VSinger(バーチャルシンガー)になってみたので解説しつつ可能性について語ってみる
皆様はVtuber(Vチューバ―)という存在をご存知でしょうか?
近年Vtuberの存在は広く世の中に浸透しているのでご存知の方も多いと思いますが、一応簡単に説明いたします。
Vtuberとはヴァーチャルユーチューバーの略称で、文字通りヴァーチャル(仮想)+ ユーチューバーを意味します。
ユーチューバー自体も近年聞くようになった言葉ですが、将来なりたい職業ランキングなどにも毎年入っているので、今となっては知らない人の方が少ないのではないでしょうか。
ユーチューバーとは、Youtubeという動画共有サイトで活動する人全般を指す言葉で、今では職業としても広く認知されています。
素人でも気軽になれることから専門家として見ることができないという人も見ますが、それだけで食べていける人はほんの一部だけですので、実際はユーチューバーの中でのプロアマの概念のようなものはあると言えるでしょう。
ユーチューバーは基本的に顔出しアリの生身での配信が主流でしたが、一時期から2Dや3Dのアニメーションキャラクターをアバター(仮想環境の分身的存在)としたVtuberが流行り始めました。
詳しい歴史については割愛しますが、初めてVtuberが誕生したのは2016年になります。
今となっては一大コンテンツに成長していますが、当時はここまで流行すると予想していた人はあまりいませんでした。
これについてはオタク寄りの人とそれ以外では意見が分かれると思いますが、新しいコンテンツというものはそもそも中々受け入れられないものなので、否定的な人はかなり多かったと思います。
私の世代(30~40代)なんかはまだまだオタク文化に厳しい環境だったので、こんな時代が来るとは思っていなかった――という人も多そうです。
ここでは便宜上わかりやすくするためにオタク以外の人を一般人と記載しますが、一般人目線だと二次元の存在(中に人がいるとはいえ)のファンになったり、スパチャ(投げ銭)したりするのはかなり抵抗があると思います。
オタクの私ですら最初は抵抗ありましたからね……
今でも「絵畜生」だとか、「ただの絵じゃん」みたいにキツイ言葉で表現する人は一定数いますし、アニメのイラスト自体に偏見を持っている人も現実にはまだまだいます。
私の周りにも、「何で流行っているのか理解できない」って言っている人が未だにいますよ……
そんなワケであまり口には出しにくい環境でしたが、個人的には正直流行りそうだなぁ――と思っていました。
理由は単純で、私自身アニメやゲームのキャラと喋ってみたいという願望があったからですね。
……あ、もしかして今、「うわ、キモ!」とか思いました?
いやいや、今の時代ならきっと受け入れられるとは思いますし、考え過ぎとは思うんですけどね?
ただ、少なくとも私の学生時代とかにこんなことを口にしたら、絶対キモがられていました。
本当そんな世界だったんで、オタクは迂闊に変なこと口にしないよう臆病な生き物だったんです……
まあ今でもキモがられる可能性は十分あるんですが、自分が若い頃は本当にそんな願望を持っていました。
将来、そんなことができるゲームとか出ないかなぁって妄想していましたよ!
……で、恐らくですけど、口に出せないだけで私と同じような人は結構いたんじゃないかと思ったワケです。
世の中、自分と同じような発想に至る人なんていくらでもいますからね!
というワケで、多少条件は違えどVtuberはその願望を少なからず叶えてくれるコンテンツですので、ハマる人はハマると思ったのですよ。
もちろん現実的には中の人が存在するのでアニメやゲームのキャラと同じではありませんが、限定的には条件を満たしていますし、本人の気持ち次第でそういう楽しみ方もできるワケですから、個人的には素晴らしい試みだと思っていました。
まあ、それでもここまで流行るとは思っていませんでしたけどね!
少なくとも20~30年くらい前であれば絶対無理だったと思うので、本当良い時代になったもんです……
そんな背景もあり元々Vtuberには興味があったのですが、実際に私が配信を見るようになったのは1年半くらい前と結構最近だったりします。
それまで見なかった理由は二つあって、一つは中年あるあるの「新しいコンテンツに触れるのが億劫になる」現象のせいですね。
いや本当、なんで年取るとなんでこんなに新しいコンテンツ苦手になるんでしょうねぇ……
そしてもう一つは、私がVtuberを嫌っていると勘違いされていて、なんか仲間意識を持った人が近くにいたせいだったりします。
私は以前ネット乞食をテーマにしたエッセイを書いたことがあるのですが、その事例でVtuberの話題を扱ったことがあり、それがどうも「この人Vtuber嫌いなんだろうな」と勘違いされる原因になってしまったようで……
いや、確かに読み直すと節々から嫌悪感のようなものがにじみ出ている気はするんですが、私は好きなコンテンツだろうが「これはアカンやろ」って思ったらハッキリ言うタイプってだけだったりします。
これはあくまでも私個人の考えですが、この手の不祥事やマナー違反に好き嫌いの感情は挟まない方がいいと思っていますので。
とりあげた事例についても、あくまでも注意喚起としてチョイスしただけで、悪印象から選んだワケではありません。
(本題から外れるので多くは語りませんが、あの件に関しては正直、制御できなかった企業側の問題が大きいと思っています)
よく自分の好きなコンテンツで不祥事が発生した際に過剰に庇う人がいますが、アレって結局庇われたコンテンツ側の印象を悪くするだけですし、完全に悪手だと思うんですよね……
これだから〇〇豚は! とか思われてイメージをより悪化させますし、Vtuberであればあの人の配信はリスナーのマナーが悪いから見たくないって意見もX(旧Twitter)などでよく目にします。
影響を考えるとアンチと同等か、それ以上にタチが悪いです……
まあその人とは早々に関係を絶ったのですが、それが尾を引いてたのが原因って感じですね。
今では立派(?)なVtuber視聴者ですし、最近は自分自身がVtuberになったりしています。
……ええ、ようやくここでタイトルに結び付きましたね。
実は私、つい最近ですがVtuberのモデルを用意し、本格的にVSingerを名乗るようになりました。
VSingerとはVtuberの中でも歌唱活動を中心に行う人を指す言葉で、人によっては歌系VTuberや音楽系VTuberと呼称することもあります。
web小説家がなんで? って感じですが、私は好奇心の塊なので興味あることは何でもやってみる主義なんですよね。
もちろん犯罪とか悪事には手を出しませんが、その心理を知るために勉強したりはします。
それもあって雑学知識がそこそこ豊富で多趣味なのですが、その中でもカラオケについては長年ハマっている趣味でして、VSingerになったのはそれが年々エスカレートしていった結果と言えるかもしれません。
最初は純粋なカラオケ趣味から始まり、カラオケDAMで録音することを覚え、カラオケアプリに手を出し、Youtubeで配信を始め(当初は汎用の誰でも使えるモデルで)、現在は専用のモデルを用意しVSingerになっているという状況です。
我ながら大した行動力だと思いますが、これが趣味ガチ勢なんですよ! と言っておきます。
あ、ちなみに私は人生でまともに音楽を学んだことはありませんし、バンドを組んだこともボイトレを受けたこともありません。
本当にただの趣味から始めて、今に至っています。
私のようなパンピーがなれるということは、要するになろうと思えば素人だろうが音痴だろうがVSingerになれるということを意味します。
歌うのは好きだけどコミュニケーションに自信がない人や、人前に出るのが苦手という人にもVSingerはオススメです。
ちなみに私はちょっとした難病を抱えているのですが、VSinger活動は家でやれるので凄く助かっています。
バンド活動やライブなんかはどうしても移動が多くなりますし、行動自体もハードになるので私には困難ですからね……
普通に会社にも勤めているのでスケジュール調整は難しいですし、顔出しの配信なんかは会社的にもNGを出されます。
もしVSingerという活動形態が生まれなければ、恐らく音楽活動をしようなどとは思わなかったでしょう。
VSinger文化万歳です!
まあ、私は売れたいとかそういった願望が薄いので、VSingerとしては恐らく異端だと思います。
今はただ歌うのが楽しいだけの新人なので、VSingerにおけるポピュラーな考え方とかは残念ながらわかりません。
ただ、VSinger業界自体には結構可能性を感じていたりもします。
今でも「顔出ししてないアーティストは信用できない」とか顔出し否定派は存在しますが、昔はもっと酷かったので大成することはほぼない環境だったんですよ。
それが今ではAdoさんを代表に顔出ししてないアーティストはいくらでもいますし、それに抵抗を感じない人も増えています。
つまり今は、VSingerにとっても活動しやすい環境になってきているということなんですよね。
これって結構凄いことで、今まで事情があって表に出れなかった人が積極的に活動できる可能性が生まれたってことなんです。
身体的理由からバンド活動できなかった人も、容姿に自信がなくてチャンスを逃してきた人も、VSingerとしてであれば活躍できる可能性がありますからね。
他にも、純粋に歌を評価して欲しいという人も一定数います(確かAdoさんもその一人だったハズ)。
これは批判とかではないのですが、私は正直、音楽なのに視覚情報を重視するのをあまり好ましく思っていません。
人間は視覚情報が八割というのは重々承知なのですが、聴覚情報メインのジャンルで視覚情報を理由に好き嫌いを判定されると凄くモヤるんですよね……
たとえば、「実は嫌いな歌手」とかで検索するとわかるんですけど、嫌いな理由の八割くらいが見た目の話をしていたりします。
見た目は清楚なのに声が太くて無理とか、酷いのだと私歌が上手でしょ? って雰囲気が嫌いみたいなことも書いてありました。
実際上手いんだからええやん、もう目をつぶって音楽聴いてくれ――って思ってしまいましたよ……
まあ人によって音楽に対する価値観は違うのでしかたないのですけど、見た目が嫌いだから歌も嫌いっていうのはやめてあげてよ! と他人事なのに少し悲しくなりました。
っと、つい心の声が駄々洩れしてしまいましたが、残念ながら現実的に仕方ないことだと理解はしています。
世の中には音楽無しには生きていけないという人もいれば、生きていくうえで音楽なんて必要無いという正反対の考え方をする人も存在しますからね……
そりゃあ音楽に興味ない人からすれば「そんなこと言われましても……」状態でしょう。
実際、音楽業界は昔からそういう人にも音楽の魅力を伝えられるよう見た目に気を使っています。
歌って踊るのも、演技めいた演奏方法をするのも、ヴィジュアルを重視するのも、色々な方面から興味を持ってもらいたいという側面があるからです。
これについては昔から賛否両論ありますが、相乗効果もありますし、色んな人が盛り上がれるので、やれるのであればどんどんやった方が良いと思ってます。
ただ、この「やれるのであれば」という部分が結構重くて、現実には見た目や運動能力が足を引っ張るケースが多々あります。
これは先天的な理由もあるでしょうし、怪我や病気、老化などの後天的な理由もあるので、努力とは関係なくやりたくてもできないって人は恐らく数えきれないくらい存在するでしょう。
そんな視覚情報の不利を少なからず補えるのが、VSingerだと私は思っています。
金銭面の問題さえ解決できれば理想の見た目を作ることができますし、年齢や、場合によっては性別さえも自由に選ぶことができるからです。
こうハッキリ書いてしまうとモヤモヤする人もいると思いますが、こればかりは事実ですのでご勘弁ください……
もちろん前述したようにアニメイラスト自体に抵抗を覚える人もいますが、これについては昨今の技術の発達を見る限りでは、その内より実写に近いアバターも出てくるんじゃないかと思っています(もしかしたら、もうある?)。
流行るか流行らないかは置いておくとして、そういったイラストに抵抗を感じている人向けの対策もできれば、隠居せざるを得なかったアーティストがVSingerとして復活するなんて事例も出てくるかもしれません。
……正直、そうなったら嬉しいなぁと少し期待してもいます。
あ、ちなみにですが、VSingerの中には元声優さんとか元歌手の人も普通にいますので、もしかしたら既にそういう人もいるかも?
ということで今回は、実際にVSingerなってみたうえでVtuberやVSingerのことを簡単に解説しつつ、VSingerの利点や可能性について語ってみました。
今後この業界がどうなっていくかはわかりませんが、私は明るい未来に期待をしつつこれからもVSinger活動を続けたいと思っております。
もちろんweb作家としての活動も続けていきますので、今後はこの経験を活かした作品も増やしていきたいところですね!
あ、それから、もしこの記事を読んで興味を持った人がいれば、是非VtuberやVSingerになってみてください!
色々偏見も多い業界ですが、やってみればその苦労や楽しさを理解できると思いますよ!
それでは皆様、良き趣味ライフを!
あ、ちなみに私はアニソンのエッセイを書くくらいにはアニソン好きですし、ロックやメタル、90年代ソングなんかが大好きですので、配信ではそういったジャンルを歌っていることが多いです。
同名で活動しているので、もし興味があれば覗いてみてくださいね!
レパートリーの多さと楽しく歌うことについては自信あります!