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討魔戦鬼ブランク〜手名芽市神魔討伐譚〜  作者: 九頭龍
第七話 祈りより生まれしモノ、戦鬼ブランク復活
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7-9


 光がブランクの真白い装甲を青く染め上げる。

 頭部に現れた二つの耳型装甲の間からは、たてがみのように白い長髪が長く伸び風に舞う。


「テメェ、その姿はいったい」


「ふん、男子三日会わざれば……なんてな。さあ、始めようか、ブライッ!」


 ブランクが地を蹴る。水平に跳ぶように進み、その勢いのままブライへ右拳を打ち込んだ。


━━ガンッ!━━


 ブランクの拳はブライの左腕で防がれる。ブライの纏う堅牢な装甲は強固な盾のように、ブランクの攻撃を受け切った。

 ブランクの拳とブライの腕、押し合う二つの力は拮抗し動きが止まる……が、すぐにブライの腕がブルブルと震えだす。


「っ! ラァッ!」


 左腕を引き前のめりになったブランクを蹴り上げるブライ。

 ブランクは、その豪脚に両手を素早く当てる。ブライの足の上、ブランクは瞬時に体を逆立ちの様に反転させると、蹴りの勢いを利用し、そのままブライを跳び超えた。


「シィッ!」


 ブランクはクルリと回転し脚から落下すると、着地の衝撃をバネに、ブライへと即座に跳び蹴りを放つ。


「ちぃっ!」


 ブライもまた、巨体に似合わない反応速度で振り返ると、その勢いのまま、ブランクの攻撃に合わせるように重い回し蹴りを繰り出した。

 再び鋭い金属音が響き、両者の攻撃が交差する。


「うぉぉぉっらっ!!」


 鍔迫り合いのように重なり合った脚を、ブライが持ち前の剛力で強引に振り切った。ブランクはあえてその力に逆らわず、空中で蹴られるまま体を回転させ勢いを殺す。


「ハイチャージッ!」


 ブランクの声に反応し、引いた右手首の増加装甲がガチャリと変形する。手甲のように右手を覆う形状へと変わった装甲に、青い輝きがスパークを伴って宿った。


「ん、変形した!? 何だかわからないけど……ハァァッ!!」


 強引な回し蹴りによって体勢が崩れたブライの胴へ、落下するブランクの輝く拳が突き刺さる。


「ぐぅっ!!」


 強力になったブランクのチャージ攻撃が直撃し、さすがのブライも、苦しげに腹を抑え後退りする。

 その姿を油断なく構えたまま眺めるブランクに、哲也の通信が入った。


『聞こえるかい、新』


「哲也か……智秋君はどうした?」


『今、あの病院で検査中だよ。とは言え打撲程度で大きな怪我もなし。一先ず無事と言えるね』


「そうか、それなら安心だ」


『そっちはどうだい? こちらでもモニターはしているけれど、ブーストフォームにはなれたみたいだね』


「ああ、まだ慣らし運転って感じだけどなっ」


 突進するかのような勢いで駆け寄ったブライが、巨大な右拳を振り下ろすようにブランクを殴り付ける。ブランクがサイドステップで回避すると、拳圧でコンクリートが円状に凹んだ。

 更に横へ避けたブランクを追うように、ブライが左フックを打つ。その拳をブランクが左の裏拳で弾く。


『さっき軽く説明したけど、ブーストギアは神魔の使うブラックギアを参考に、ブランクの力を補助増幅する、言わば魂の予備タンクとして作った物だ。燃費と出力向上の両立が出来るから、通常のブランクでも性能も大きく向上しているはずだよ』


 ブライが腕を大きく振る。その手にはどこから取り出したのか、骨を思わせる質感の巨大な斧が握られていた。


「ちっ、そんなのも使えるのか!」


『新、腰に君の武器がある! 手にするんだ!』


 風を切るように振るわれる斧。ブランクが哲也の言う通りに自身の腰に手を伸ばすと、装甲の一部が自動的に開き金属筒が現れる。それを抜き取り握るとブランクが叫んだ。


「ハイチャージ!」


 手にした金属筒の先端から青い光が伸び、日本刀のような反りのある刃を形成する。


「ハッ!」


 光刃を振るうブランク。輝く刃は、迫るブライの斧を易々と斬り飛ばした。


「これは……」


『ブーストギアにはグレイバーで採用した武装を、新の闘い方に合わせて追加してある。今のブレードやさっき使ったガントレットもその一つでね。これで戦法の幅が広がるんじゃないかな』


「なるほど、こいつは良いなっ!」


 光刃で袈裟懸けに斬りつけるブランク。黒い装甲を斬り裂かれながらもブライが吼える。


「やるじゃねえかっ、ブランク! 仕方ねえ、こっちも本気でやってやる!! おぉぉぉっ!!」


 ブライの全身が黒い光を纏う。光は密度を増し、溢れた力がバチバチとスパークした。


「オラァッ!」


「くっ……!」


 先より数段素早くなったブライの拳を、躱せず手にした光刃で受けるブランク。だが、輝く刃はブライの黒い光に耐え切れず粉砕され宙に散った。金属筒を捨てブライから離れたブランクの中、八葉が叫ぶ。


『注意しろ、新! 奴め、溢れ出るあの光の何倍も、その身の内に力を溜め込んでいるようだぞっ!』


「ようやく奴の本気を引き出せたってわけか……なら、こっちもアレをやるぞ。セーフティーデバイス・リリースッ! アンリミテッドコネクトッ!!」

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