ツンデレ嗜好進化学
これは、ぼくが物語おいてツンデレとどう向き合うかを考えた短編です。
本音を言うと、ツンデレ六級程度の知識しかありません。だから、ツンデレのプロの方が不快な思いをしたら、ごめんさない。
それでは、よろしくお願いします。
ツンデレはとは何か。それは異性獲得戦略に他ならない。
私はツンデレを四つも形態に区別して考える。
一つは、ストレート型ツンデレ。これは一般的に表現されている古典的な物である。この表現はツンデレ嗜好を持つ者にはたまらない刺激であるが、モテモテ人間の周辺で、そんなキャラばかりだと飽きて別の者が食べたくなる。ストレート型は免疫を持たない者には絶大な生物的反応を引き起こすので絶滅する恐れはない。それでも、ツンデレ生態系内においては、飽きがきてるためにその生存空間は少なくなることが予測される。
次は、無意識型ツンデレ、若しくは天然系ツンデレ。これはストレート型と似てはいるが、そこに意識した感情の変化は見られず、それを向けられた異性がツンデレと認識するタイプである。ストレート型が能動的であるのなら、無意識型は受動的であると言える。
三つ目は、策略型ツンデレ、遠回しのツンデレである。さりげない優しいツンデレ型といえる。これを優しい型と命名しないのは、もし、これがツンデレであると理解したある異性は、その相手に対する好感度が爆発的に急上昇して、すぐにゴールまでたどり着く可能性が高いからだ。
ストレート型、無識型が戦術クラスのツンデレあるなら、策略型は戦略クラスのツンデレ、ツンデレ大戦略と言える。私はここに優しさよりも、長期的な異性獲得ゲームの策略を感じるためにそう命名したのだ。だだ、これはモテない私の、ひがみである可能性が高い。他の科学者の研究発表を私は望む。
最後は、想定外ツンデレ型、あるとき突然変異的に誕生するツンデレである。これは私にも誰にも予測不可能なツンデレある、ツンデレの進化の最先端を進む者であるが、ツンデレで異性を獲得する試練をクリアしてない。そのためにツンデレ生態系の中で果たして生き残れるかどうかは未知数である。それはある日、突然に生まれて、すぐに消えるのか、それとも、新たなツンデレのパターンとして定着するかは時間をかけて観察するほかない。今、私の知る限りでは、オカマ型ツンデレ、地球外生命体型ツンデレが発見されており、保護観察中である。
その他に、種族別型ツンデレが発見されているが、これについては珍しいことではない。犬や猫を飼った経験がある人には理解できると思うが、彼らがツンデレ行動を起こし、人間の行動をコントロールしている可能が高いかえらだ。
それは、ツンデレは人間特有の知的な行動ではなく、生物一般の当たり前の行動パターンであると予測できる。これは、ツンデレが人類だけの特権でないことを意味しており寂しい話でもある。しかし、それはツンデレの奥深さの表れでもあり、ツンデレの偉大さを理解する者なら喜ばしいことでもある。ツンデレは人類だけの物、そんな心の狭いツンデレ愛好家は、ツンデレ女神に軽蔑されるだろう。私は他の科学者の研究結果報告を待っている。
そして、ツンデレの最終目的は好きな異性を自分に振り向かせることであり、ゆえにその異性もそれに対抗手段を編み出してゆく。別名、ツンデレ螺旋地獄とも言う。
ある人物がツンデレで異性の獲得した後はツンの表現をやめ、デレに特化して異性をつなぎ止める。相手が自分にメロメロになった後は本性を現して、その異性を支配下に置く。その段階において、ある人物のその異性に対する調教は既に完了しており、そのように行動はその異性に対して苦痛を与えるどころか、それを快感と認識できるほど、その異性は進化している。それは、所有欲、保護欲が満たされていると言う形で表れる。
これは幸せの一つの形であり、私はこの快感を否定するどころか、とても人間的であり、そのように進化した存在に嫉妬すら感じる。
それでも、生物の進化と全く同じく、ツンデレの異性獲得戦略も進化しない限り、やがては古い、そんなこともあったね、になってしまう。一九六〇年代の水着は普通の服装とほぼ同じ布地面積が変わらなかった。それは進化する努力を怠り、その生存生態系をワンピースやビキニに奪われ全滅してしまった。
スクール水着については何とも言えない。ブルマが事実上全滅して空想上の存在となっても、その知名度は現役といってほどだ。それでもブルマに幻想いだく年代が自然消滅すると、ブルマも世界文化遺産の一つとしてしか認識されない可能性が高い。
それゆえに、人類は新たなツンデレの研究・開発を怠ってはならない。ツンデレを過去の世界文化遺産にしてはいけないのだ。それを防ぐにはどうすればいいのか。ツンデレを進化させ続ける他ない。その力の源はツンデレに対する愛だ。それがすべてである。名前や形に変化があっても、人類のツンとしたものを自分の思い通りに支配して、デレさせたい本能的とも言える生物的欲求がある限り、ツンデレ型異性獲得戦略は決して消えることはないだろう。ツンデレの夜明けは止まらない。
ツンデレは永遠に不滅です、と言い切ってもいい。
そのため私はツンデレ研究を深めてツンデレが世界から絶滅しないように、ツンデレな彼女を緊急募集する。法的に問題があるので、十八歳以上、二十歳未満の人間の女性に限る。写真審査あり。私は科学に貢献することを切に願う知的な女性を望む。共にツンデレの人体実験を行おうではないか。
貴女も私も科学の発展のための聖なる犠牲であり、何よりこれは人類が科学が行うツンデレでもある。人類の未来はツンデレが創造する。人類が未来永劫に発展するために、人類の明るい小さな一歩を供に踏み出す、そんな科学の巫女を科学の祭司である私は切の望む。
この短編の仕掛けとして、「ツンデレ嗜好進化学」を読者の人が「ツンデレ思考新科学」と一回頭の中と読んで、これはまちがいだ、と改めてこの最初の題名を思い出し、題名の印象を深める。また、題名の意味を二つの意味で解釈してもらうことは可能か、の習作です。
本音を言うと、ぼくの独りよがりの可能性が高いのですが、そんな挑戦をしてみました。どうだったでしょうか。もし、そう思った方がいたら教えてください。
もちろん、そう錯覚しなくても、意味が通じる題名なるようにしました。