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ここは本当に未来だろうか  作者: 言正日月
第三章 ここは血の気が多すぎはしないだろうか
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テキトーな兄弟

ツカサとトーゴ、ベナンは、アリサ、ピクシーのいる観客席へ、第2試合のために選手控え室へ向かったアリスと入れ違いに姿を見せた。


「ツカサ」


アリスがすれ違いざま声に苛立ちを込めてツカサにそれだけを呟いていったのを、アリサは耳の小型装置から聴いていた。

八つ当たりはよくないよ、とアリサが言う前に、エミィがそうアリスに伝える。


「何負けてんの?」


と、ツカサはアリスの態度や声調から聞き取っていた。


姿を見せたツカサが非戦闘モードに戻っているのを確認し、アリサはひとまず胸をなで下ろす。

戦闘モードのツカサは積極的で、好戦的で、けっこう(ちょっと)怖いのだ。




「兄さん」


ベナンがピクシーの隣の席に座り、その隣に外見が元に戻っているトーゴを座らせて呼びかけた。


「何ー?」


ピクシーは今、ベナンを鏡写しにした姿をしており、トーゴと併せて三つ子のようである。


「試合への直接干渉は禁止ですよ」


「直接じゃないですよー」


「気配をいじるのは直接に等しいと思いますが?」


「──バレなきゃ良し。」


「開き直らないでください」


慣れたことのようで、ベナンの顔には呆れの色があった。


「……見えなくなった。ジが悪い。」


「ちょっと言うの遅いよ?トーゴ」


トーゴは生まれつき目が弱く、殆ど物が見えない。

誰かに掴まるのはそれによる癖だ。

普段ベナンと行動を共にしているのは兄弟の中で最も年齢が近いからと言う理由からである。ベナンが世話焼きなのもあるかも知れない。

だからトーゴは、視覚に依らない感覚が鋭くなっている。

「見えなくなった」とは、それらの感覚によって捉えることが困難になったという意味である。


「でもトーゴも参加するのはルール違反だからね?」


トーゴは首を傾げた。

代わりにベナンが意を告げる。


「代わりに出てくれって言われたんですよ。」


「誰に?」


「二重エントリーしてたヒトに」


「断ればよかったじゃないか」


「そうですよね。」


詰まるところ、トーゴが大陸統一武闘大会に出たかったのだった。


一週休んだ割に文字数少なくてすみません。

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