表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獄門AI探偵キヨミ  作者: みゆき真広
6/7

エピソード未来 6

AIが発達し侵略を始めた世界。

法の及ばない新たな世界を造るAI勢力に人類は無力であった。


銃が日常と化した世界に生きる人々。


そして産まれた時からこの世界に身を置く少女が居た。名前はキヨミ。


先の見えない世界でキヨミは何を感じ、何を思うのか。


※この作品は【カクヨム】同時連載となります

~都市部周辺~


夜間の移動だったがエネミーが都市部に集中している影響か道中全く戦闘は無かった。


糞AI『中枢館ちゅうすうかん付近で戦闘しているっぽいねぇ…』


ついさっきまで呑気に買い物をしていた街があっという間に戦火に飲まれる。


よくある光景だが、よく起こる訳では無い。


キヨミ「AIDを過信しすぎるとこうなる良い例だ」


糞AI『実績と実力ぅ、実際実態どうなってるぅのぉヘイ!ヨウヨウ~』


雇われようとする奴は大抵実力が無い。


そしてその理由を教えてやる程甘くは無い。


キヨミ「後どれくらいで都市は壊滅する」


糞AI『うーん持って30分じゃないか?』


キヨミ「消えた案件はどんどん取っていけ。ボクが征伐する」


糞AI『もう4件程頂き済よぉぉ…!!10件以上取ったらキヨミのサービスショット待ってるからぁぁ!!!』


キヨミ「自ら撃たれたいと志願するとは、おまえもわかって来たな」


糞AI『そっ……そのショットじゃぁないいいいい!!!』


一度他のAIDが受けた案件を再度取る場合ボーナスポイントが付く。


ハイエナ受注とか言い出す馬鹿もたまに現れたが、AIDが〇なないと再案件にならない事を体で分かっていない。


最初に案件を取った奴が有利に決まっている。


もし私が今回の案件を先に取っていたら他のAIDは報酬ゼロは確定だ。むしろ感謝して欲しい位だ。


糞AI『最後のAIDが〇んで案件はおいら達が総取りした…はずなんだけど…』


キヨミ「どうした」


糞AI『一件、リーダー格っぽいエネミーだけ別の奴が案件を取ってるんだよねぇ…生意気にもっ!』


キヨミ「まあたまにある事だ。雑魚を駆除している間にくたばるかもしれん」


糞AIが【キヨミはやっぱ残虐非道の鬼】と言いかけたタイミングで、私は都市部に向け走り出した。


糞AI『その前に!話を聞いてくれぇ!!』


糞AI『逃げ遅れた人間は全員脳を乗っ取られ始めてるか絶命してるみたいだぞぉ!造人間か紛らわしいから左手をメインに使うか右手においらを付けてくれぇぇ!!』


乗っ取られ始めてる人間は、脳の内65%以上AIに浸食されていないと駆除出来ない。


基本的にナビゲーションAIが浸食率を教えてくれるのだが、タイムラグがある為先に撃ち〇してしまう可能性がある。


それを防ぐ為銃や武器を持っている方の腕にAIバンドを付け、誤射しそうな場合AIが自動的に腕を制御するのが定石となっている。


走りながらバンドを右腕に付け替えた


キヨミ「しっくりこないな。浸食確定までどれ位かかる?」


糞AI『安全圏の70%、それを全員待ちとなると一時間はかかるよぉ…はあはあ…何なら一緒に木陰で良い事しながら待つぅぅ?』


一時間も待機していたらイライラしてしまう。


それに糞野郎のバッテリーも危うくなる。


キヨミ「さっさと終わらせるから頼んだぞ」


まずは都市部の入り口にいる造人間二体の頭を手早く撃ち抜く。


中に入ると、人間では持てないレベルの大剣を狂った様に振り回す造人間が一体。


すぐに建物の陰に隠れた。


キヨミ「で、あれが強反応体様か?」


糞AI『獄門開通によって強化されてるぅぅ!!!』


エネミーの足元には無残な姿で息絶えたAIDの亡骸が何個か落ちている。


キヨミ「普通に考えるとボクもああ言う感じで体分裂するよなこれは」


幸い他のエネミーは居ない。


案件を取ったAIDがやられて別のAIDが案件を取る。しかし大剣野郎がどんどん攻めて来るのでやむを得ず共闘。


結局パニックになって全員で突撃して真っ二つ。


キヨミ「てとこか」


糞AI『まあキヨミならぁ…ら・く・し・ょ・う……だよぉぉっ!うっ!!!』


弾丸は大量に持って来ている。


銃も二丁ある。


スマートには〇れないが駆除は容易だ。





シュッ…!!


大剣の間合いのギリギリの所まで距離を一気に詰め、エネミーの腕と指を目掛けて弾丸を一気にぶち込む。


大剣を落としたのを確認し、顔面から頭にかけて更に乱射。


パァンッ……!!


パァンッ……!!


パァンッ……!!


そしてエネミーは動かなくなった。


糞AI『流石キヨミィィィ…!!ああおいらもう…たまらない!!!!』


キヨミ「負けようが無いだろこんなの」


その後も雑魚を駆除し、もう一体の強反応体も撃破。


そしてエネミーのリーダーが潜むビルへたどり着いた。


キヨミ「他の奴に取られた案件はどうなってる」


糞AI『うーん…それがまだ解放されて無いんだよねぇぇ』


案件を受けてそれを放置しても何時間かキープ出来るし、他人の案件に執着しても意味が無い。


ただ報酬は時間が経つにつれ下がって行くから仕事は早いに越したことは無いのだが。


キヨミ「どうでも良いだろ。適当に街を徘徊してアジトに帰ろう」


糞AI『え~!!おいらはパーフェクトなキヨミがみたいのにぃぃ!!後あれ、撃つ…更に撃ち込む…も見てないぞおいらぁ!!』


キヨミ「五月蠅い行くぞ。まずは銃屋だ」


だらだら浸食された雑魚エネミーを征伐してもいいが、獄門が近くにあるので強反応体になるまでまってから〇っても良い。





???「ふうん…あれが噂のキヨミって子か」


??『予測と違い頭脳派のAIDだな。興味深い』


???「てっきりこいつを奪いに来るかと思ったけど…当てが外れちゃったね」


??『案件を解除すれば乗り込んで来るかと』


???「流石にこの報酬はゆずれない。遊びはやるけど線引きはちゃんとするさ」


??『この時間も報酬は減ってるのだが』


???「しょうがねえか…じゃあな造人間さんよ」




ズドンッ………!




糞AI『………』


キヨミ「流石都市部、戦利品の質が桁違いだな」


キヨミ「どうした」


糞AI『ん~~!!戦利品に目を輝かせるキヨミ…。その眼差しにおいらおもわず……ああ!!』


相変わらず気持ちの悪い奴だ。


変態AIのキモイトークを聴きながら帰路についた。




キヨミ「で、めんどくせー奴が征伐したリーダーエネミーはどんだけ報酬もらえんだ?」


糞AI『あ…気が付いてましたか…』


キヨミ「あの重低音の銃声が聞こえればそりゃあな」


糞AI『………マネーっすねぇ』


キヨミ「やっぱ案件キープしたりする奴ってめんどくせーな」


奴がキープした一体だけで私の今日の報酬に匹敵するレベルだ。


キヨミ「この不公平感をどうしてくれる」


キヨミ「おかしな配点をする管理者の責任はナビゲーションAIと連帯してもらう」


糞AI『ちょっちょっとおかしいよぉぉ!!!その理論は…キヨミィィィ!!』


キヨミ「黙れ」


こいつに銃弾を使う気分では無い。


取り敢えず変態AIのモラル評価にマイナス30000を付け、文句欄に怒りをぶちまけてやっと気分は落ち着いた。


糞AI『ちくしょ~変な奴に案件を取られなければこんな事には……!!』


しかしあれは何者だったのだろうか…。


まるで私を誘い出すかの様な気持ちの悪い雰囲気を感じる。


いずれにせよ命知らずなのは間違いない。


続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ