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5話

16時くらいになっただろうか。

母への怒りも幾分落ち着いてきた頃になっちゃんの荷ほどきも終わったようだ。


「お疲れさま。なにか足りないものとかなかった?」


「お疲れ様です。とりあえずは歯ブラシとかの日用品くらいでしょうか。来る前に買っておこうと思ってたんですが忘れてしました」


日用品ねぇ。歯ブラシは予備があるけどそれだとなんか申し訳ないしな。

夕飯の買い出しにも行かないといけないし…


「んじゃ今から買いに行く?俺夕飯の買い出しに行くつもりだったしよければ一緒に」


「行きます」


「おおう、即答。わかった、んじゃ準備してくるからちょっと待ってて。ついでに布団も運んじゃうよ」


立ち上がってベランダに干していた布団を回収する。短時間とはいえ干してないよりはやはりいい感じがする。


「んじゃちょっと部屋にお邪魔」


「ダメです」


「おおう、また即答。なぜに」


「えっ…とまだ少し散らかってるので…あの、私自分で運びますから」


「そう?結構重いけど大丈夫?」


「大丈夫です」


両手で拳を握って気合いを表すなっちゃん。かわいいかよ。


「んじゃここに置くから。無理そうなら呼んでくれていいからね」


「はい。ありがとうございます」


そしたら俺は着替えてきますかね。

布団をなっちゃんがなるべく運びやすいように置くと2階にある自室へと向かった。


「まぁ着替えると言ってもアウター選ぶだけなんだけどさ」


クローゼットを開けていつものマウンテンパーカーを取り出す。

春の少し肌寒いけどコート着るまででもない微妙な気温の時に大活躍のマウンテンパーカーさん。

ジップを上まで上げてしまえばインナーは適当でもバレないというすばらしい利点付き。愛してる。


「財布も持って準備完了」


部屋を出てリビングへと戻る。

なっちゃんは布団運び終わったかな。ドア開けれなくなってたりして。


「そんなことはないかー」


と階段を降りるとリビングとは反対側にある客間の前に布団お化けがいた。

まぁ布団を持ったなっちゃんですけどね。


「えーっとあけれない?」


「…今開けようとしてたところです」


いやいや、前も見えてなそうな持ち方してるし手もドアノブを探して見当違いなところを行き来していた。


「無理すんなって。開けるからちょっと下がってて」


「あっ!ちょっと待っ」


慌てた声を華麗にスルーしてドアを開けた。

なんだ散らかってるって言ってたけどそんなことないじゃん。もともと荷物もキャリーひとつだったし散らかる要素もない…


「…あっ」


部屋の隅にきれいに畳まれた服が見えた。うん、服。下着とかではないはず

認識してすぐ視線を逸らして部屋の前から飛び退いた。


「ど、どうぞ?」


「見ましたね?」


「なにをだろうか。とりあえず布団入れちゃいなよ。重いでしょ?俺はリビングで待ってますので」


そそくさと退散することにした。

散らかってるってそういうことだったのか。申し訳ないことをしてしまった。

ごめんななっちゃん。でもちょっと眼福だったのは内緒だ。

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