表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天空のリヴァイアサン  作者: 朧塚
王都ジャベリン
6/115

王都『ジャベリン』 1

 ベドラムの軍団の襲撃が起こってから、しばらくの事だ。


 ロゼッタは、魔物が氾濫したと聞いて現場へと向かっていた。

 場所は、王都の戦争跡地だ。

 焼け崩れた瓦礫に、大量の魔物が放たれたらしい。


 単身乗り込むのは危険と諭されて、フリースも付いていったのだった。


「カモにネギって言葉があるよ。私が付いていかないと」

 

 王都と空中要塞との戦争が勃発したのとは別件で、別の奇怪な事件が起きた。それは、大量のキメラの発生だ。キメラとは異なった生物同士、動物同士を繋げて創り合わせた魔物の総称だ。人間も混ざったキメラの怪物が王都の廃墟内で出現すると聞かされて、二人は、王都へと向かったのだった。


 頭は狼の姿をしているが、手足は人間のそれを使っている。

 背中は巨大な鳥の翼だ。

 そんな姿の怪物が、二人へと襲い掛かろうとしていた。


「悪の女帝ベドラムは、何処までも卑劣なのっ!?」

 ロゼッタは、杖から放つ水の魔法によって、怪物へと水の刃を放つ。

 怪物の両脚と頭部が落ち、そのまま動かなくなる。


「多分、それは違う」

 フリースは首を傾げる。


「彼女なら、そんな事はしない。それにキメラの軍団は、彼女の空中要塞では飼われていなかった筈」

「ヤケに敵に肩を持つのね」

「人間側の敵が、みな、同じ考えを持っているわけじゃない。少なくとも、これはベドラムのやり方では無い、彼女にだって戦さの好みがある」

「なんなの? フリース、何故、そこまで魔族に肩入れするの?」

「肩入れっていうか……。もう少し考えて欲しいな。逆に考えると、ベドラム以外の敵がいる筈。それもこれだけのキメラの数。戦争で死んだ者達の死体を再利用している」

 天体観測所の管理人は、何かを考えこんでいるみたいだった。


「もし、私の考えが正しければ、この状況をより悪化させたい第三者がいる。そいつを叩かないといけない」

 フリースは自らの手にした杖を振るった。

 襲い掛かる、人の頭がいくつも結合したライオンのキメラを、空高くへと弾き飛ばす。宙に浮かんだキメラを、ロゼッタが水の刃で切り刻み、胴と頭を切断していく。

 

 倒したのは数体のキメラだった。

 一体、この場所には、何体のキメラが解き離れているのだろう?


 数によっては、そのまま消耗戦になる。


 ロゼッタは転がっている死体を見つける。

 ライオンと結合された女性の顔は、まるで泣いているように見えた。キメラに縫い合わされた幼い子供の姿もあった。


「何故、魔王ベドラムを信用しているの? 貴方の考えが分からない。仮に第三者がキメラを送り込んだとしても、あの女が、別の魔族を雇っただけなんじゃ?」


 ロゼッタは、魔族と自分達は分かり合えないのだと考えていた。

 竜の女王は倒すしかない。

 いずれ、自分も魔王に勝てるくらいに強くなりたい。


「信用なのかな……。ただ、少し理解はしているつもりなんだ。何故なら、彼女も私達、人間と同じだから……」

 フリースは話を続けようとしたが、ロゼッタはフリースの言葉を遮った。

 

 新たなキメラの群れが現れたからだ。

 それらは、人間の赤ん坊の頭を大量に生やした甲羅を持ったウミガメのような怪物だった。まだ生きているのか、生きているフリをしているのか、赤ん坊の頭は盛大に泣き叫び続けている。全部で四体いた。


 ロゼッタはそれを見て、吐きそうになりながらも、魔法の杖を振るった。

 やはり、魔族を許すわけにはいかない。

 ただただ、その思いが彼女にはあった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ここまでの感想で失礼します。広大なスケールでストーリーを進めたいんだなーというのが伝わってきてワクワクしました。ただ、メイン主人公が誰なのかハッキリしないので誰に気を置いてストーリーを楽しんでいいのか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ