第11章 新曲夏の匂いが完成した。
玲奈が次回新曲の【夏の匂い】を完成させた。社長からの要望でやはりバラード系の曲に仕上がった。つくばノバホールでの披露にむけて編曲レコーディングが進んでいた。プロモーションビデオも完成していた。つくばでのコンサートでサプライズ販売を1980年代はVHSビデオ12000円で販売予定であった。龍二達セブンカラーズのコンサートに向けてのリハーサルが本社ビルの練習場でコンサート前の日まで行われて龍二達メンバーは新宿のホテルと本社への往復の毎日であった。毎晩練習終わりにいつもの居酒屋で飲んでいた。龍二はツアー中の美波に電話をし「会いたい」と連絡を入れた。美波は当時東京の自己所有のマンションに住んでいた。「新宿なら近いから顔を出す。」と言って、居酒屋に美波が来てくれた。個室のドアが開くと美波が「こんばんは。お邪魔します。」美波が皆の顔を見て優しく微笑んで頭を下げた。「今週はツアーは休みと言う事で草刈美波プロに来てもらいました。」龍二が美波をメンバーに紹介した。玲奈だけ嫌な顔をしていた。「プロゴルファーの草刈美波でふ。遠藤龍二はんとはテレビ番組で一緒になり仲良くさせていただいております。」美波は皆の顔を見て笑顔で自己紹介をした。「草刈さん。メンバー紹介します。ボーカル、ギターの斎藤翔平、ボーカル、サックスの池田玲奈、キーボードの西野美優、ベースの松村裕太、ドラムの一ノ瀬瑠奈、ギターの篠原恵子。そして、オレ、ギター、ボーカルの遠藤龍二。7名でセブンカラーズです。」龍二が立って一人一人を紹介した。「龍二、あんた、プロゴルファーと付き合っているの?」美優が龍二を呆れ顔で見て苦笑いを浮かべた。「付き合ってなんかいない!応援している。だって有名人だから週刊誌なんかで騒がれたら迷惑かくちゃうし、女としては好きだけど今は良いお友達だよ。将来的にはお付き合いしたい。オレの希望!オレ達も今大事な次期だから噂話には気をつけないといけない!恋愛は自由だそ。活動の糧にもなるし。社長には恋愛禁止とは言われてないからすきにやれば良い。」龍二は皆の顔を見て優しく微笑んだ。一人が口を開いた。玲奈だった。「あなたが美波さんを好きになったら私はどうするの?」玲奈は龍二を睨んだ。「この間も言っただろ、玲奈には恋愛感情はないからとずっと友達でお願いします。お互い良い曲作って価値をわかちあえるならその方が楽だぞ!」龍二は玲奈の目を見つめた。「わかった。私推しのファンでお医者さんがいるんだイケメンだからこんど食事でも誘ってみっから!」玲奈は龍二の顔を見てニヤニヤ微笑んだ。「美波さん、こっちに座って下さい。」龍二が恵子の隣を手で合図した。「お邪魔します。」美波は皆の顔を見て座った。「美波さん、何お飲みになりますか?」恵子がメニューを手渡した。「生ビールと枝豆とあたりめをお願いします。」美波は笑顔で恵子の顔を見た。「美波さん、食事はいかがですか?」恵子はもう一度尋ねた。「食事は既に食べてきました。私、栄養士がついておりまして、すべて、管理されてます。」美波は笑顔で恵子の顔を見た。「スポーツ選手って大変ですね。」恵子が美波の顔を見て微笑んだ。「慣れると意外と良いものですよ。ちゃんとした食事は出来ていますよ。まあ、ラーメンとかはオフにしか口に出来ませんが。」美波は苦笑いを浮かべた。恵子はタッチパネルで美波の注文と全員の飲み物を注文した。暫くすると注文した物が運ばれて来た。新たに龍二の音頭で乾杯をした。ゴルフと音楽の話で場は盛り上がった。美波はセブンカラーズのCDは買ってカセットテープに録音してツアー中ウオークマンで良く聴いていると笑顔で言った。リードボーカルの翔平の歌声が好きだと言っていた。龍二のボーカルのシングルはこの次期は発売されていなかった。龍二のボーカルのシングルは第4作目になる、龍二が美波に恋した曲だった。翔平と玲奈がこの曲のボーカルを辞退した為、龍二がボーカルを担当したのであった。社長は路線を変える事に難色を見せたが渋々了承した経緯になる。




