死体の隠滅について/ノート020
ミステリ作家フレデリック・フォーサイスの作品『ハイディング・プレイス』でTBSが宣伝していた、「木は森に隠せ」という諺を引用。下記資料で、1993年『愛犬家殺人事件』を例に挙げている。犯人は4人の被害者遺体をドラム缶で焼却してから砕いた骨を山林にばらまいた。警察は自供から真相を知ることになる。
(所見)ここからは、個人的注釈。……類似した事件としては、1993年『公証役場事務長事件』において、オウム真理教が特許を取得した、大型電子レンジとでもいうべきプラズマ焼却炉で骨も残さず遺体を焼却した。……話かわって、2002年服部純也による女子大生殺害事件では、アルバイト先から帰ってきた19歳の被害者を襲って、拉致監禁・性的暴行を加えた上、山中で灯油をかけ生きながらにして殺害した。通常、一人を殺害して死刑にはならないのだが、服部は死刑に処され話題となった。この場合は、切り裂きジャックやハンニバルのようなサイコパスで、証拠隠滅というより被害者の苦痛をみて喜ぶおぞましいものだ。思考形態が常人から著しく外れる。遺体を完全に焼却しなかったのは、隠滅目的というより、社会にみせる目的だったのか? ――この手の犯罪は、時代遅れともいわれるが、プロファイリングのテキストでよく扱われる。
引用参考文献/
森瀬綾監修『ゲームシナリオのためのミステリ事典』
ソフトバンク・クリエィティブ 100‐101頁