表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
House_Management.exe~異世界で魔改造し放題の最強の家を手に入れた話~  作者: 嵐山 紙切
第二章 選択する、選択させる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/40

35.裏切り

 俺たちはまたクローゼットを通り惨劇後の城へとやってきた。すでに死体はすべて回収しておいたが、血なまぐさいその情景は彼女たちには見るに堪えなかったのだろうか眉間にしわを寄せていた。

 俺はずかずかと血を踏みながら歩いていく。ステイシーも同様だ。その姿はまるで戦場を歩く国王のようで、俺は少しだけ好感を持った。


「ほら、座れよ」


 血を浴びたままの王座に俺は彼女を案内した。ステイシーは王座に浅くすわりため息をついた。


「血が流れましたが、少ないほうでしょう。戦争で解決するよりは幾分ましだったと言えます」


 ステイシーは顔をあげた。


「ステイシー・グローバーは国王としてソーリッジを統治することを誓います」


 王冠などという形だけの権力を持たない国王が誕生した。側近たちは自分たちの服が汚れることもいとわず、ひざまずいて彼女に敬意を示した。



 約束は約束だ。俺はまず城の補強を行った。塀を高くし、その上にバリスタを設置、大量の索敵装置をばらまいて、まるで要塞のような風貌の城を完成させた。索敵装置は探索結果を一つの部屋の画面に映せるようにし、そこでバリスタの操作もできるようにした。誰でも使える要塞だ。子どもだって扱えるだろう。

 試しに、近くに現れた魔物を殺して見せた。


「これはすばらしい」

「殺したものは人間だろうが魔物だろうが、回収してあの箱に入れろ」


 俺はそういって国王の元へと行った。

 国王は会議室で何やら話し合っていたようだ。

 俺が部屋に入ると皆一様に黙り込んだ。


「どうした?」

「いえ、何でもありません。ユキハル様こそどうされたのですか?」

「ああ、要塞の準備が整った。索敵してバリスタで敵を殺せる。誰でも操作できる。ステイシーにだってな」

「国王様とお呼びしろ!」


 テリーが怒鳴ると部屋が揺れた。


「うるせえな」


 俺がそう言った瞬間、国王が誰かに目配せした。


「あ?」


 首にぐさりと何かが刺さる感触。目の前が揺れる、ゆがむ。膝に力が入らなくなる。

 俺は意識を失った。



 目を覚ますと水の中だ。


 は、最悪だよ。


 脚に鎖をつけられ、その先には巨大な石がついている。どこかの湖の底に沈められたらしい。

 息が苦しい。

 背中にあった武器類は外されていた。

 魔法兵器を作らなければ……。

 俺は窒息し、死んだ。


 生き返る。

 死ぬ。

 生き返る。

 死ぬ。


 何度目かの死でようやく魔法兵器を完全に作り上げると、足元に水球を放った。衝撃波で、耳から血がふき出す。


 死ぬ。

 生き返る。


 俺は風船を作り出す、中身はもちろん水素だ、ヘリウムなんかじゃない。

 徐々に浮上する中でまた何度も生き死にを繰り返した。


 苦しい。

 苦しい。


 まるで高校時代の教室のように息苦しい。が、あの頃よりはずっと楽だ。すでに何度も死を経験しているにもかかわらず。

 水面に出ると、俺は嘔吐するように肺にたまった水を吐き出した。異常な痛みに叫んだ。何度も咳き込んで水を吐き出すと、俺はいかだを作り出し、その上に乗った。ぐったりと横たわる。

 また裏切られた。

 星澤は殺してやった。なのに亡霊のように、今度は国王にへばりついて俺を裏切った。


「裏切りやがったな畜生が!」


 また咳き込む。

 俺が助けた人間はことごとく俺を裏切る。裏切らないのはナオミだけだ。彼女の元へと帰ろう。

 そして、やつらに目にものを見せてやる。

 俺はいかだの上にクローゼットを出現させるとその中に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ