チンピラ
短め
瑠奈と遊び、我が家に帰宅する。
「ただいまー」
今日も両親は帰ってないようだ。
「晩飯でも食うか」
ピコン
美玲からのメッセージだ。
【明日のでーとは駅前の時計の前に10時集合ね】
で、でーとか・・・
「でも俺振られてるんだよな・・・」
振った人とデート一緒行こうっていうの絶対おかしいと思うんだよな・・・
「まあ、振られてもまだ好きなわけだし俺としてはいいんだけどさ」
これからは普通の幼馴染としてやっていこう。
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美玲とのでーと当日、俺は非常に焦っている。
そう、なぜなら美玲と駅前の集合時間20分前に起きてしまったからである。
「2日連続の遅刻か・・・」
うん、これは仕方ない。だって昨日の朝は1週間のストレスから開放された日だし、今日は、昨日の瑠奈との映画館でクタクタだったからね!
「美玲になんて言い訳しよ・・・」
あんまりお腹が空いてなかったので、朝ご飯抜いて、家から全力疾走したら何とか遅刻は5分で済んだ。もう朝から疲れた・・・
「おーい美玲どこだー」
集合場所に着いたが美玲がいない。あいつ意外と抜けてるところあるから集合時間間違えたのかな?と、周囲を見渡していると路地裏の方から声がした。
「お姉ちゃん、俺にちょっと付き合ってくんない?」
チンピラに絡まれていた。でも俺は生憎チンピラから名も知らない人を助けるような勇気も強さも持ち合わせちゃいない。しかも美玲を探さないとだし、よし、警察呼ぼう!
「やめてください」
ん?待ってこの声って美玲の声?伊達に何年も幼馴染やってるわけじゃない。と思ったら体が勝手に動いていた。
「そ、そこのおじさん今すぐ美玲を離さないと警察呼びますよ」
「ちっ、ここまでか、覚えてろよ」
だ、だっせー。敵も雑魚キャラの捨て台詞みたいなのでダサい。ていうか警察呼ぶって言っただけで逃げんのかよ。しかも自分も超ダサいわ。でもしょうがない。だって戦っても多分勝てないんだもん。
「れ、れお君?」
「美玲、無事か?」
「わ、私は大丈夫だけどれお君は怪我してない?」
「俺は大丈夫だよ」
だって戦ってないんだもん
「で、美玲はなんでこんな所いたの?」
「それは、れお君がなかなか来ないから道に迷ったのかと思って探してたの・・・」
ん?それって俺のせいじゃね?
「なんかごめんなさい」
「え?どうしてれお君が謝るの?れお君が助けてくれたんだから私が感謝しないといけないのに」
なんていい子なの。
「じゃ、映画見に行こっか!」
切り替えはっや。
「そ、そうだね。で、何見るの?」
「えっとね、幼怪ウォッチだよ」
お前もかい!