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獄門AI探偵キヨミ  作者: みゆき真広
5/7

エピソード未来 5

AIが発達し侵略を始めた世界。

法の及ばない新たな世界を造るAI勢力に人類は無力であった。


銃が日常と化した世界に生きる人々。


そして産まれた時からこの世界に身を置く少女が居た。名前はキヨミ。


先の見えない世界でキヨミは何を感じ、何を思うのか。


※この作品は【カクヨム】同時連載となります

警備員が腕に着けているのは私と同様AIバンドだ。


当然警備用のではあるが。


警備員「確認しました問題ありません。AIDの方ですね、都市内では専属の者が案件を受けます故…」


糞AI『大丈夫だ、分かっているからよぉ』


話が長くなりそうだったからか変態野郎が割って入った。


警備員「中々トリッキーなAIと契約されているようで…。中へどうぞ。」





糞AI『イヤッホーーーーイ!!や~っと都市に来れたなぁ!!洗練されたムフフなのが沢山いるぜぇぇ』


キヨミ「気楽なもんだな」


内心居心地は悪い。何せ戦闘をしながら来たから服に多少なりとも返り血が付いている。


都市部のお気楽な民衆からしたら野蛮な何かだろうな。


糞AI『ここじゃあ造人間の相手は専属AIDに任せれば良いしのーんびりしようじゃないの』


キヨミ「AID…AI Detective(AI探偵)なんて気取ってはいるが単なる銃撃ちだろうが」


糞AI『単なる銃撃ちのキヨミちゃん~お洋服買いに行きましょ~ねぇ~』


洋服店で動きやすい服や下着を買い、薬屋で包帯を買った。


キヨミ「弾丸を買いに行くぞ」


私の愛用している銃は科学薬品を使用して弾丸を飛ばす最新式だ。


都市部にしか流通していない為、出来るだけ使う場面は選びたい。


キヨミ「ここだ」


銃屋の店内には基本AIDしかいない。普通の民衆が持っていても誤射のリスクしか無いからだ。


状況に関係なく、AI造人間以外を撃って〇してしまえばこちらの命が無い。


??「お嬢ちゃん。初めてでも使いやすい銃をお勧めするよ」


普通なら子供の来るところじゃ無いみたいな展開になるのだが、この時代では私みたいな人間はゴロゴロいる。


まあAIバンドを見れば一目瞭然だけどな。


キヨミ「これの弾丸はあるか?」


店主らしき人物に銃を見せた。


店主「こりゃあまた酔狂な銃を使っているね」


糞AIが小声で何か言っている。


糞AI『キヨミ~おいらこいつにキヨミの戦果見せびらかしたいぞ~!!』


キヨミ「切るぞ」


糞AI『しゅん……』


支払い時にAIバンドをかざすと戦果を証明する事も出来る。戦果開示が必要の無い場面では普通offにしているのだが、【offを忘れたと言う建前で】見せびらかす事も出来る。


くだらん。


まあ中堅の頃は良くやっていたがな。


キヨミ「とりあえずこのケースに入る分買って行く」


店主「はいよ」


弾丸を購入し外に出た。木陰が無い分日差しが目に刺さる。


糞AI『あの店主結構安くしてくれたじゃないか。キヨミに気があるんじゃないのぉフヒヒ…』




疼く。


これ以上ここに居たら何かが壊れる気がする。


こんなにも外は明るい。


早く出よう。


糞AI『あっ!!キヨミ~そっちは出口だぞぉぉ!!』


都市部から離れ、陽が落ちる直前に荒廃した別荘の跡地を見つけた。


すでにAIDが仕事した後なのだろう、血生臭い空気が漂っている。


キヨミ「……………」


床に座り息を吐く。


ラジオを付ける。


『造人間はゼロから作り出された完全体と、人に寄生する後続体の二種類が…』


『つまり寄生の場合は浸食度が65%の場合完全に…』


『いずれにせよ人類を攻撃する脳波が…』


糞AI『35分』


糞AI『半年前は13分だったからかなり頑張ったんじゃないかなぁ??成長成長、色々とねぇ…ヒヒヒ』


キヨミ「あんな所に35分も居たとはボクも終わっているな」


糞AI『はあ…はあ…。後15分居たらおいらからたっぷりご褒美上げようと思っていたのにぃ!!』


プチッ…


こいつにイライラした時はすぐに電源を切るのが一番だ。


次都市部に行く時はあそこが壊滅しそうな時だろうな。


その時は思いっきり造人間をぶっ〇して、ついでに都市部の物資も奪ってしまおうか。


銃の点検をしながらラジオを聴き、面白い事を空想する。


この時間が一番落ち着く。


ふとAiバンドが目に留まった。


戦果、か。


最初は見せつけて興奮もしたものだが、ランクが上がるに連れ相手の顔が驚きよりも畏怖に変わって行くのを見てからは止めた。


今は人間でも、AIに浸食されれば案件化されて私に征伐される事になるのだからな。


恐怖した造人間を〇るから面白いのだ。


恐怖させても普通の人間には手出し出来ない、だから止めた。


糞AI『お~怖っ!!これがサイコパス的な目ってやつかなぁぁあ!!キヨミちゅわんんん』


キヨミ「うわあっ!!」


電源は切ったはずだが…なぜこいつが起動しているのだ。


糞AI『久しぶりにぃ~おいらのっ!!緊~急~放~送ターイム!!!』


緊急起動は確かに設定しているが…条件はかなり絞っているはず。


キヨミ「どれだ」


糞AI『なぁ~~んと!!ボーナスゲーム…だぞっ☆』


キヨミ「どっちだ」


糞AI『んも~焦らない焦らない』


こいつも消すか。本気で。


糞AI『ちょっ待ってくれ!少し距離があるんだよ…』





糞AI『都市部付近の獄門が開通。強めのAI反応数体。都市にもすでに侵入。AID応戦中…って感じだな』


設定は

近隣で獄門開通

瞬間的造人間大量出現もしくは強反応体の出現。または獄門付近で造人間発生。

そして人間の襲撃、で設定している。


今回は獄門開通と強反応体のコンボで、報酬が稼げる【ボーナスゲーム】タイムって事だ。


稼げるなら変態AIの電源を強制起動してでも仕事をする。これが私のやり方だ。


キヨミ「で、どうなんだ」


糞AI『控えめに言って楽勝!楽勝!だけど愛用の銃は持って行かないときつくなるねぇ、じゃないとおニューの服がびりびりに…ヒヒヒ…』


強反応体が相手の時はエネミーから奪い取って次々倒すってやり方は無謀だ。


雑魚を数体駆除して武器が手に入らなかったら強反応体との対峙に間に合わない。


自前の弾丸を使用するから結局コストはかかるが、けちる意味も無い。


キヨミ「行くか」


逸る気持ちを抑えられない。


都市部での戦闘、獄門で強化された造人間。


どれも私の心を高揚させてくれる。


この瞬間が、一番快感なのだ。


続く

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