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僕の話を聞け

 素敵な恋がしてみたい!

 

 具体的に教えろって? いいだろう。


 手を繋ぎながらデートとかしてみたい!

 公園とかにピクニックに行ってみたい!

 星空を肩を寄せ合って見てみたい!


 どうだい? 素敵だと思わないかい?


 しかし、それは叶わないことだと僕は悟った。


 高校に入学した僕は理想的な恋を求めて努力した。


 思い切ってこれからの株価について話してみると「うん、すごいね。半分何を喋っているのかよく分からなかったけど」なんて言葉が返ってくる。


 スポーツをやればモテると思い、インディアカを始めてみた。

 そして血の滲むような努力の末に勝ち取った全国大会の出場権、隣の席の子に観戦チケットを渡した。


「君に僕のプレーを見てほしいな、そうしてくれると力が湧きそうだ。」


 なんて我ながら最高にかっこいいセリフをキメてやったんだ。


「その日は塾があるから無理かなぁ。ていうかインディアカって何?」


「それは仕方ないね。でも君って塾は平日じゃなかった? 試合は土日だよ?」


「最近新しいヤツを習い始めたの……スイミング! そう、スイミングを習い始めたのよ。ていうかなんで後藤(ごとう)くんは私の塾の日知ってんの? きもちわるっ」


 こんな風に心無い言葉を浴びせられたことがある。ていうか、絶対あの子はスイミングやってない。この前の水泳の授業で溺れていたからね!


 それはさておき「きもちわるい」は心に刺さったね、悪い意味で。


 いや、もしかしたら、彼女は僕をマゾヒストだと思ってしまっていて、喜んでほしくてやったことなのかもしれないね。


 でも、僕の性癖を見抜けなかった時点で僕の彼女にはなれないね、うん。今度会ったら「残念! 僕はマゾヒストではありません! 」と言ってあげよう。え?やめとけって?


 とにかく! どれだけ頑張っても女子は振り向かないし、僕の周りの女子はこんなに素晴らしい僕の魅力を感じてくれてないんだ。


 そんなのは理不尽だと思わないかい? だから僕は毎日空に向かって叫んでいるのさ


「神様ー! 僕を取り巻く環境、悪くないですかー!?」

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