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Part0:プロローグ
時は2235年。
空は紅く、地は黒く、太陽は蒼い。
誰が予想したであろうか。
その星は地球では無くなっていた。
『地球は死の星だ。夢など見るな、地球には死の未来しかない。』
その言葉を言った政治家は今どこにいるのだろう。
―地球は全ての星を破壊した。
その言葉に意味はない。我等の知っている地球はこの世界には存在しない。
そう、『この世界』には存在しない。ならば…
―この世界の上に新しい世界をつくろう。
その繰り返し、世界は五つにまで増えた。
神達は口々に言った。
「世界は一つでいい。」
「いっそのこと、すべて消そうではないか!すでに二つの世界はほとんど機能していないのだから!」
「どうせ生物は地球にしか存在しない。いまさら全て消えたところで何の問題がある?」
『世界を消す』
「しかし地球にある『科学』とやらは重要だ!せめて一つだけでも残そうではないか!」
「同感だ!一つは残そう!」
ふと、それまで黙っていた神が呟いた。
「仕方ない、争奪戦だ。人間の力とやらで世界を決めてもらおう。」
神々の中で歓声が上がる。
―争奪戦だ