円仮説/ノート038
レイプ犯や殺人者といったサイコパス(反社会的犯罪者)の心理学的性格特性図を〝プロファイル〟という。――〝プロファイリング〟は地図の作成作業ということになる。
さて、サイコパスが引き起こした、連続事件・犯行地点間のうち、最も遠いところを結んだ線を直径とした園内に犯人の居住地があると推定したものを〝円仮説〟と呼び、地理的プロファイリングという項目に収めている。
〝円仮説〟は、一連の犯行が犯罪者の居住地と犯行エリアが重なる〝拠点犯行型〟か、または、犯罪者の居住地が犯行エリアとは別の場所にある〝通勤犯行型〟であるかを区分するものだ。
――この学説を提唱した、カンターおよびラーキーンは、連続強姦事件の九割弱が拠点犯行型で、犯行領域が大きい犯人ほど、自宅から拠点までの平均距離が大きい。
連続事件が起きた円の内側を〝疑惑領域〟と呼ぶ。このときの拠点は必ずしも自宅ではない。
具体的な犯人の行動と分析方法は下記に挙げるカンターの著書に詳しい。
引用参考文献/
●高橋良彰『面白いほどよくわかる犯罪心理』(日本文芸社2005年)76-79頁
●デヴィット・カンター『心裡捜査官ロンドン殺人ファイル』(高田利子訳 草思社1996年)3-5頁