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自分と向き合うまで

作者: 羽ユウロウ
掲載日:2023/02/13

 小学生の俺は昼休みに支援(しえん)学級の先生に呼び出されて、支援教室にいた。

机に座って待っていると、国語、算数と書かれた紙を持って先生が戻ってきた。

「この紙に書いてある教科をこの教室で受けるけど、大丈夫?」

当時の俺は何も考えずに了承(りょうしょう)した。それが自分の障害(しょうがい)に気づくきっかけだとは知らずに。


 ー数日後ー

今日は小学校を早退(そうたい)してある病院にやってきた。

名前を呼ばれ、診察室(しんりょうしつ)に入ると母さんと主治医(しゅじい)が先に話し始める。しばらく話をした後、主治医は俺の方を見て一言。

「君は発達(はったつ)障害だよ。」

頭が真っ白になった。それもそのはず、当時は障害をもつことは欠陥(けっかん)だと思っていたからだ。

その晩から眠れずに泣いて、現実を受け止められない状態(じょうたい)が続く。


 登校しても、俺は障害者、俺は障害者とぶつくさ言う日々。

中には面白がって、バカにしてきた同級生もいた。我慢(がまん)限界(げんかい)をむかえて、キレると全ての責任(せきにん)が俺にきた。

障害者という理由だけで、先生を含めた大人は信じてくれない。バカにされたからと言っても、「(うそ)をつくな!」と怒られる。

しまいには、バカにしてきた同級生に(あやま)りに行くという、おかしなことが起きる。

この頃から徐々(じょじょ)に人を信じられないようになったかもしれない。


 年月が経ち、小学校最後の文化祭の時期(じき)がきた。

クラスの出し物がお化け屋敷になり、お化けの役をしていた。しかし、突然誰かが腹を殴ってきた。お面を被り視界(しかい)制限(せいげん)されているなか、殴られた。唯一(ゆういつ)わかったのは、笑い声が聞こえたことだ。結果、またしてもキレてしまう。あまりにもムカついたが、キレたことでまた俺が悪くなった。

これ以降、自分から名乗り出ることをやめた。


 そして春、俺は小学校を卒業して中学校に入学した。

今思い返すと中学三年の前半まで、ろくな思い出がないことに気づく。

中学三年の後半、(のち)恩師(おんし)になる人、校長先生と出会う。

当時の相談(そうだん)相手は校長先生しかいない。けれども、話し相手がまともにいない俺には(うれ)しかった。

先生は、落ち込まないことが大事だと教えてくれたり、キレないための考え方を教えてくれる。


 そして、現在。俺は自分の障害を長所だと言えるほど、理解を深めることが出来た。

向き合う相手は必ずしも他人だけではない、自分自身とも向き合うことも大事なのだ。

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