女の勘って何?
「私達、今保健室に2人っきりですよ?」
現状確認なんてしだして瑠奈さんどうしたのかな?べ、別に保健室に2人きりだからなんなのだろうか。
「そ、それがどうしたの?」
「いや、どうって訳じゃないですけど・・・」
瑠奈は少し拗ねたような顔をしてこちらを見ている。
「先輩、本当にいいんですか?女の子と保健室で2人っきりなんてもう一生無い経験かもですよ」
「そんなのなくていいし!」
ここまでボケているが流石に瑠奈の言わんとしていることは分かる。だが、だからといって瑠奈の挑発に乗るのはごめんだ。死ぬまでからかわれる自信がある。
「しょうがないですねー、今回は見逃してあげましょう」
「なんでそんな上から目線なんだよ」
瑠奈は拗ねたような顔はどこえやら今はドSの顔でこちらを見ていた。
こいつに掌の中にいる感じがして謎の敗北感を感じるのだが・・・。
「ま、もういいだろ、帰るぞ」
「先輩?」
「なんだ?」
「先輩って美玲先輩の事が好きなんですか?」
おい、なんでこんなド直球に聞いてくるんだよ。なんというか、もうちょっとオブラートに包めよ。
「そんな事はお前に関係ないだろ」
「先輩、否定はしないんですね?」
「うっせ、なんで俺があいつの事を好きだと思うんだ?」
「それは女の勘ってやつですよ」
まじで女の勘ってなに?
瑠奈は何かを疑うようにこちらに顔を近づけてくる。
「よく分からんけどお前には関係ないからいいだろ」
「良くないですよ!」
「なんでだよ?」
「そ、それは・・・」
長い沈黙。何故か心臓がバクバクなっている。
「そ、それは、私が先輩の事を」
ガチャ
「れお君!大丈夫!?」
ドアを開けたのは息を切らしている美玲だった。
「あ、ああ、俺は大丈夫だぞ」
「良かった〜」
美玲は心底安心したかのように胸を撫でおろした。
と、思ったらいきなり俺を睨みつけてきた。
「なんでそんなに2人とも近いの?」
「え?」
確かにさっきまで向いていた場所に頭を戻すと瑠奈との頭の距離はわずかだった。
ボッ、と音が聞こえそうなほどのスピードで瑠奈の顔が真っ赤に染った。
自分の顔が熱い。
別に瑠奈に特別な感情がある訳ではない。だが、かわいい女の子の顔が目の前にあったらドキドキしてしまうのは仕方ないのではないだろうか。
「ふ、2人ともき、きすしようとしてたの?」
「そ、そんなわけないだろ!」
俺はむやみやたらに人とキスなんてしない。
「もうそんなこといいから帰るぞ」
こんな話をしても誰も得しない。だから早々に切り上げ下校することにする。
「あ、瑠奈、さっき保健室で言いかけてたことってなんなんだ?」
「なんのことですか、先輩?」
「忘れたのかよ」
「冗談ですよ、先輩。でも、それはヒ・ミ・ツですよ」
瑠奈は小悪魔っぽい顔でいった。不覚にもドキッとしてしまった自分がいた。




