四十六 鈴とアリーナの出会い
「驚いて色々聞きたい事があるが、先ずはアリーナの事から」
私は紅茶を一口飲んでから聞いた。
「アリーナに会ったのは将軍が亡くなってから数日経った頃でした。居場所も
お金も食べる物もなく彷徨っていました。そして、数人の部族の男に
襲われました。木刀で2人までは倒しましたが、体が弱っていて押え込まれました。
もう駄目だと思った時、私を押えていた男達が必死な形相で(アリーナ!)と
言いながら逃げて行きました。私は誰かいる気配がして座り直して、後を見ると
背の高い部族の娘が立っていました。この子がアリーナだと思いました。
顔は白人で羽飾りを付け女神のようでした。アリーナは少し微笑んでそのまま
行こうとしたので、礼を言おうとしましたが、部族語が話せないので白人の言葉で
礼を言いました。アリーナは少し驚いたようで(大丈夫? 部族の男が
乱暴してごめんね。どこの部族? どうして白人の言葉が話せるの?)
と白人の言葉で聞いて来ました。
(大丈夫です、異国から来ました)それ以上は信じて貰えないと思い
話しませんでした。アリーナは白人も異国からきた。
私も一緒に来たので話せると思い込んでいたようです。アリーナは5歳まで
白人の子供だったので少し話せると言っていました。行く処がないので一緒に
連れて行ってと頼みましたが、戦闘を繰り返す集団で危険だから駄目だと
断られました。でも私が無理やり付いて行きました。
それから2回程戦闘がありましたが、アリーナは私を守ってくれました。そして
峡谷の戦闘で追い詰められた時に覚悟を決めたようで、私を縛って
兵隊に(私は捕まえられていた)と話せば助かると言って打撃で私
を失神させました。
アリーナが持っている刀で小次郎さんが関係しているのは分かっていました。
3人で暮らした事なども話してくれました」
私は今の話をアイラに伝えた。
アイラは聞いて涙を流したが、窮地に陥っても優しい心のアリーナを
誇らしく感じたようだ。




