東西対立をデータ分析
・G7からG20時代
・東西対立深刻化
・デリスクからデカップリング
・米中貿易(関税)戦争
・米露代理戦争
・ウクライナは実質NATO
色々見出しで言われますが、完全に合っているとは思いませんが、遠からずに思います。ロイターの記事でG7のGDPは51兆ドル、BRICSは28兆ドルという比較を見て思う事がありました。GDPはいわば軍事費みたいなものであり、本当の経済力やパワーを図る事は出来ません。物価が安くて人口が多い国の方がパワーがあります。購買力平価GDPでは中国が既にアメリカを追い抜いているという論文もあるぐらいです。要は、米ドル基準なので為替影響や実際に何がどれ位で買えるか等も重要です。後、経済成長率とかエネルギー消費や温暖化ガス排出量等も重要な要素です。全部、米中が上にいる訳であり、人口や将来性という部分ではインドが上にいます。●G7、■親米国、×東西どちらにも属しない国〇BRICSです。こうやって分類すると、経済的裕福な国に親米国が多く、GDP上位には属しないアフリカや中東ではBRICS陣営が多い事が解かります。
国名 GDP 人口 経済成長率(23年) 出生率(22年) G20か否か
●アメリカ 29.2兆 3.4億 2.9% 1.66 G20
〇中国 18.7兆 14.1億 5.2% 1.18 G20
●ドイツ 4.7兆 0.8億 ー0.3% 1.46 G20
●日本 4.0兆 1.2億 1.7% 1.26 G20
〇インド 3.9兆 14.4億 8.2% 2.01 G20
●イギリス 3.6兆 0.7億 0.3% 1.57 G20
●フランス 3.2兆 0.7億 0.9% 1.79 G20
●イタリア 2.4兆 0.6億 0.7% 1.24 G20
●カナダ 2.2兆 0.4億 1.2% 1.33 G20
〇ブラジル 2.2兆 2.1億 2.9% 1.63 G20
〇ロシア 2.2兆 1.4億 3.6% 1.42 G20
■韓国 1.9兆 0.5億 1.4% 0.78 G20
×メキシコ 1.9兆 1.3億 3.2% 1.80 G20
■オーストラリア 1.8兆 0.3億 3.4% 1.63 G20
■スペイン 1.7兆 0.5億 2.7% 1.16
〇インドネシア 1.4兆 2.8億 5.0% 2.15 G20
×トルコ 1.3兆 0.9億 5.1% 1.88 G20
■オランダ 1.2兆 0.2億 0.1% 1.49
×サウジアラビア 1.1兆 0.3億 ー0.8% 2.39 G20
×スイス 0.9兆 888万 0.7% 1.39
■ポーランド 0.9兆 0.4億 0,1% 1.26
■台湾 0.8兆 0.2億 1.3% 0.87
■ベルギー 0.7兆 0.1億 1.3% 1.53
×アルゼンチン 0.6兆 0.5億 ー1.6% 1.88 G20
■スウェーデン 0.6兆 0.1億 ー0.3% 1.52
■アイルランド 0.6兆 530万 ー5.5% 1.70
■シンガポール 0.5兆 591万 1.1% 1.04
■イスラエル 0.5兆 975万 2.4% 2.89
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その他の国をたくさん挟みG20ドンケツの南アフリカになります。
〇南アフリカ 0.4兆 0.6億 0.7% 2.34 G20
先進国の特徴として、一人当たりのGDPや教育水準が高い事、民主主義採用や報道・言論(SNS)自由が挙げられます。ロシアはG8に所属していてもおかしくないし、一方で完全な民主主義とか報道自由がないとも言えるでしょう。カナダGDPがブラジルやロシアの上にいるから、先進国首脳会議の選抜メンバーは、理路整然としていると言えるかもしれません。そこに入れなかった国々をゴールドマンサックスがBRICSと命名(凄い昔で南アフリカを除けば投資して正解国)し、本当に深いネットワークを形成し拡大を続けています。本来は、単純に資源や人口増加等から高経済成長で投資適格国であり、それらの国を一まとめにしただけですけどね。現在は、政治的、経済的結び付きが強固になっています。
GDPなんて人口が多い方が大きくなる指標ですから、一人当たりGDPと経済成長率の方が需要な指標と言えます。先進国と言われるアジアの国では軒並み出生率が低いのが特徴的です。ただ、政策が正しかったり、ゆとりのある欧米先進国では1.5を超えているので、アジア先進国では生存競争厳しい社会や不幸な家庭(子育て余裕がない、幸せでない家庭)が多いのだと思います。逆に、スウェーデン、アイルランド、シンガポール、イスラエルは、人口約0.1億人の小さな国ですが、12倍すると日本を上回るGDPになりますから、物価が高いシンガポールを除けば出生率が高いのも納得です。
BRICSには、現在インドネシア、アラブ首長国連邦、エジプト、イラン、エチオピアが加盟しています。そして、加盟申請して承認されたアルゼンチンとサウジアラビアは、加盟を見送りました。アルゼンチンはミレイ大統領誕生の影響だと思いますが、サウジアラビアは外交筋にストップの圧力を掛けられたと推測します。このように陣営獲得合戦の模様を呈しています。同様の流れはNATOにも該当し、東方拡大やスウェーデンとフィンランドが加盟しました。軍事的中立からの脱却でした。逆に、グローバルサウスの経済成長率は高く、アフリカやアセアン諸国は、先進国よりもBRICSの方が波長が合うと見られています。多国間自由貿易から、アメリカファースト並びにMAGAを掲げるアメリカ大統領が誕生した事でブロック経済やお友達貿易の方向に向かっています。根本には、かつての政治は政治、経済は経済が通じなくなった時代変化があります。経済的互恵関係が死語になりつつあります。チャイナリスクを煽るのも如何かとは思いますが、世界の工場よりも大きなマーケットとしての魅力が上回る時代と言えます。人件費が上がり富裕層や中間層が増えれば、必然的な移行と言えるでしょう。特に、ペット市場や病院・介護市場が魅力的に今後拡大するマーケットと見られています。かつての「日本に学べ(LOOK EAST)、頭を下げよ」から「日本が学べ、頭を下げよ」に変貌を遂げているのと同じです。製造業が、造船、自動車、半導体、太陽光発電、家電見ても解かるように本当に強くなりました。
ハイテク戦争に移行する時代においては、半導体、ITアプリ、スマホ、5G通信関連機器、量子コンピューター、ドローン等は民生から軍事用に転用されてしまいます。また、スパイ等の情報を盗む活動に利用可能です。同じことを言うなら、コネクテッドカーとか完全自動運転なんてスパイ活動や暗殺簡単に出来てしまうから非常に危険だと思いますけどね(だから、アメリカは中国EVに対して極めて厳しい規制を掛けるが、テスラ車でも可能と言えば可能)。ネットワークに潜入するかプログラムを少し変えたら簡単に事故に見せかけた暗殺出来てしまいます。高速道路で暴走させる以外の手法だと事故だけで命助かるケースも多いと思いますけどね。ブレーキを効かなくして、スピードを上げれば、後はどこでどう衝突して車を止めるかというだけの話になってきます。実際にプログラムエラーで暴走したEVタクシーは150キロで暴走し事故を起こしました。証拠映像も残っています。これを意図的に人為的作戦として行えます。平和が保たれるという保障はないわけですし、(同盟国ではない)昨日の味方は今日の敵で攻め込んでくるかもしれません。ロシアがウクライナのNATO加入を強固に拒絶したり、中国が韓国のTHAAD配備に激怒したの同様、アメリカは中国のスパイ活動やアメリカや同盟国の中国輸出品が軍事・宇宙技術発展に寄与し、アメリカと同レベルの最先端兵器・システムを持つ事を恐れているのです。
https://jp.reuters.com/world/ukraine/3LB7BPJBR5OQZDGDRANKTWGCBY-2025-08-08/
「腐っても鯛」という言葉がありますが「衰えても露」に思います。宇宙・軍事ではアメリカと熾烈なライバル関係でしたし、ウクライナ戦争で経済的には更に衰えていますが、世界的影響力は依然保持しています。かつての大英帝国(世界覇権王者)の立場、英米、中露というタッグで東西対立のリーダー格であり続けるのは間違いないでしょう。
https://www.afpbb.com/articles/-/3593485?cx_part=latest
https://jp.reuters.com/world/ukraine/SUSYO33UTJJKJIMTST3R77PBMQ-2025-08-18/
これ以上解かりやすい構図はないでしょう。
https://www.afpbb.com/articles/-/3593685?cx_part=latest
結局こういう事なんですよね。メルケルがいた頃は、メルケルの背景(経歴)と経済界が安いロシア資源に魅力を感じ独露外交は密接でしたが、それを許せる仏と許せない英とでしこりが出来て結果ブレグジット(EU離脱)となりました。ウクライナを最も支援した(行動に駆り立てた)のは英米であり、戦争の作戦や相手情報を与えたメインも英米です。そして、早期の和平停戦を断れとアドバイスしたのもジョンソン元首相です。ロシア(東側)対NATOの戦争だった訳ですが、中露対英米の戦争である色合いが濃く、ウクライナはイエメン同様代理戦争(サウジ対イラン)の舞台として選ばれていたわけです。勘違いしたゼレンスキーは英雄気取りでしたが、人口は4分の3になり出生率は激減、インフラ設備が破壊され計画停電がニューノーマル状態です。米露も戦費という点では多大な犠牲を支払っており、最後は理念中心の欧州がウクライナに寄り添うという変な展開になりました。中国側がEUにロシアが負けたら困ると述べたと本当か嘘か解からない情報が流れていますが、アメリカは経済安保を理由に中国を様々な方面から攻撃していますが、一方の中国も南米やアセアン、中東・アフリカにシフトし、ドイツはかつての日本のような経済的互恵関係を根強く主張しています。日韓はかつてそうでしたが、流れ的にはリスク回避アメリカ追随の傾向を最近強く感じます。イラン問題(核や経済制裁)もウクライナ戦争同様の構図ですが、イスラエルのガザ侵攻については、アメリカ以外の国は非常に批判的であり、国際社会は武器輸出規制をアメリカに求めています。敗れた民主党政権はイスラエルに脅しを掛けていましたが、ハリス大統領なら既に欧州と歩調を合わせて実行していた事でしょう。中露、ブラジル、南アフリカ他中東やアセアンは、基本的に西側でなく東側の方と馬が合うでしょうから、結局西側はインドを口説こうとしてインドはトルコやサウジアラビア同様、全方位外交、いわゆる自由独自外交を貫いていくと思えます。英米が狙ったロシア弱体化は成功したと言えますが、ロシアは孤立化せず中国を含む国が陰ながら支援したと思われ、その代償は全て当事者であるウクライナが結果責任を負うという事になりそうです。トランプのディールは、すなわち西側の敗北を認める代わりにウクライナの早期復興やこれ以上の無駄な犠牲を抑えるという事に他なりません。親露派大統領でないにしても親米派大統領をウクライナ国民が誕生させたしっぺ返しと言えるかもしれません。日本にも言えますが、政権与党や国家元首を民主主義(投票)で選んだという事は連帯責任を負うという事です。これは、トランプ大統領を選んだアメリカにも該当するし、自民党政権延命を許してきた日本国民にも言える事です。気付いて明らかな失敗結果が判明した時には、既に手遅れ、後悔しても仕方ないと言えるでしょう。
https://www.cnn.co.jp/world/35237371.html
インドは、抗日戦勝80周年式典には参加しないようです。また、上海協力機構(SCO)訪問も即答ではなかった模様です。サウジ、トルコ同様全方位外交ですからね。正直、EUは敵視してないですが、アメリカ(トランプ)に対しての一致団結集会に感じます。
https://www.afpbb.com/articles/-/3596768?cx_part=latest
https://www.afpbb.com/articles/-/3596760?cx_part=latest
トランプ共和党の最大の狙いは、超大国アメリカにおける唯一の挑戦者、中国の抑え込みにありました。関税による米中貿易摩擦、経済安保による孤立化や中国経済へのダメージ、プーチンやモディの取り込みを模索しましたが、狙いは完全に失敗したと言えるでしょう。結局、全世界で東西分断が起こり、更に格差が広がっており、トランプは自らが政治家ではなく不動産王である事を世界に知らしめた形で大統領任期を終えると予想します。イーロン・マスク、FRB、各大学、各省庁のスタッフや幹部と対立に次ぐ対立ですから、機能しなくなるというかアメリカ版粛清型政治ですから、裸の王様化は今後更に加速度的に進むと思います。
https://jp.reuters.com/world/security/YVJGJQIQLVKT5AFTJFWJR5GFRE-2025-09-11/
中露北の対立軸は明らかに米日韓であり、東西対立は先進国(主に欧米)対グローバルサウス(主にBRICS)でしょう。この記事は、視点的にあまりよいとは思えません。軍事的対立、経済的対立構図はまた別です。その証拠に経済的な関わりに関しては、アメリカは中国デカップリングを目指しますが、欧州やイギリス、オーストラリア等はデリスクレベルにも至っていない感じです。日韓は、その中間であるデリスクを感じさせます。結局、自国で防衛できずアメリカに守ってもらっているため、アメリカのご意向に従う必要性が高い国かどうかの差に思えます。オセアニアは地政学的に中露に遠いし、戦争に巻き込まれるなら日韓や台湾、紛争の危険性は南シナ海でしょうから、軍事同盟よりも経済的利益を優先するのは当然に思えます。欧州やイギリスも同様であり、ロシアを脅威と捉えていても中国や北朝鮮を脅威と捉えないのは交戦(開戦)するのは現実的にあり得ないと考えているためです。日本からすれば中東で紛争が拡大しても戦火に巻き込まれる恐れがないのと同じでしょう。