ユニバーシティー・アームズ(University Arms)/ノート029
「ユニバーシティー・アームズ・ホテルで、粉末卵とまずい紅茶の朝食を済ませると、マギーとデイビットはトリニティー・カレッジにむかって出発した。塗装が剥げた階段、戦時用につくられた畑、空襲のための避難所、板の張られた窓など」、屈辱的な状況下にはあったが、それでもケンブリッジは素晴らしかった。ジョン・コンスタンブルの風景画にでもでてきそうな淡いブルーの空には、うっすらと筋状の雲が浮かんでいる。温かな風は、新鮮でふくよかな風をふくんでいる。マギーはおいしい風をたっぷりすったせいか気持ちが明るくなり、体に力がみなぎるのを感じた」
スーザン・イークリーニアル・マクニール『チャーチル閣下の秘書』(坏香織訳・創元社2013年――259頁)にある一場面。
戦時中の配給制でホテルの朝食も美味しくないということを描写している。このユニバーシティー・アームズ・ホテルとはロンドンにあるようだが、wikiの記載はない……代わりに「NAOのシェフィールド日記」(http://yso.co.jp/cgi-bin/nao/topics.cgi)というブログをみつけた。ヨークシャーに近くの田舎町にある、ノーベル賞受賞者を何人かだした、シェフィールド大学に留学した日本人がかいた記事のようだ。それによると、大学が運営する職員用パブ、ユニバーシティー・アームズ(University Arms)の紹介があった。
――ということは、大学運営のホテルということか?
推理小説に挙げられたロンドンにあるとされるユニバーシティー・アームズ・ホテルと、地方都市シェルフィード大学にある部外者もりようできる国立大学の職員用パブとの因果関係はいまひとつ判らないが、メモとして記しておく。
引用参考文献/
本文中に記載