喫茶カラプス
「それでこいつを拾ってきたのか?」
「はい、、、すみません、、、」
「なぜ謝る?お前は間違っていることをしたか?」
「して、、、ないです」
強面のおっさんがその面通りの口調で問いかけてくる。
「なら良いだろう?———おいガキ、名前は?」
「、、、んっくっ、、、無い」
「なぃってお前———」
「待ちな、、、エル、こっちへ来い」
遠慮なくカレーを食べ続ける少女を尻目に喫茶の店主は話を始める。
「エル、、、あいつはホムンクルスだ」
「、、、」
「お前にも関係の無い話じゃないし、、、まぁ、暫くはここに匿っておけ」
「了解です」
空になった皿を寂しげにのぞき込みながら、おかわりー、、、と小声で繰り返す。
「ほらよ、、、すげぇ食うんだな、嬢ちゃん、、、俺は暫く席を外すから———何だったか、、、あぁそうだ、後はお若いお二人で、だっけか?」
「ルドガーさん、、、それじゃ意味合いが違いますよ、、、」
「細けぇ事は気にすんなよ、、、まぁしばらく二人で話しとけ。俺はこれ吸ってくるからよ」
そう言いながら粉を取り出す。
脱法ドラッグと呼ばれるそれは、依存性の高い代物であるようで———ルドガーさんは毎日この時間になるとそれを吸っていた。
「ルドガーさん、、、あんまり吸うもんじゃないですよ、それ」
「いいだろうがよ、、、R自治区の外れとはいえここはスラムだぜ?」
「はぁ、、、もう好きにしてください」
粉を手に出し外に出ていくルドガーさんを横目に、話を始める。
「さて、、、お前、何処まで憶えてる?」
「どういう意味?」
「、、、質問を変えよう。お前はどうしてここに来た」
「わからない。目が覚めたらあの犬耳の獣人が目の前にいて、、、それから殴られた」
「、、、そうか、、、良いか?ここでは人間は差別される。不用意に出歩くな」
「わかった」
本当に何も知らない———もとい何も憶えていないらしい。
「はぁ、、、取り敢えずお前には暫くここで暮らしてもらおうと思っているんだが、、、いいな?」
「ご飯が出てくるなら」
「安心しろ。ルドガーさんが目一杯作ってくれる、、、そう言えば自己紹介がまだだったな———俺はエルだ。お前のことは———まぁ暫くは適当に呼ぶ。名前が決まったら自己紹介しろ」
「わかった」
▽▲▽▲▽
「話は終わったか?お若いお二人さん」
「ん、おわった」
「あーっとな、、、エル」
「なんですか?」
気まずそうな顔でこちらを見てくる。
「、、、部屋数が足りなくてな、、、お前らには同じ部屋で暮らしてもらおうと思う」
「拒否権は?」
「物理的な観点から見て無い」
こうして、おかしな生活が始まった。