特別警察隊/ノート019
もともとは地域自警団だったものが、警察機構に組み入れられたボランティア組織である。下記参考文献では、スコットランドヤード要職OBが特別警察隊長と紹介されていた。一九八九年調べでの警察官九万四千五百名のうち、一万六千名がボランティアからなる特別警察隊に所属している。制服は正規警官と同じで、訓練も同じものだ。カナダ・オーストラリアなどの英国連邦に加盟国国籍者であること、身長が男子一六八センチ、女子一五八センチ以上というのが条件だ。参考までに、正規警察官の身長は、男子一七二センチ、女子一六二センチとなっている。
沿革は、一八二九年にスコットランドヤードが発足、三一年に同組織が創設され、多発する犯罪に対して不足しがちな警官を補った。最初は私服だったが、やがて地位が向上して制服が与えられている。一九一四年から一九一八年までの第一次世界大戦、一九三九年から一九四五年までの第二次世界大戦で、正規警官多数が戦場にでたり、空襲で殉職者多数をだしたりしたため、彼らの存在が社会的に重視されるようになった。
下記資料に、武装に関しての記述はないが、スコットランドヤードも、昨今は銃犯罪に対抗するため銃武装をしているが、基本装備は棍棒であり、特別警察官もこれに準じていると考えられる。
引用参考文献/
岩崎広平『ロンドン警視庁』サイマル出版会1990年 215-228頁