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五十七 鈴の変装


 夜遅く蹄の音がして乗馬姿の鈴が帰って来た。


使用人はもう寝ていた。


鈴は2階の寝室の横の洗面所で顔の墨を落とした。


悲しくて悔しくて体が震え、涙が止めどなく出て、

その場に座り込み声を出して泣いた。


使用人から昨日の昼に2人の男が訪ねてきた事を知ったのは今日の夕方だった。


小次郎がお金を届けに居留地に行くこと、途中でテントを張ることを話したと

使用人は言った。


昨日、小次郎達の後を四人の男が間を開けて付いて行ったのも見ていた。


鈴は保安官に事情を話して今すぐ捜索隊を送るように依頼したが、今日はもう

暗くなるので明日の朝早く捜索隊を出すと約束してくれたが、鈴は胸騒ぎが

収まらず行動を開始した。


夫人として行動すると夫に迷惑が掛かる。


そして、大好きなアリーナに変装しようと思った。


顔の墨はアリーナと一緒に居た時に塗り方や材料を教えて貰った。


羽飾りは峡谷で兵隊に追い詰められる前にアリーナから貰い近くの茂みに

隠してあった。


刀は祖父の形見の木刀で仕込み刀だった。


部族の娘の服を着て、その上に乗馬服を着た。そして暗くなっている街を出て

馬を飛ばした。


着いた時には小次郎もアイラも撃たれていた。


間に合わなかったが最後にアリーナに会えたのは錯覚でも2人には

良かったと思えた。


次の朝早くに保安官の捜索隊は出発した。


そして昼過ぎに戻ってきた。


3人の男の死体と縛られた男の姿があった。


小次郎とアイラの遺体がないので鈴は保安官に聞いた。


保安官は広い範囲で探したがなかった。動物に持ち去られたとしても、3人の

男の死体も無傷であったので不思議だと話した。


それに馬もテントも無く無事に出発した可能性もあるとも話した。が、小次郎と

アイラが撃たれた姿を見た鈴には信じられなかった。


連れられて来た男は元将軍の配下で「アリーナに殺された義兄も甥も」

と叫んでいた。


保安官はこれ以上騒がれると大変だと思い急いで事務所に連れていったが、

その場に居た部族の人々が「アリーナ」と口ぐちに騒ぎ始めた。

が、段々静かになり帰っていった。


部族の人は白人相手に反抗する気力も削がれてしまったと鈴は感じた。


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