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七人の追跡者  作者: 柊椿
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第八十八話 怒り

 投稿が一日遅れて申し訳ありません。

 舞台は再び処刑台に戻る。

「諸君! 彼こそが長きにわたる戦の元凶であり、本日その罪により処刑を行うものである。だが、一瞬の死は彼に贖罪の機会を奪い、地獄へと落ちるであろう。我々は悪魔ではなく善良なる一市民である! 彼への最後の慈悲として悔い改める時間を与えようではないか!」

 アウグスティーン王将軍の言葉に歓声がわきあがると同時、事前に周知された達しにあった通りに持ってきていた、卵やトマトといった野菜などを取りだした。

(違う! この戦争を仕掛けてきたのはウィードの方じゃないか! みんな、いったい何をする気なんだ)

 声をあげたくても口枷をされた状態ではうめき声しかでない。

 王将軍がさっと手を挙げると、皆が固唾を飲んで、身構えた。

 その手が下りた瞬間。

 アレックスの型に何かべっとりしたものがぶつけられた。

(う……。これは……?)

 正体を知る前に胸、背中、足、果ては頭にまでドロドロとしたものに包みこまれていく。

 集まった人々が次々に持ってきたものをアレックスへと投げつけていく。長引く戦に厭戦気分を晴らすための王将軍からの「褒美」であった。

(や、やめろ! 息が……)

 卵白が口の中に入り込んでくるが吐き出すこともできず、唾液とともに流れ落ちていく。

 その次の瞬間、目の前に星が飛ぶほどの衝撃を頭に受けた。

 アレックスはその正体を知るすべを持たないが、答えを言えば、かぼちゃである。

 これほどの重さのあるものを、頭に当てることができた市民の腕は見事というしかない。

 王将軍が再び手を挙げると、銅鑼が町中に響き渡った。同時、野菜の投げ合い合戦はピタリとやんだ。 

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