4話
その後、世間話を少ししてからなっちゃんを空いてる客間に案内した。
今は荷ほどきをしてもらっている。大きな荷物は明日届くらしいのですぐに終わるだろう。
我が仕事大好きマザーの連絡武将のおかげで来客用の布団も干してなかったので遅いかもしれないが布団も今干している。
ちなみに今は3時。布団を干すには2時くらいまでがいいと前にテレビでやっていた気がするが仕方ないだろう。
干さないよりマシだと思う。
そしてなっちゃんが荷ほどきをしている間に俺にはやらなければならないことがある。
仕事と自由の化身である母に連絡することだ。
「さて、まずは電話に出るかどうかだ」
俺の予想は出ない。
携帯から母の連絡先を選んでコールする。
…………
はい、出ません。知ってたさ。
そもそも今どこにいるのかすらわからないしなぁ。まぁいつものことだ。
というわけで母以外の人間に連絡をとって無理やり引っ張り出してやろう。
いつも母さんに引っ張り回されているかわいそうな部下の南條さんに電話した。
「はい南條です」
さすが南條さん、すぐ出てくれるぜ。
「お久しぶりです。蒼太です。お忙しいところすいません」
「蒼太くん!?も、もしかしておうちで何かあったかな…??」
「なんか事情知ってそうですね。それなら話は早いです。そこに馬鹿母はいますか?」
…返事がない。ただの
「い、いないんだよねぇ」
屍ではなかったが母さんはいつか屍にしてやろうと誓った。
「なんでいなんですかね?」
「仕事の付き合いで飲みに…ちなみに今日電話があるだろうことは聞いていました。本当にごめんなさい」
「ちなみに愚か者の携帯はどこに?」
「日本の事務所の机の中…かなあ」
知っているか、携帯は携帯しないと意味がないんだぞ。
「はぁ、んじゃ南條さんになんて伝言残して出て行ったんです?正直本人と問いただしたいところですけどここまでされてるなら多分捕まらないでしょうし」
「えーっとね
『美少女が来るよ!よかったね蒼ちゃん!!けどお姉ちゃんと喧嘩させないようにうまく立ち回ってね!生活費は多めに振り込んでおきます。 PS.節度は守ってね』
だって」
人間は起こりすぎると笑顔になるとどこかで聞いた気がする。発見した人はすごいな、その通りだったよ。
「わかりました。すいません南條さんいつも母が迷惑かけてしまって」
「いや、私はいいんだけど…蒼太くんは大丈夫なの?なんかミシミシ聞こえるんだけど」
「ははは。大丈夫なわけないじゃないですか。携帯割れそうですよははは」
「…ひえっ」
「じゃあお忙しいところ本当にすみませんでした。母が戻ってきたら伝えてください。このお礼はしっかり返しますと」
「あっはい。わかりました。それではシツレイシマス」
切れた。通話がね。俺は通話中にもう切れてた。
もうあの母はあてにしてはいけないのだろう。なっちゃんに申し訳ない気持ちがわいてくる。
助けるようなことを言って子供に丸投げって究極に無責任じゃないか?
せめて俺らは誠実でいようと心に誓った。
あとは姉ちゃんが帰ってきたときに一波乱かなぁ…