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エッセイ ー 時空の扉

作者: JunJohnJean

             エッセイ ― 時空の扉


 今回は私たちの今いる宇宙から「時空の扉」を開いて、その向こうに何があるのか見てみよう。


 終わりがなければ始めがないし、始めがなければ終わりもないというのは自然の法則(因果律)だが、ビッグバン*以前に何かが存在していたと言えるだろうか?ビッグバン以前に同じような宇宙が存在していたと仮定するなら、科学者にその証拠を示さなければならない。そうしなければ、彼らの承認は得られないし、反対に、科学者は科学者で、前の宇宙はなかったという証拠を提示する必要がある。

 又、宇宙の終焉の一形態であると考えられるビッグクランチ**の後、「振動宇宙」(Oscillatory universe)として再び宇宙が膨張に転じるかもしれないと考える科学者もいる。


 西洋には「有」と「無」という二つの概念しか存在しないが、無から何かが生じるというのは強引な考え方だ。東洋には「空」という第三の概念がある。この空は縁に触れて、何かが生じるというものであるが、反対に縁がなければ、空の存在すら分からない。この空という概念を説明するには、次の例が分かりやすいであろう。この空間にはたくさんの電波が飛び交ってるはずだが、目には見えないし、触れることもできない。だからと言って空中に電波がないとも言えない。なぜなら、受信機があれば電波をキャッチできるからだ。このようにして空という概念は、無いようで有る、有るようで無い、と言えば、ややこしい感じがするが、実際そのようなものである。


「万物は流転する」とは、有名なギリシアの哲学者ヘラクレイトスの言葉だが、東洋には無常観というのがある。人間、あるいは、生き物は生まれて、老い、病んで、死する、いわゆる「生老病死」の四苦だが、輪廻転生するようだ。又、「宇宙に存在する全ての生命体や物質や現象は例外なく成住壊空じょうじゅうえくうを繰り返しながら存在する」と言われるが、成住壊空というのは、星を例に取ると、星が生まれ(成)、安定期間を経て(住)、老化し行き(壊)、混沌状態、つまり、死に至って(空)、又、形を変えて生まれ来たるというものである。


 上述の「永遠にグルグル回る」を図形化すれば、次のような「ペンローズの階段***」になるだろうか。


          挿絵(By みてみん)

       永遠に上り続けても高いところに行けない階段



*ビッグバン(英: Big Bang)― 宇宙は非常に高温高密度の状態から始まり、それが大きく膨張することによって低温低密度になっていったとする膨張宇宙論(ビッグバン理論)における、宇宙開始時の爆発的膨張。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から一部引用)

**ビッグクランチ(Big Crunch) ― 現在考えられている宇宙モデルでは、宇宙はビッグバンによって膨張を開始したとされているが、宇宙全体に含まれる質量エネルギーがある値よりも大きい場合には、自身の持つ重力によっていずれ膨張から収縮に転じ、宇宙にある全ての物質と時空は無次元の特異点に収束すると考えられる。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から一部引用)

***「ペンローズの階段」 ― ライオネル・ペンローズと息子のロジャー・ペンローズ(イギリスの数理物理学者・数学者・科学哲学者、2020年にノーベル物理学賞を受賞)が考案した不可能図形である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から一部引用)

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