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第四十一話 通行権
「うぐぅ~~~~。この辱めは必ず返してやるからな!」
すっかり裸になってしまった娘は顔を真っ赤にして、3人から離れていった。
「森の民と争う気は無い。彼女を傷つけずに去っていって貰うためにはこうするしかなかった。そう、これは仕方が無いことだったのだ」
スィンは爽やかな笑みで、去っていく彼女の細い肩や小ぶりの尻を目に焼け付けながら呟いた。
「いや、絶対に他の手段があったはずだ。話し合うとか、違う道を通るとか」
「森の民は長生きだから、ああ見えて頑固なのさ。話し合いで解決できるような連中じゃねえよ。違う道も時間かかるからな。さぁ行こうぜ」
「嘘だ、言い訳だ、おためごかしだ」
「だいたいあのようなことをして、これから無事で通れるのか」
「さてな? あんなことしてようがしてなかろうが、森の民は俺達を通さないようにするために色々と仕掛けてくるだろうよ」
スィンは森の茂みをかき分けながら先導する。
「あ、やべ」
「どうした? スィン」
「すっかり囲まれちゃった、てへ♪」
「てへ、じゃないだろ! どうするんだよ。あ~横からも後ろからも……さっきの娘さんも……」