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 洋上に一隻のヨットが浮かんでいた。デッキには二人の少年が日光浴用の折りたたみ椅子をひろげガラスカップに入った冷たい飲み物を口にしていた。そこへ船長がやってきて、

「スコルツェニー君、『あの方』からの預かりものだ」

「これは?」

「ルガーP08、まがい物のじゃない本物のルガー銃だ。<伝説>の名銃に恥じない働きをしろよ、スコルツェニー」

「ありがとうございます、大尉」

 スコルツェニーは少年らしい屈託のない笑顔になった。新品の銃というのは油漬けになっており、一応布で油を拭き取ってはいるが、柄はまだべとついていた。スコルツェニーの相棒であるミューラー少年がいった。

「いいなあ、ちょっと貸せよ」

「やだね」

 頬に傷のある少年は意地悪した。二人はしばらくじゃれあった。大尉と呼ばれた壮年の船長はパイプ煙草をくわえ、「ふっ、『天使の顔をした悪魔』というのは、こいつらのことだな……」とつぶやき苦笑した。

【登場人物】


●レディー・シナモン/後に「コンウォールの才媛」の異名をとる英国伯爵令嬢。13 歳。

●伯爵夫妻(シナモンの両親)及び使用人たち

●ウルフレザー家宰、老庭師夫妻、ジョン(庭師の孫)、調理師夫妻。

●サトウ卿/英国考古学者・元外交官・勲爵士。サー・アーネスト・サトウ。歴史上の人物。

●T.E.ロレンス大佐/アラビアのロレンス。第一次世界大戦の英雄。歴史上の人物。

●オットー・スコルツェニー/後にナチスドイツ大佐となる。歴史上の人物。

●ミューラー/スコルツェニーの友人。

●ジョージ・セシル及び関係者/レオノイスの町の大地主(第1の被害者)。エリー(妻)、モーガン(友人)、チャールズ(従弟)、エディック(従弟)

●その他/灯台守(第2の被害者)、商工会会長(劇団座長)、駐在の巡査、レザー警部(コンウォール警察)

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