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ここは本当に未来だろうか  作者: 言正日月
第二章 ここは本当に未来なのかも
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未来……?

更新遅くなってすみません。

言い訳をしますと、利き手を負傷しまして、執筆?スピードが大幅に遅くなっております。

町まで案内され、とりあえずカナデの家へ通された。


「ここは追われし者たちの集う場所。ジンの国だぁ。因みに俺らは古代語を受け継ぐ部族でぇ、今使ってんのも古代語だぁ。

 ここには変な奴ばっか集まってるがぁ、基本いい奴ばかりだぁ。アンタも心行くまでのんびりしてくといいぃ。」


今いきますんで……と長老に手を振りながらそう説明された。


「あ、しばらく俺はでてくるから、ここにいてなぁ。勝手にその辺いじってていいよぅ。」


そういってカナデがでていった。

ちなみに外では長老が腕を組んで仁王立ちしていた。




早速すぐそばにあった端末──エミィシステムのコントローラーと似た機械──をさわってみた。

なぜか昔から、簡単な機械の操作が誰に教わるでもなくできた。

難しいことは教わってもできないのだが。

そして、アリサの兄に特技と認定されてしまっているのが、『サイバー迷子』。

厳重なセキュリティのかかっているはずの情報の世界に穴を無意識に見つけて勝手に進入し、本来進入できないはずのところまでいってしまうというものだ。意識しているわけではなく、元の場所へ戻ろうとするとそうなる。意識してもできない。


・この大陸は、キジマ大陸といい、この世界には他に、人間の大陸、獣の大陸、炎の大陸、氷の大陸がある。


・炎の大陸、氷の大陸には生物が一切存在せず、踏み込んだものは今のところ生きていないそうだ。


・ジンの国は、突出した才能を持つ者や姿形が醜いもの、異種族間での婚姻が認められずに国を抜けてきた者、迫害されてきた部族など、訳ありな者たちが集まるところらしい。


・人間の大陸には、人間だけが住んでいて、大陸から離れた無数の島に、他の生物が住んでいるらしい。


・獣の大陸には、獣人などの人間のようなそうでないような種族が住んでいて、もしかしたら魔族も元はそこに住んでいたのかもしれない。そして、動物も、ほとんどがその大陸に住んでいて、共存しているらしい。


・元はこの大陸は全てを魔族が支配していて、そこから精霊が生まれ、国がマルクとキルツに分裂し、どっちつかずの土地に、人間の大陸から来た古代語を受け継ぐジンの部族が住み着き、両国に認められて正式に国となったそうだ。


・その後流れ着く人間の大陸や獣の大陸の者をうけいれまくって国民が増え、極端に特化した者たちが集まり、この国内だけで文化が進んでいるのだという。


・この大陸の三国の違いを簡単に表すと、明かりにジンは電気を使っているが、マルクは火、キルツは魔法を使っている。つまりジンは科学、キルツは魔法、マルクは体力バカの集まり。


・科学がもっとも発達しているのはキジマ大陸のジンの国で、次に人間の大陸、もっとも未発達なのは、キジマ大陸のキルツの国。


・ジンはキルツから良質な武器を仕入れ、マルクから良質な材料を仕入れ、国内をより良くしていっている。


・武器は主に国内での武闘大会などに使用されている。


・マルクの先々代国王とキルツの先代国王が結婚してからは、より一層ジンの国内は盛り上がっているそうだ。


・ちなみにマルクの現国王とキルツの現国王は兄弟らしい。


・そんな経緯があるためか、マルクとキルツは国同士では仲が悪いということになっているが、全体的に魔族と精霊の仲が悪いわけでも王族同士の仲が悪いわけでもない、不思議な関係になっている。


この情報は、勝手に使っていいと言われたカナデの家の電子機器からネットワークにつないで得た情報だ。

全くセキュリティがかかっていなかった(と、カナデは感じた)、ジン国立中央図書館の電子文献を閲覧させてもらった。

しばらく調べ、きりがついたら電源をおとそうと試みる。

うまくいかない。

昔から、起動は手が勝手に動くのだが、電源を切るのはうまくいかなかった。



「お~い。なにしてんだぁ?」


四苦八苦していたら、長老が入ってきた。

後ろには、顔を青くしたカナデ。


「この端末の電源のおとし方がわからなくて……」

「どうすんじゃぁ、それ」


長老はカナデを仰ぐが、彼は口と喉を押さえて歩いて離れていった。

改めて外を見ると、ここは森の外れのようだが、遠くには高架も見えた。自動車のエンジン音もする。


「それで、なにしとったんじゃぁ?」

「図書館の文献を、閲覧させてもらっていました。」


それを聞いて、長老は、目を見張る。


「ここの端末からアクセスできたのかぁ?」


そう、後ろを振り返って長老が問うと、カナデはすぐそばの焼却炉のようなものの中に嘔吐している最中だった。

いつの間にか、さっきはなかったはずのそれが出現しており、驚いた。

地面には機械的な線が入っている。推測するに、地面の下から上がってきたものだろうか。


「おぉい、カナデぇ」


そう声をかけられ、カナデは手をひらひらと振った。

長老は声を抑えた。


「おまえ、どうやった?

──人間の大陸のスパイか」


後半は、声を低めて、険しい顔で言われた。

会ったときよりも、さらに。


「この世界の人間と精霊の違いって、何ですか?」


精霊も、人間のような外見をしている。

違う点が見つからない。

カナデや長老もそうだ。

だが精霊は人間ではないとポリマーは言っていた。


「何言ってんだぁ。この国にいるほとんどは人間だぁ。」


では、カナデたちも、ポリマーたちも人間?


「ワシらは人間の大陸から追われてきた異端な人間じゃぁい。

──この国にいるのは他の大陸から逃げてきたモンばっかぁじゃい。」


先ほどの情報の裏付けがとれた。


「あんた、古代語がわかるんならぁ、古代文化もわかるなぁ?」


うなづく。

『古代』が、私たちのいた時代を指すのなら、古代文化は、私たちの馴染み深い生活のことだろう。


「『科学』って単語の意味は分かるかぁ?キルツもマルクも、分からんのぉじゃが。」


そんな簡単なこと、私たちのいた時代では、知らない方が珍しい。


「そうかぁ。

──で、その科学で言うところの分類はなぁ」

「人間だ。」


カナデが、青い顔をして口を拭いながら、長老の背後にたっていた。

移動していたことを感じさせないなんて、いったいどんな動きをしているんだ。解析したい……いやいや。そんなことはない。決してない。けど後で確認取ってみよう。

焼却炉のようなものの先端が、割れた地面に消えていくところだった。


「人間の大陸の奴らも、このキジマの大陸の奴らも、獣の大陸の奴ら

だって、人間だ。

 種族が違うというのか……民族が違うというのか、少しはそりゃあ異なるが、大きくみれば、皆人間だ。」


ならば、精霊も、人間なのか。民族以外に違いはないのだろうか。


「今の時代、種族が違えばそれは別の生き物だと考える。

──精霊は魔法が使えるし、魔族は戦闘能力が高い。それに肌の色も少し浅緑いか……?」


カナデは精霊とは、ポリマーとはじめに出会っただけなので、魔法を実際にみたことがない。


「精霊は、全く魔法が使えないものを精霊とは認めないから、たとえ王族の子であっても少しも魔法が使えなければ、肌が浅緑で力があればそれは魔族だというし、そうでもなければ人間だという。人間の中に魔法が使えるものがいたとしたら、それは精霊だと言い、快く迎えるだろう。」


外見や能力で種族を分けているようだ。


「そのせいで今の国王はおもしろいことになってるなぁ。」


どこの国の国王のことを言っているのだろう。


「おもしろいこと……とは?」

「キルツの国王──え~……と、今のソフィア国王は兄弟に魔族と精霊と人間が入り交じってんだぁ。前の国王が退位するとき次期国王を決めるのに、兄弟の中で精霊は三人だったけど末の子は弱くて辞退して……精霊っつうより魔族よりな、混ざった感じの五番目のシエラレオネ・フィンと純精霊って感じの六番目のソフィア・リョクが戦って……まぁ、瞬殺だったわなぁ。」

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