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備忘録 forgive  作者: やましたゆずる
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第4章 初大ホールコンサート

2月22日がやって来た。前の日にゲネプロを終えて確かな手応えを掴んでいた。セットリストはまず1曲目はアレスティング・ワイヤーを歌った。2曲〜5曲は龍二の作った曲で構成され6曲〜10曲は玲奈の作った曲で構成され、11曲目に初披露の美優が歌うのはカーペンターズのスーパースターと12曲目はレイニーディアンドマンディ、13曲目は龍二の歌うエリックカルメンのハングリーアイズ、14曲目はオールバイマイセルフ、15曲目は玲奈が歌うパワーオブラブ、16曲目は追憶、17曲目は新曲【愛しているとは言えない】で締めくくった。会場は割れんばかりの拍手喝采で初コンサートは終了した。打ち上げは何時ものホテル近くの居酒屋大将で社長やスタッフ関係者で乾杯をした。「翔平のMC良かった。」社長が褒め殺しをしていた。美優の歌も褒めていた。社長に披露したのは初めてでメンバーは美優の歌の実力は知っていた。大成功に気持ち良くした坂内社長は新曲の先行販売が会場でメンバーが手売りした枚数2300枚と聞き収容人数より多かった事に驚き終始笑顔であった。CDを買ってくれたお客様には1枚1枚メンバー握手をしサインをしたのも功を奏した。一人で2枚買った人が何人か居た。やはり、翔平と玲奈のサインをもとめるファンが多かった。ツインボーカルが人気だった。まあ、それだけじゃなく、メンバーの楽器演奏力もあり龍二、翔平、瑠奈のギターテクニックや玲奈、龍二のサックスホーンを筆頭に楽器演奏はレベルが高かった。リーダーの龍二はインストゥルメンタル曲も作曲済だった。打ち上げが一段落した所で明日、10時に事務所へ集合をかけて、打ち上げは終了した。メンバーは2台のタクシーに分乗してホテルへ戻った。ホテルでは各自一人部屋で事務所の対応もよかった。坂内社長もセブンカラーズに社運をかけていた。バンナイオフィスには他に歌手10名とアイドルグループ1組、女優、男優、芸人、タレントモデルなど数多く所属していて芸能プロダクションとしては大手であった。バンナイオフィスビルは新宿にあった。次の日メンバーはタクシーで事務所へ行くと会議室に通された、坂内社長と事務員3名がペットボトルのお茶を用意してくれていた。「おはようございます。」メンバーは会議室に入る前にお辞儀をし大きな声で挨拶をした。「あっ!おはよう!昨日はご苦労さまでした。」社長がニコリ笑いメンバーの顔を見た。事務員も一人一人に挨拶をしてくれた。時間15分前であったが社長以下、専務、プロデューサー、マネージャーが集まり会議が始まった。「昨日は初コンサートご苦労さまでさした。」社長がメンバーの顔を一人一人見ながら挨拶した。マネージャーから報告があり収容人数、グッズ売り上げ等、アンケートなども読み上げられた。「良い成績だ、みんな、これから君達の今後の活動計画を発表する。まずは、8月、土浦市民会館で凱旋コンサートを開く。その前にシングル第3作目の発表。忙しいけど頼む。その間にテレビ出演。取材をぶっ込む。全員の写真集を出す。それを兼ねてハワイ旅行。コマーシャル撮影もある。清涼飲料水だ。そんな段取りだ。パスポート取って下さい。」社長がマシンガンの如く話した。「鉄は熱いうちに打てって言葉あるだろう?今の君達の事なんだよ。うちも今、勝負に出ているんだよ。君達が売れるか売れないか?君達は良い線に乗っている。私の経験ね。」吉野真理子マネージャーが皆の顔を見てニヤリ微笑んだ。「あなた達、今日か明日のうちにパスポート取ってくださいね。来週にはハワイだから。明日は休みにするから。」吉野マネージャーが皆の目を見つめた。「はい。これ終わったら地元に帰ります。」龍二が吉野マネージャーの目を見つめた。第3作目の曲作りは龍二に任された。がバラードは捨ててロック調にしたいと提案したが即却下され、バラードを渋々書くことにした。その時、社長から玲奈にも作曲をするよう打診があった。会議は紛糾したが坂内社長は龍二がバラード曲を書くよう正式に打診した。会議が終わり、メンバー全員、地元へ帰った。龍二と翔平、美優、玲奈はつくば市役所(谷田部)に行きパスポートの発行手続きをした。メンバーの篠原は阿見町へドラムの一ノ瀬は牛久市へベースの松村は土浦市へパスポートの発行をした。全員その日にパスポートを発行された。次の日はオフだったので女性達は水着を買いに行った。龍二と翔平と裕太は新調はしなかった。荷造りをした。旅行バックにティシャツ、短パン、海パン、歯ブラシ、ひげ剃り、タオル、整髪剤などを持った。衣装はスポンサーが手配したスタイリストが来ると言っていたからそれ以上は用意しなかった。夜は全員集まって食事をした。そこで食事をしながら給料の話が出た。バンドメンバーは均一に金額は配分されていたが作詞作曲をしている龍二と玲奈だけは印税が入っていた。他のメンバーから羨ましがられた。金額は1枚あたり定価の1%だった。作詞が1%、作曲が1%だから200円で200万枚だからそれなりの金額になった。アルバム分定価2800円もするのでアルバムは1枚で数えられていた。龍二と玲奈だけは貰い分が多かった。メンバーは1枚に付き100円プラス280円の400万枚分の印税が入っていた、テレビ出演料は微々たるものであった。今晩の食事代は龍二が払った。

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