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「あのときこうしていれば」なんていう後悔は大抵時間が経てばその後悔すらも忘れてしまう。タイムリープなんかでもしてその過去を修正できればどれほど人生が華やかになるか、なんて考えもするが、実際に時間遡行なんて出来るはずもないから考えるだけ無駄、つまりは不毛なのである。アタカマ砂漠も甚だしいほどの不毛地帯である。
そして俺はそんな無駄なことが大嫌いであり、意味のないことに時間を費やすことにミジンコほども価値を見いだせない性格であるから、今まで面倒事は全て避けて完全舗装の無段差コンクリ固めの道を歩いて生きてきた。
そんな俺は今、学校の屋上に呼び出され、夕暮れ迫るロマンチックなシチュエーションで黒髪美少女にこんなことを今しがた言われたわけである。
「あなたなんかと付き合えないわ。タイプじゃないの。あの告白はなしってことでお願いね」
………は?俺、フラれた?




