PartLAST:始まりと終わり
「とりあえず…だ。」
司は静かに話し始める。
「何故俺達が集まったか、と言うと…」
ごくり、と賢時は喉を鳴らす。
「広也のおかげなんだ。」
…は?
「いまいち良くわからないんだけど…」
賢時はやはり半分キレ気味で言う。
こめかみがぴくぴくと引きつっているのがわかる。
「いや、あいつの作ったアンテナでみんなの携帯が繋がったんだ。」
「ああ!なるほど。」
和田 広也
男子。
自称オタクであり、また電子機器を専門とした予備校に通っているとの事。
携帯を使用するための中継アンテナを作成。
彼の鞄にはそのような彼にとっての『日用品』が詰まっている。
「あいつオタクだからな。」
「オタクオタク。」
そんなことを言いながら二人は頷く。
―あれ?
「だったら何で俺達には連絡してくれなかったんだ?」
賢時は、ふと思った事を聞いた。
「え?お前達メール受け取ったからきたんじゃねーの?」
司はさもおかしそうに聞き返す。
慌てて二人は鞄をひっくり返し、携帯を取り出した。
「ここんとこ戦闘続きだったから携帯なんて…」
二人とも、携帯はものの見事に破壊されていた。
「…」
「…」
「…」
司もかける言葉がないのか、黙ったままだった。
「へー?デルタちゃん、って言うんだ?」
クラスの女子ムードメーカー(自称)の清水百合はそう聞いた。
賢時たちが何やら相談をしている間、アジトに先に帰るよう言われた残りのクラスメートは異世界、と言う舞台の上で異世界の人と触れたのは初めてだったゆえに、デルタやシータに興味を持った。
「ええ。私は武術をやっていたの。」
試しに、と近くにあった木に正拳突を放つ。
その拳がぶつかった場所は5cmほど窪んでいた。
「キャー」
「スゲェー」
と言う声が響く。
一躍、デルタは一躍姉御扱いされることに。
緑色のカーテンに覆われるアジトの前の木は優しく葉を散らした。
蟻の巣のように張りめぐるその施設。
その中でも円形の空間を象るアジトの一部屋はその中央。
そこに全員は集まっていた。
「とりあえず、今全員で16人いるわけだから、4人ずつのチーム編成を組もう。」
アジトの頭脳である池谷司と月裏九一はそう告げる。
今までのアジトの活動目標はこの世界の把握及びアジトのメンバーの招集であったが、
デルタ、シータの編入により、第一の目標は達成された。
このクラスは担任がアレだったのが幸いか、この世界に対する順応は早かったらしくいち早く合流した司と広也は携帯の為のアンテナを作成、そして行動してきた。
「能力…この世界の魔法を使える月裏、賢時は別々で、後は身体の順応で能力を使えるようになった順と俺も別々だな。」
司は九一から受け取った紙にチームの組み合わせを書いていく。
4列4人ずつにならんだ人の名前を書き終えると、
「これだ!」
テーブルに広げた。
チーム月裏 チーム賢時 チーム順 チーム司
・月裏 九一 ・逆地 賢時 ・輪野 順 ・池谷 司
・熱田 将 ・江藤 雄基 ・須田 亮子 ・三上 幸義
・梶原 知紗 ・清水 百合 ・田中 正吾 ・沼川 剛
・シータ ・デルタ ・星川 葵 ・和田 広也
「目標はメンバー集め。皆、」
皆が黙る。
シィィンとした空気を突き破り、
「よっしゃァアアアアアアアアアアアアア!!!」
賢時の声で全員が立ち上がった。
かつてない戦争の始まり。
それは
世界同士の戦いとも
人間同士の戦いとも
信じる者の戦いとも
誰となく詠って。
それは始まりと同時に
終わりでもあって
彼等の旅を進める足は
今そこで歩き出したとも
今そこから進み始めたとも
物語に終わりはなく
唯その世界の流れるままに
堕天使は堕ちてゆく。
光に包まれた
羽はもう
無い
すいません。
区切りがいいので最終回です。
続きは…
書きます。
とりあえず暇がないので。
感想貰えると書く暇が増えます。
やる気の問題です。
とりあえず最終回です。




