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五十 アリーナへの想い


「最後になるがアリーナは私達の事を何か話していた?」


「色々聞きました。小次郎に助けられた話で、黒い獣が一瞬で3人の白人を倒し

目の前に来た。アリーナは死を覚悟したが獣は部族語を話した。それを聞いて

安心して泣いたとか、小次郎は凄く強いが傷を受けると極端に弱くなる。

アイラは歳が同じだが妹の様に思っていた。優しくて戦闘には向かないので戦い

に連れて行きたくなかった。アイラが一番さびしがり屋でいつも一緒にいる

小次郎さんを父親か兄と思い慕っていたと話していました」


黒い獣に見えたのか、だから白人の3人目は驚いて一瞬手を

止めたのだと分かった。


鈴が続けて「ごめんね、アリーナから小次郎とアイラに子供が出来た事も聞いていた。

とても嬉しそうで早く赤ちゃんを抱いて見たいと言っていました。小次郎さんは照れ

臭くてアイラが妻だと言えなかったけどアリーナから聞いていました」


私は照れ臭さもあったが鈴の気持ちも気遣った積りだった。


「次に私が思ったアリーナの事を話して良いですか?」

鈴は遠慮気味に微笑んで聞いた。


「どうぞ聞かせて」


「この話しはアイラににも伝えて下さい。但し、小次郎さんの名前が出る処は

抜いて下さい。自分で言うのも可笑しいですが、今まで大勢の男の人に言い

寄られたが好きにはなりませんでした。ただ2人だけいます。今の夫と小次郎

さんです。でも一生付いて行きたいと思った人がいました。それがアリーナでした。

竹を割ったような性格で判断も早く、戦っている時は何時も私を守ってくれた。

優しくて美人で、あれだけ強くても威張らないし、部族の男達に崇拝されていました」


「寒い時は何時も一緒に寝ました。私より背が高く仕草が少し男らしく

(鈴は良い香りがする)と言って抱きしめてくれた。私の方が年上なのに大好き

でした。死ぬ時は一緒と考えていました。でもアリーナは私に生きるように、

生きて私の事を小次郎とアイラに何時か伝えてと、

今日2人が来てくれて御話出来て良かったです」


その事をアイラに伝えたら嬉しそうに聞いていた。


「遺体が見つからないのでアリーナは何処かで生きていると思う。前も怪我しても

次の日には治って戦っていたから」と私の顔を見ながら縋るように言った。


「2人はこれから何処に行く予定ですか?」


鈴が聞いたところで使用人が椀を下げに来た。


小次郎は構わず話した。


「将軍の斥候の男に妻に金を届けて欲しいと頼まれた。その男は源太と言う名前で

神の声でこの国に来たと話した。亡くなる寸前にお互いの事も分かった。

今から保留地へ行こうと思っている」


「今立つと中途半端な処でテントを張ることになるから、今日は家に止まって明日の

昼前に出発すれば、良い場所でテントが張れると思います。今日は泊って夫と夕食を

食べて下さい」


その時に使用人はゆっくりと出て行った。


私は急ぐ旅でもないのでアイラのためにも「お願いします」と鈴に頼んだ。


鈴は嬉しそうに「はい」と言いながら2階の夫の処へ行った。


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