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四十二 アリーナの最後


 甥に言われて伯父さんは話し始めた。


「そうだな、兵隊の話ではさっきの峡谷で兵隊50名程とアリーナの率いる

30名程の部族が戦ったが、人数で勝る兵隊が峡谷の隅までアリーナ達を追い

詰めた。兵隊たちはアリーナが宝刀もなく不死身でない事も知っていた。

兵隊たちは徐々に間を詰めて行った。アリーナは接近戦が得意なので一旦兵を

止めて様子を見た。馬を降りたアリーナの廻りに6人ほどの部族の戦士がいる

だけだった。戦いが再度始まったのは夕方で暗くなりかけていた。

その日は曇りで月も出ていなかった。銃声が一斉に鳴り響きアリーナの腕と足に

数発当たりその部分の服が破けた。それでもアリーナは平然と立っていた。

次に銃声がした時は胸に3発ほど受けそのまま後ろに倒れた」


私はここで話を止めた。嗚咽しているアイラに聞いた。


「大丈夫か? まだ続けて貰うか?」


「大丈夫です。続けて下さい」


「アリーナの遺体を収容しようとしたが、まだ4人程の部族の男がいた。

また銃撃しようとしたが、急にあたりが暗くなり何も見えない状態になった。

まだ部族の男達がアリーナの遺体を守っていて暗闇の中に突撃するのは危険と

考えて次の日の朝に遺体を収容する事にしたらしい。もし部族がアリーナの遺体

を何処かに埋めようとしても馬なしでは遠くへは行けないので埋めた処は直ぐ

見つかると考えていたらしい。次の朝、遺体を回収に出かけた。アリーナの

倒れた場所に部族の娘が倒れていたがアリーナではなかった。その娘はまだ

生きていて手を縛られていた。部族の男の死体はあったがアリーナの

死体はなかった。暫く渓谷の廻りを探してみたが埋めた後もなかった。

その後アリーナと一緒に戦った部族の男が捕まりアリーナの遺体は置いて

逃げたと語った。だからアリーナは今でも何処かで生きていると思っている

人が大勢いる」


何処かで生きている言葉に私もアイラも気が少し楽になった。

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