六十六 アリーナの記憶媒体
「そろそろ、アンドロイドの確認作業を行おう」上司はケースの蓋を開けた。
戦闘型アンドロイドのアリーナはシルバー色の体で仰向けに収納されていた。
かなり損傷は酷く両手は千切れそうで胴体も穴が開くほどだった。
顔の傷は少なかった。
「あの峡谷での戦闘で機能停止の信号を受けて現場に到着したが、兵隊が大勢いて
回収が困難でしたが急にまっ暗闇になったのは何か操作したのですか?」
「君には話して無かったが、あのまま兵隊に持って行かれると不味い事になる。
我々の存在も知られては不味いので空に暗幕のシールドを張った」
蜘蛛の形をしたロボットがケースの中に入り、アリーナの体を無数の細い触角で
触り始めた。
上司が部下に確認した。「アリーナの記憶媒体は?」
「取ってあります」
「経過をスクリーンに映して」
スクリーンにはアリーナの最初に見た顔から最後に見た顔までが写っていた。
上司は暫くスクリーン見ていて「変だな? 源太は将軍を倒す前に記憶されている。
それは良いが小次郎と会う前にも記憶されている。その前の詳細な記憶を
スクリーンに写して」
その映像を見て2人は驚いた。
アリーナの両親とアリーナを殺したのは源太だった。
あのとき小次郎の願いを無視して一突きで源太を突き殺したアリーナの気持ちが
分かったような気がした。
その意識が将軍との決闘まで続いていたと考えられた。




