を上げた彼女の眼は少し赤くて。


「少し落ち着いたでっすか?」

「オーサちゃん、落ち着きましたわ。でも迷惑ばかりかけて……」


 小さな声で、か細い声で応えるとまた俯く。


「迷惑じゃないでっすよ、だってお友達でっすから」


 潤んだ緑青の瞳が大きく見開かれて。


「オーサちゃん……お友達になってくれますの?」


 少し震える声で、ボクに聞くので。


「そうでっすよ、オーレリアちゃんはボクのお友達でっすよ?」


 ボクの言葉を聞いた途端。

 飛び付くように、感極まった様子でボクの細身の身体をガバッと抱きしめると。

 女の子特有の甘い匂いが鼻腔をくすぐり、柔らかな身体の感触と体温が伝わってくる。


「お、オーレリアちゃん。ど、どうしたでっすか?」

「私、私。なんだか嬉しくて、つい嬉しくてっ!」


 ボクを強く強く抱きしめ、笑顔のまま、再び泣き始めたでっすよっ!


 ~~

 

 しっかりと嬉し泣きをして、笑顔を取り戻したオーレリアちゃん。


「愚痴くらいなら聞くでっすよ?」


 なんてボクが不意に言った所から始まる、貴族子弟達への愚痴。


「……なんてお父様の悪口を。そのにやけた顔に【風弾】を叩き込もうかと……自制しましたけれど」

「ボクなら、お父様の謂れの無い悪口を言おう物なら、臑を蹴りつけるですよっ!!」


 オーレリアちゃんに相槌を打ちながら。

 その裏では思考を巡らせ、自分の持つ知識を総動員し対策を考え始めるボクが居る。


 なぜ、オーレリアが、東岸の貴族や騎士の子弟達から、目の敵にされるのか?


「(クロッセル家は、マクデルが都市国家として機能する前から、この地に根付いてきた大商家)」


 図書館での盗みぎ……噂話や、経済的な資料を思い出し。


「(木材流通と船舶管理の七割方は、クロッセル家が握っている筈でっすね……)」


 これは、サンザクセン王国から認められた正当な権利。

「(残り三割は他の商家や、一部貴族が……あれ?)」


 貴族達は、どう足掻いてもクロッセル家の当主からは利潤を剥ぎ取れない。

 剥ぎ取れないから、腹立ち紛れに幼いオーレリアに目を付けて鬱憤晴らし……。

 しかし自分達大人がすると名誉に傷が付き、醜聞を恐れ。

 藪をつついて蛇を出す。

 下手に鬱憤晴らしを行えば、クロッセル家当主が出てくる事に。

 子弟に言わせれば、年端もいかぬ子供の喧嘩。

 自分達に被害が及ばぬように予防線を張り、溜飲を提下げようとしている?


「(この予測が当っているなら、余りにも貴族の肝が小さすぎるですよっ!)」


 こうなると、オーレリアちゃんのお父様が出張るか。

 ……オーレリアちゃん自身が強くなって、手を出すと痛い目に遭うぞと思わせるか。


「ふぅ、オーサちゃんありがとう。気分が晴れましたわ」


 心に貯まった蟠りや支えも取れた様子で、表情は晴れやかに。


「はい、どういたしましてでっすよ!」


 ボクが笑みを浮かべ、応えると。

 オーレリアちゃんはふと何かに気を取られ、復帰。

 直後ボクの腕に自分の腕を絡め、身を寄せて。


「お、オーサちゃんはお友達ですわっ!」


 まるで自分に言い聞かせるように、高らかに宣言。

 その腕を取る光景に目を輝かせたのは。

 公園の遊び仲間であり、最近図書館に出入りし始めた読書仲間のジェリー君。


「ふっ、正に寄り添う百合二輪っ!この光景は、こおぅけぇいわぁ!至高の極地でありまぁすっ!ああ、なぜこの場に、この感動を書き留める文具が無いのでしょうかっ!」


 心に秘めるべき声を、大にして叫んでいるのは何時もの事。

 なぜなら彼は、齢七歳にして女性向け古典文学【白薔薇の貴婦人】や【山百合の咲く頃】などなど。

 この世界にも存在する【百合文学】に触れ目覚めてしまった、百合男子なのでっすよ!

 ……なんでこの世界、百合文化があるでっすかね不思議でっすねえ。

 そのジェリー君の、魂の奥底から響く歓喜の声に。


「あ、その百合って何ですのっ!」


 我を取り戻したオーレリアちゃんはボクから腕を放して、少し身を引く。

 そして一度咳払いをすると、なぜか赤い顔をして深呼吸。


「あの、そう言えばオーサちゃんは私が凄い魔法使いになれると?」

「でっすよ、オーレリアちゃんは、他の人より優れた才能が三つあるです!」


 前置きして、噛み砕いて説明を行う。


「まず根源の吸引力と、循環回帰による圧縮増幅の効率が凄く高いでっす」


 【飛行】の術式を七分間も行える程に、密度の濃い魔力を蓄積出来る事からこれは確実。


「次に飛行の術式を、”歩く程度の速度”に抑える魔力放出量の制御感覚でっすね」


 本来【飛行】の術式とは……。

 空を行く鳥達よりも疾く、空を征く為の術式であり。

 用途は、


「(騎士による、敵陣への高速突撃及び正面突破)」


 そもそも長い時間維持する様な術式では無く、教本を流し読みした程度の人が内容を理解せず行使し、墜落する事から【初心者殺し】と言われるでっす


「最後は、オーレリアちゃんは風しか使えないと言ったですね。逆の発想をしてみるでっす!」

「あの、逆ってなんですの?」

「風の術式しか使えなくて良かった、そう考えるのでっすよ?」


 ボクは魔力検査で、”相性の多いだけ”の魔法使いが偉い。と、言う風潮が不思議なのでっす。

 確かに先天的な才能はあるのかも知れないです。

 ……その才能の上に、あぐらを組んで座って、利権だけを貪る様な人達が多すぎるですよ。


「風しか使えないで、良かった……ですの?」

「そうでっす。風だけを突き詰めて極める事が出来る、希有な才能と考えるでっすよ?」


 ボクの言葉に考え込むオーレリアちゃん。

 彼女の理解力はかなりの物で、ボクの説明を自分なり解し。

 不確かな部分はボクに質問をして、納得を得ると。


「ふふっ、オーサちゃんには助けられてばかりですわね。そうですわっ!!」


 胸の前で両手を合わせ、ポンッと軽く音を立て。

「オーサちゃん。私なりの魔法の突き詰め方と、極め方の一助になって下さらないかしら?」


 一助。

 ある程度の、具体的な道筋は立てられたと言う事でっすか……、凄いでっすっ!


「了解でっす。具体的には、考えはあるでっす?」

「まず質問の答えにあった、根源を蓄える呼吸法を教えて貰って、毎日この公園で遊びますわっ!」


 立ち上がり高らかに宣言すると。


「おー、オーレリアちゃんが公園仲間~嬉しいなぁ~」

「よぉし、トム様が鬼ごっこその他の楽しさを徹底的に教えてやるっ!」

「ま、毎日。百合的な光景が……ああ、【工芸神】様に感謝の極みでありますっ!!」


 公園仲間達が、またベンチの周りに集まってくる。

 それにしても、オーレリアちゃんの理解力が早すぎて驚いたでっすよ。

 この呼吸法は、ボクも浅く無意識の内に行っているものですが。


「そうそう、オーサが教えてくれたコキュウホウ?冗談半分で半年続けたら、長く走っても疲れないんだよな」


 赤茶けた髪の”根源を取り込む力が無い”トムが、ボクに背後を取られまいと警戒しながら言うように。

 運動をしながら行うと、心肺機能の強化。すなわち身体能力の向上が見込まれるです。

 この後、ボクやオーレリアちゃんも一緒に短い時間でしたけど鬼ごっこをして居ると。

 夕焼け空にカラスが鳴いて、大聖堂の鐘が鳴る時刻に差し掛かり。

 アルテ橋の方向から。


「おーいっ!オーサに、お嬢さんにちみっこ達。遅れて済まねぇ」


 クロッセル商会へ人を呼びに行った自警団の青年と。

 もう一人、階段から降りてきた人影が見える。

 体格の良い、どちらかと言えば肉体労働者と思わせる印象の男性。

 オーレリアちゃんそっくりの髪と目の色の厳つい顔をした、船乗りが歩いてくる。

 オーレリアちゃんが笑みを浮かべて、体格の大きな男性に走り寄り。


父様とうさまッ!あの、忙しいはずなのに……それに、ごめんなさい」

「ふははっ!なぁに、構わん構わんよ、オーレリア。【飛行】の術式で河を渡ったと聞いたときは慌てたがなっ!反省していると聞いているし、無事で何よりっ!!」


 豪放磊落な様子の父様は、オーレリアを抱き上げると軽々と左肩に乗せ。


「娘を助けてくれたのは……」

「父様、真ん中の黒っぽい髪に赤い目の女の子がオーサちゃんですわっ!」


 ボクは一歩前に踏み出して。


「オーサ。オーサ・オーウェル・カティスでっす。オーレリアちゃんのお父様でっすか?」

「ふむ?如何にも、中州で商いをしているジェラール・クロッセルだ、娘の事をありがとう」


 ボクお父様の細い手指とは、全く違う。

 二回り以上大きく厚い右手を差しだし、ボクも右手で応じる握手。


「ふはははっ!オーレリアも良き友が出来た様子だな」


 左肩の彼女に話しかけると。


「父様、私。明日も此処で遊んでも宜しいでしょうか?」

「ちゃんと、【飛行】の術式でなく。アルテ橋を渡ると約束するなら問題は無いぞ?」


 やったぁ!と、皆はしゃぎ回る中で、オーレリアの父様が。


「そろそろ、大聖堂の鐘が付かれる時間ださぁさぁ、子供達よ家に帰ろうかっ!」


 ボクも含めた子供達が返事をして、アルテ橋へ歩き出し。

 オーレリアを左肩に乗せ隣を歩く、ジェラール小父様がボクに楽しげに。


「オーサ。もしかして、あのカティスかな?」

「ジェラール小父様、もしかしなくても、あのカティスでっすよ?」


 夕日の空に、二人で高らかに笑いながら、オーレリアはその意図が分らず。


「父様も、オーサちゃんも。い、一体なんですのっ!?」

「オーレリア。一昨昨日に書籍屋で購入した【始まりの冒険者達】の著者名は?」


 ふと、考え込んだ少女が驚きの声を上げ。


「あの、オーサちゃんっ!もしかして冒険者協会創設に寄与した曲芸師グランのッ!」


 ボクは見上げながら、


「そうでっす、グラン・O・カティスはボクの遠いご先祖様でっすよ?」


 皆に名を知られるご先祖様の事を誇りに思いながら、ボクは言いましたです。

 

 ~~~


 東岸の大聖堂の鐘が打ち鳴らされる直前。


「お父様、お母様ただいまでっす!」


 昼過ぎに通った道を、逆順に全力で駆け抜けギリギリ門限に間に合わせる。

 既に虫干しは終わり、庭も本も綺麗に片付けられていて。

 玄関から入り、靴を並べると。


「あらあら、オーサちゃんお帰りなさいねぇ」


 台所からは、お母様の声と美味しそうなシチューの匂い。


「はい、おかえりオーサ。もうすぐ夜ご飯が出来るから手を洗っておいで」


 書斎からは、お父様が顔を覗かせる。


「はーいでっす、今日はお友達が一人増えたでっすよっ!!」


 水道の栓を捻り、手を洗いながら報告を。

「それは良かったわね、オーサちゃん。男の子それとも、女の子かなぁ?」

「女の子でお名前はオーレリアちゃんて言うですよ。えーと、中州の……」


 こうしてボク。

 そして、お父様やお母様に街の皆の、穏やかな休日は過ぎていくのでっすよ。

 

 ●

PXZ2の体験版をしていて、龍が如くの真島さんの一部の技がとっても素敵。


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