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第百十六話 飛翔
黒い影は天より森林生い茂る大地へと垂直に落下し続けていた。
「全くもう! 予想通り無茶しているんだから!」
垂直の線を袈裟斬りにするような斜めの赤い影。
「へ! 予想通りこっちに来ることがわかったからな。わざと落ちたんだよ」
「この強がり!」
黒と赤が交差する瞬間、クルラはスネイプの手を掴み、その重量を感じた。
「でも間に合わないかもよ?」
二人の身体はすでに大地に近すぎていた。
「おまえと一緒ならそれも良いだろう」
「心にも無いことを!」
緑が黒と赤を飲み込んだ。