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Luse ud Ombra  作者: yu-ri
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第1話 はじまりはじまり…

高地にある辺境の村―カルマ村に、

ただひたすら剣の素振りをしている子供が一人。

ぽつぽつと並ぶ家から少し離れた、

村を一望できる高台を占拠している。

頬を伝う汗にも構わず、剣を構え、振りかぶっては振り下ろす。

その瞳には強い意思が宿っていた。


子供の名はエーデル・サピロス。天真爛漫、少しお転婆なまだ10歳の遊び盛り。

そんなエーデルが今素振りをしている理由はたった一つ。

自分の使命を知っているからだ。


10年前—村には新たな命が誕生した。

赤子の無垢な魂にはあるものが刻まれている。それは輝く「紋章」。


紋章は、古い文献にある「光の勇者」と同じソレ。

光の勇者とは強大なる闇の力に唯一対抗できる者であり、

かつてこの地に君臨した「魔王」を倒した人物とされている。

魂に染み付いた輝きは、顕現する。赤子の瞳に。

瞳には光の紋章が、微かに、しかし確実に存在しているのだった。

紋章を見出だしたのは村の御婆だ。


「この子は神に護られている…!」


生まれたばかりの赤子を一目見て、彼女は小声でつぶやいた。

御婆があんなにも顔色を変えたのは、

後にも先にもその時だけ。

しばらく神聖さとは別に、赤子は若者たちに畏れられたという。


素晴らしく神聖な子供が産まれ一同は歓喜した。


「素晴らしい!お国にも伝えるべきではないか?」


大々的に勇者が産まれたと宣伝するべきという意見もでる。

村おこしに使えるのではないか、と。

しかし大半の者は勇者を隠す方がいいと考えた。


万一悪しき者が勇者を、赤子を知ってしまったら。村も、赤子もひとたまりもない。

村の発展のために内外へ告知するのではなく、

出産に立ち会った者と長老のみが知ることになった。


一方、赤子の産まれたその日に

カルマ村のある大国≪スタクティ王国≫1の予言者が、

『勇者が16年後王の元に現れる』と告げた。

かの者は世界を平和へと導き人々を救うだろう、と。


予言はカルマ村にも伝えられる。長老たちは知らせを受け、赤子を勇者だと確信した。

そして、立派な勇者となるよう、教育することを決心したのである。

そんな経緯から、赤子は、エーデルは16の誕生日に村を出ることが決まっていた。


カルマ村では16歳で成人とされ、一人前とみなされる。

エーデルにとって、16という数字は、勇者の勤めを果たす日が始まる象徴であるとともに、

晴れて大人になれる何よりも待ち遠しい齢でもあった。

それまでに剣技も、魔法も、しっかりと覚えなければならないのだ。

エーデルは自分の欲を殺して勇者の務めを果たすために修行の日々を送っていた。

遊びたいなあと思えば、じつはこっそり遊んでいたけれど。

初めまして、yu-riです。


読んでいただき光栄です…!

拙い文章ですが、少しずつエーデルの活躍を

書いていきます!よろしくお願いします

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