美玲の想い
美玲視点です。
「す・・・好きです!付き合ってください!」
体育館裏に呼ばれるといきなりれお君に告白された。私、一之瀬美玲はれお君が好きだ。でもそれは多分loveの方じゃなくてlikeの方なのだと思う。私は、自惚れている訳では無いけどモテる方だ。これまで何度も告白されてきた。だけれども、何度告白されても人に恋をする意味がわからない。だから断った。
「ごめんなさい・・・」
そう言うとれお君は泣き出しそうな顔になり全力で校舎の方へと走っていった。
「ま、待って・・・」
私は、れお君の告白が泣き出しそうな顔になるほど私の事を好きなのだとは思っていなかった。
たとえ告白を断ったところで今までの関係が壊れるとは思っていなかった。でも、れお君は私と距離を置こうとすると思う。だって泣き出しそうな顔になるほど本気だったのだから。
でもだからといってどうすればいいのだろうか。相手を傷つけない為に好きでも無い人と付き合えばいいのだろうか?
「いやそれは違う」
あんな顔をしてるれお君なんて初めて見た・・・
もしかするとこれからはれお君と話せないと思うとどうしようもなく胸が苦しくなる。
「これからどうしよう」
れお君が走っていった後をぼおっとしながら歩いているといつの間にか自動販売機の近くに来ていた。でも、特に用は無いので引き返そうとするとれお君がものすっごくかわいい女の子と話していた。
「いや、だって俺、君みたいなかわいい知り合いなんていないんでこれはどう考えてもなにかの罠だと思うんですけど」
「か、かわいい・・・」
女の子は顔を真っ赤にしていた。
この子はれお君のことが好きなんだろうか?
ふとあの女の子とれお君が付き合って仲良くデートをしている所を考えるとまた胸が苦しくなる。
どうしたんだろう、私
結局、女の子とれお君が離れるまでずっと胸が苦しかった。
話を聞いてあのすっごいかわいい女の子は瑠奈くん、いや、瑠奈ちゃんって事が分かった。
瑠奈ちゃんはいつもれお君の後ろについて回っていたのでよく覚えている。っていうかあの子女の子だったの?ずっと男の子だと思っていた。まあいつの間にか引越していたので忘れていたがそれにしても可愛くなりすぎだと思う。
とずっと考えていたら始業時間が近づいてるので学年フロアのクラス表に向かうと同じクラスにれお君がいた。
クラスに入って座席表を見てみると私はれお君の隣の席だった。ラッキーだった、隣の席だとれお君と距離を置かずに話ができるかもしれない。まずは挨拶。
「れ、れお君、おはよう」
「ひゃい?」
れお君は明らかにビックリしてた。
「お、おはよう」
「う、うん」
ちゃんと返事をしてくれた。
振られてすぐだったかられお君が返事をしてくれないかと思ってた。
「ね、ねえれお君」
「な、なにかな?」
「あの、良かったら今日一緒に帰らない?」
「へ?」
「ごめん、今日は陽と遊ぶ約束してて・・・」
「そ、そう」
私はれお君に避けられてるのかな・・・