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ご、誤解なんです!

ピーンポーンピンポンピポピポピーンポーン


おい、今日は振られた傷を休められる最初の休日だぞ。今はもっと寝てたいんだって。


ピーンポーンピポピポピーンポーン


本当にうるせぇ。眠気がぶっ飛んだじゃねえかよ。誰だよ、朝っぱらこんなはた迷惑なやつ。


「はい、どちら様ですか?」

「先輩、私ですけど。先輩が集合場所になかなか来ないから来てあげたんですが?」


ヒッ、忘れてた今日は瑠奈と映画行くんだった。最近、物忘れ激し過ぎなんだけど・・・。


「だ、誰ですか?天上 玲音さんならお友達と映画に行くと不在ですけれども・・・」

「ほ、ホントですか!?ごめんなさい、探してきますね。」


え・・・ガチで信じたんだけどあいつ馬鹿なの?


「ちょ、ちょっと待て、嘘だって俺だって」

「せ、先輩騙しましたね」

「いや、今のはどう考えても騙されるお前が悪いだろ・・・。ひょっとしてお前って馬鹿なの?」

「ひ、人を騙しておいてなんですかその態度は?第一私は馬鹿じゃありませーん!馬鹿って言った先輩が馬鹿なんでーす」


あ、こいつ馬鹿だ・・・


「ま、そんな事は置いといて映画って何時からなの?」

「ちょっと無視しないで下さいよ!先輩の方が絶対に馬鹿ですからね。」

「はいはい、それでいいから映画はいつから?」

「えーとですね・・・」


瑠奈さん、顔が真っ青ですけど・・・


「あ、あと30分です」

「ま、まじ?」

「はい、まじです」


家から映画館までは徒歩15分くらい、走って10分ぐらいだ。


「30秒で準備するから待っててくれ」


持ってく物なんて携帯と財布くらいだ。あとは着替えるだけ。


「先輩、早く」

「分かってるよ」


こんな時にまさかの携帯と財布がないんだが・・・。確か昨日、携帯と財布を一緒にどっか置いたはず。


「悪い、瑠奈、俺の携帯に電話かけてくれ」

「わ、分かりました」


プルルプルル


「あ、あった」


何を気が狂ったのか、昨日の俺は、携帯と財布をベランダに散乱させていた。俺、ストレスでも溜まってんのか・・・


「先輩、ありましたか?早く行きますよ」

「あ、あったぞ」

「じゃあ、行きますよ」



映画館に着いた、時間にも間に合った、だけどもう体が限界だぜ・・・


「先輩、何バテてるんですか、早く入りますよ」


ポップコーンを買ってきた瑠奈は、全く疲れてなかった。お前どんな体力してんだよ・・・。あ、俺がないだけか・・・


「で、何見るんだ?」

幼怪(ようかい)ウォッチです」

「幼怪ウォッチ?」

「し、知らないんですか、先輩、あのかわいい小さな幼怪達が悪の組織と戦う国民的アニメを!?」

「なんだよ、それ妖〇ウォッチのパクリじゃねえかよ」

「ち、違いますよ、オマージュですよ」


まあ、面白かったらどうでもいいんだけど。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



結局、映画の内容は酷かった。小学生サイズをした妖怪達が「やめてー」とか「やめないよー」なんていう微塵も面白さを感じることの出来ない内容だった。キャラもパクリだし著作権とか大丈夫なのかな?中高生が男女2人で映画館いったら手が触れてドキッとするとかだと思ってたんだけど映画の雰囲気のおかげで手が触れても瑠奈はずっと映画ガン見だったし。


「せ、先輩感動モノでしたね・・・。最後のジパニャンのセリフ、かっこよすぎます・・・」


あれ?こいつ俺と同じもん見たんだよね?おっかしいな?感動要素もなかったんだけど。まあ、なんかここで否定すると純粋な心を持った小学生に現実を叩きつけるみたいでなんか大人気ない気がするし頷いといてあげよう。


「そ、そうだね」

「じゃあ先輩、これからどうします?」

「え?帰るけど?」

「え?もう帰るんですか?今日はデートですよ。そんな早く帰られたら困ります」


デートなんて初めて聞いたんだが?まず、デートじゃないし。別に今日は暇だからいいけど、決して瑠奈がかわいいからいいわけじゃないんだけど。


「じゃあ、何するかお前が決めて」

「分かりました!じゃあですね、こんなのどうですか?」


見せてきたのはカラオケの店の情報が書いてあるサイトだった。


「カ、カラオケいくの?」

「だ、だめですか?」


何その上目遣い、可愛いんだけど、ま、まあ、美玲には勝てない・・・よ?


「わかった。カラオケでいいよ」

「ありがとうございます!」



かくして、カラオケに来たわけだが、なんか男女2人でカラオケ個室ってなんかあ、あれだよね。べ、別に卑猥なのを考えてるわけじゃないんだからね!


「で、何歌うの?」

「さっきの幼怪ウォッチの歌に決まってるじゃないですか!」


あ、カラオケでもそれなのね。さっきの妄想かえして。



「つ、疲れましたね・・・」

「そ、そうだな」


結局、俺も強制で幼怪ウォッチの歌を歌わさせられたおかげでマジで疲れた。(主に精神が)


「しぇ、しぇんぱい、暑いですね」

「え、ちょっとお前何してんの?」

「何してんだって〜?見れば分かる、ヒック、じゃあないですか、服を脱いでるんですよ」


な、なんかこいつ酔ってんだけど・・・。いや、冗談だよ・・・な?こいつが飲んでたのってオレンジジュースだよね!?って、ヤバいこいつガチで全裸になろうとしてる。


「お、おいやめろここで全裸は色々まずいだろ」

「ヒック、嫌です〜、暑いんだもーん」


や、ヤバい既にこいつ下着なんだけど、待って待ってマジでどうすんの?


ガチャン


ん?なんかドアの方から音が・・・

や、ヤバい店員入ってくる。流石にこいつの体を晒すわけには・・・。


「お客様、オレンジジュースをお持ち致しました・・・ご、ごゆっくりー」


は、咄嗟の判断で瑠奈を押し倒してしまった・・・。店員さん絶対誤解してる。終わった、俺の人生終わった・・・。


「せ、先輩、何してるんですか?しししかも私なんで服着てないんですか?は、まさか私、先輩に襲われてるんですか?」


おい、なんでここで酔い覚めるんだよ。俺の人生、本当に終わったわ・・・







感想、誤字報告して下さった方感謝ですヽ(*´∀`)ノ


瑠奈が人気だったら瑠奈視点も書くかもしれないです。

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