第18章 ゴルフ番組の収録
12月に入ってすぐにゴルフ番組の収録があった。今回は翔平と裕太も一緒にゴルフをはじめてプレイする。前回と一緒の霞ヶ浦国際カントリー倶楽部であった。今回も重盛マネージャーが三人を迎えに来た。朝7時前だった。重盛マネージャーは三人のゴルフバックをトランクに入れていた。翔平と裕太は貸しクラブで練習したらしい。渋谷プロと金子プロのスポンサーから事務所へクラブが届いたのは前日ったらしい。渋谷プロのスポンサーはダンロップ、金子プロのスポンサーはヤマハであった。だから翔平はダンロップのクラブとウェア、裕太はヤマハのクラブとウェアだった。龍二には、ブリジストンからゴルフウェア一式と新作のゴルフクラブが送られていた。黒長袖のウェアと白のズボン。重盛マネージャーが龍二に渡して着替えるよう頼んだ。そして、翔平の家に向かった。重盛マネージャーは寝ていた翔平を叩きおこして、ダンロップのゴルフウェアを渡した。白の長袖に黒のズボン。龍二と逆なカラーコーデだった。続いて、裕太の家へ土浦だった。車はだいぶ走った。裕太はおきていた。重盛マネージャーはウェアを渡すと着替えるように言った。紺の長袖と紺のズボンだった。裕太が着替えて外に出て来て三人が車の前に並んだそれを見た重盛マネージャーは「あんた達、捨てたもんじゃないわね。似合っいるわよ。」三人を見てニヤリ笑った。「早く乗って頂戴。間に合わないわ!」重盛マネージャーはそう言って車を走らせた。8時には霞ヶ浦国際カントリー倶楽部に着いた。女子プロ10人と俳優、芸人、タレントがクラブハウスに集まっていた。三人が最後だった。スタートは10時であった。龍二達は全員に挨拶をして廻った。一通り挨拶をし終わると重盛マネージャーが三人に車へ誘導しゴルフバックを渡した。「龍二君のクラブはブリジストンの新作らしいよ。翔平君はダンロップの新作クラブ。裕太君はヤマハの新作クラブですって。社長が羨ましがっていたわよ。龍二君は草刈プロ賞金女王とペアね。翔平君は渋谷プロ賞金ランク2位、裕太君は金子プロ賞金ランク3位の実力者よ。頑張りなさい。」重盛マネージャーは三人を励ました。10時になりスタートをきった。1番ホールは素人達は全員パーであがり、草刈プロ渋谷プロ金子プロはバーデイスタートをきった。龍二がバーデイをとったのは前回と同じ2番ホールだった。草刈プロはイーグルで4アンダーでトップに立った。前回と同じ展開であった。翔平と裕太はパーで渋谷プロと金子プロはバーデイをとった。3〜9番までの龍二、翔平、裕太はパーで前半を終えた。草刈プロ、5アンダー、渋谷プロ、5アンダー.金子プロ3アンダーで昼食タイムになった。プロは流石にうまかった。バーデイを取るたびに抱き合って美波との距離を縮めた。龍二と美波はまわりから怪しい目で見られた。ガッツリ二人の世界に入っていた。皆、レストランでハーフランチを食べた。龍二は美波の隣でランチを食べた。「チケット買ったわよ。渋谷プロと金子プロも一緒に行ってくれる。電話でも話たけどお父さんとお母さんが連絡もなしに連れて来て、普段着で恥ずかしかったと毎日言われるのよ。今度、場をもうけようとこの間のレストランで良い?改めて会ってあげて!そして、今日も一曲歌っていただけないかしら?」美波は龍二の顔を見て優しく微笑んだ。「いいよ。お安い御用。うちの社長は金にならない場所では歌うなと言われるんだけど今日は別だよ。スポンサーの方々もいるし、宣伝になるから。俺、社長のそういう所好きなんだ。プロ意識を持てと言ってくれてる感じがして!」龍二は美波の目を見つめた。「そうなんだ!悪いかな?」美波は龍二の目を見つめた。「いや!大丈夫だよ。どんな曲が良い?クィーンの手を取り合ってかベッドミドラーのザローズなんかどう?三人で歌うよ。」龍二は鼻歌でメロディーを歌った。「ザローズかな?素敵よね。」美波は龍二の目を見て優しく微笑んだ。「ザローズ、わかった!オッケー!」龍二は美波の目を見つめた。「有り難う。ご馳走様でした。」美波は合掌してホークを置いた。「ご馳走様でした。」龍二もホークを置いた。美波は霞ヶ浦国際カントリー倶楽部の支配人とひそひそ話をして終わるとカートに乗って10番ホールへと向かった。10番ホールのティグランドに着くと渋谷プロが美波に「たまには手をぬいてください。」頼んでいるのを耳にした。「駄目よ。駄目駄目!イカサマは駄目!」美波はキッパリと断っていた。「これ、バラエティ番組でしょ?本気の勝負じゃないじゃない!ケチ!チェ!本当に融通利かない女だよ。あんたは!」渋谷プロは怒って、勝手にオーナーをつとめドライバーで250ヤードカットばした。続いて金子プロがドライバーで250ヤードでランが出て260ヤードまで飛んだ。草刈プロはランも出て270ヤードまで飛ばした。こうして、後半の9ホールが始まった。龍二と翔平と裕太は後半のロングホール12番でバーデイをとった。プロ達は全員イーグルをとった。結果は前回の17アンダーを上回り18アンダーで草刈プロ龍二組が優勝し賞金百万円を手にした。番組スポンサーの味の素から冷凍餃子1年分を副賞として貰った。2位は渋谷プロ翔平組、賞金五十万円と味の素食品詰め合わせを貰った。3位は金子プロ裕太君で賞金三十万円と味の素冷凍チャーハン半年分を貰った。龍二に美波は折半しようと言ってくれた。ありがたかった。関係者全員がクラブハウスに集まった。セブンカラーズの歌の披露の時間がきた。龍二がピアノの前に座ると「セブンカラーズの遠藤龍二と斎藤翔平と松村裕太が歌うのは、ベッドミドラーのザローズです。草刈プロからのリクエストです。聴いてください。」龍二が言ってピアノの伴奏が始まった。拍手が鳴り、ボーカルは龍二だ。勿論英語の歌詞で歌う。翔平と裕太はコーラス。普段の練習がこういう時に役に立っ。やはりプロのそれだった。ピアノが静かに終わると拍手喝采が湧き上がった。テレビカメラもまわっていた。プロデューサーが重盛マネージャーに使用許可を得ていた。これにてテレビ収録は終わり解散となった。三人にとって有意義な大会で後日三人は時々霞ヶ浦国際カントリー倶楽部でゴルフをした。龍二は会員権を買った。草刈プロの紹介があった。2025年現在も夫婦になった。美波とよく霞ヶ浦国際カントリー倶楽部でゴルフをしている。翔平は女優の朝倉美穂と結婚をして、裕太は当時アイドルだった東野由美子と結婚し、つくば市にマンションを買って住んでいる。六人でよくゴルフをやっている。メンバーは次の日からコンサートのリハーサルに本社ビルの練習場でやっていた。リハーサルは順調に進んだ。そして、12月14日のコンサートへと準備は着々と進んだ。




