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備忘録 forgive  作者: やましたゆずる
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第15章 玲奈が拒否する

龍二はこの頃は暇がなく曲を書いていた。この次期流行っていたデビッドフォスターの曲を参考に曲を書いていたデビッドフォスターは1983年セブンカラーズと同時期にカナダの音楽プロデューサーであり作曲家であった。その後、映画の曲をヒットさせて行く。のちにホイットニーヒューストンやセリーヌディオンなどにより大ヒット曲を生みだしている。コンサートで龍二が歌っている、エリックカルメンのオールバイマイセルフなどもデビッドフォスターの作品であった。アースウィンドアンドファイヤーのアフターラブハズゴーンも彼の作品である。そして出来上がった曲のタイトルを【初恋の空気の中に】である。第5作のシングルカットになる。玲奈にそれを連絡すると「そんな曲は私には歌えない」と拒否されてしまった。女性から男性に思いを寄せた楽曲なので龍二は女性にボーカルを担当してもらいたかった。白羽の矢を美優にたてた。カーペンターズのカレンに声が似ていた。美優推しのファンはその辺がグッとくるらしい。美優に電話をし、龍二は理由を話すと美優が家に来ないと誘ってくれた。龍二の家は谷田部町今で言うつくば市台町だから美優の住む谷田部町今で言うつくば市松ノ木はそんなに遠い距離ではなかった。龍二はスカイラインケンメリに乗り込んで美優の家へと走らせた。約10分で着いた。翔平の家は谷田部町今で言うつくば市上横場で玲奈の家は谷田部町今で言うつくば市松代で四人の家は意外と近かった。四人は中学は谷田部中学で一緒であった。高校は四人とも私立の茗渓高校で記念すべき第1期卒業生であった。4人は卒業してすぐ今の社長に見初められ歌手として入所した。「ビビっとくるものがあったらしい。芸能のプロのカンだそうだ。」残りの3人のメンバーは大学に進まず、音楽をやりたいと言う事で玲奈がスカウトして今に至る。篠原恵子は阿見町荒川沖、松村裕太は土浦市霞ヶ丘、一ノ瀬瑠奈は牛久市柏田に親と一緒に住んでいた。龍二が美優の家に着くインターフォンを押して「こんにちは遠藤です。」龍二は対応してくれたお母さんに返事をした。美優のお母さんが玄関のドアを開けてくれた。「お母さん。車、玄関前で大丈夫ですか?ガラが悪い車なんでふが!お母さん、相変わらず綺麗ですね。」龍二は右手で頭をかきながらお母さんの目を見た。「龍二君いらっしゃい。お久しぶりですね。あら!口も上手くなったわね。」お母さんは少しだけはにかんだ。「そんな事、今じゃ旦那も言ってくれないわよ。こんな良い男に言われると緊張するわね。」お母さんは頬を赤らめ照れ笑いを浮かべた。「何、イチャイチャしてるのよ。お母さんったら!まったく!恥ずかしい!」美優が二人の顔を見て微笑んだ。「どうぞ!あがって下さい。」お母さんはスリッパを出した。「龍二、ピアノの部屋にどうぞ!何もめたの?曲聴かせて。」美優はピアノ部屋に龍二を案内した。「ピアノ借りるよ。」龍二がピアノの音を出して曲を演奏し始めた。龍二の甘い声で歌を歌い始めるとそれを聞いた美優が「玲奈が歌いたくない理由わかる気がする。駄目ね。でも良い曲よ。私は賛成するわ。私が歌ってあげるし!アハハ!」美優は龍二の顔を見て笑った。「龍二君の歌声素敵!なんでシングル出さないの?この間の土浦市民会館のコンサートのあなたの洋楽カバー素敵だった。オールバイマイセルフ!おばさんぐっときちゃて涙したのよ。これ、新曲なの?良い曲ね。また売れるわよ。間違いない!お茶飲んでこっちへどうぞ。」お母さんは優しく微笑んでリビングのテーブルにコーヒーを置いた。「俺のシングルはいよいよ売れなくなったら出そうかと思ってます。今回のこの歌はお嬢さんに歌ってもらいます。」龍二はお母さんの目を見つめて優しく微笑んだ。「大丈夫なの?美優で!」お母さんは龍二の目を見つめた。「これから歌ってもらいましょう?」龍二が言うとコーヒーを一口飲んでピアノの前に座った。前奏を弾くと美優の歌が入ってきた。あいかわらずの声だ。カーペンターズのカレンが歌っているような感覚に襲われる。ばっちり、歌に声がマッチしていた。美優でよかった。美優に断られたら歌詞を書き直そうと考えいたくらいだった。「プロゴルファーと身体の関係もったの?」お母さんがいきなりニヤリ笑った。「いや、まだ!」龍二はお母さんの顔を見て微笑んだ。「あなた、奥手だったものね。この子が中学3年の時、したくなったと私に相談してきたのよ。あなたと翔平君どっちが行けそうか聞いたら翔平君って言うから。誘いなさいと背中押したのよ。この子、あなたともしたいと言うから誘惑しなさいと言ったのも私だから、この子翔平君の方が良いって言うからそっちにしなさいとけしかけたのも私。アハハ!」お母さんは下ネタをぶち込んで来た。「龍二君、熟女興味ある?私で良ければ教えてあげるから遠慮なく、親子どんぶりか?アハハ!」お母さんは色目を使いながら龍二を誘った。「駄目です。俺、美波さん、裏切れません。」龍二はお母さんの目を見つめニヤリ微笑んだ。「私、言わないからお母さんに教わりなさい。あなた、下手クソなんだから。翔平の方が上手いから。」美優も背中を押した。「俺、ヘタクソか?ガッカリ。」龍二はへこたれていたらお母さんがスカートの足を組み直しパンチラさせてきた。龍二は玲奈と別れてからしてなかったから心がグラついた。「今、下着見たでしょう?元気になったんじゃない?2階の寝室行こう。」お母さんは色っぽい声で龍二を誘った。龍二は誘いにはのらなかった。性欲より理性が勝った。「お母さん。遠慮します。申しわけありません。お母さんに恥をかかせてしまいました。」龍二はお母さんに向かって頭を下げた。「用が済んだので帰ります。ご馳走様でした。失礼します。美優、楽譜置いておくからよく練習して下さい。」龍二は二人の顔を見て頭を下げてスリッパを脱いで揃えて置いて玄関を出て、美優の顔を見てお母さん(美怜)の顔を見て、龍二は頭を下げた、「失礼します。申しわけありません。」龍二は気不味そうな顔で帰って行った。「美優、あの子、良い男になったね。私の誘いにはひっかからなかった!初めての男よ。だいたいの男はすぐに乗っかってくるんだけど、あの子、芯が通っているか、臆病者かどちらかだね。あなたもああいう男を掴みなさい。間違いないわ。でも悔しい、私も年期がまわったわね。男一人誘惑出来なくなっちゃた!私、ババアになったかしら?美優。あんな素敵な曲を作るんだから純粋な男なんだわ。確かに、プロゴルファーの草刈さんが羨ましい!」美怜が娘の美緒を見て微笑んだ。「ママはいまでも綺麗だよ。」昔、土浦のキャバレーで一世風靡した、美怜だった。「ママ、コーヒーもう一杯飲む私が淹れるわね。」美緒は母の顔を見て微笑んだ。焙煎から始めて淹れてコーヒーカップを持って二人はリビングに向い合わせに座って美緒が淹れたコーヒーを飲んだ。龍二はそれ以降、美緒の家には近づかなかった。




1975年当時のつくば市は絶賛開発中であり、四人が住んでいたのは谷田部町でした。

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