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十九 二人の娘


 祈祷師も私の考えに同意していたが、「アリーナは部族村長の娘であり両親の

仇をとるためにも彼女が相応しいが、この部族の言い伝えでは娘は2人である」

と話した。


「確かに古文書には人数が書いてないが、しかし宝刀は一本だけだ、

神の声ですか?」


「神の声にも二人とあったが、部族の言い伝えで、昔、空から災いが降り、

選ばれた娘二人が剣を持って戦い災いを防いだ話がある」


副村長だった男が反対した。


「アリーナは盗賊に襲われた開拓者の幌馬車の中から部族村長が5歳の白人

の少女を見つけて育てた。白人なので相応しく無いのでは」


「私は部族で育ってきました。小さい時からそれは分かっていました。私の体

は白人でも魂は部族の娘です。育ててくれた両親の仇が討ちたい。私もその

1人に入れて下さい」


アリーナは縋るように部族長と祈祷師を見て話した。


祈祷師が私に向かって聞いた。


「貴方がアリーナを連れて来た。それも意味がある事だと思う。

貴方が決めて下さい」


「私はこの国に来て初めて会う娘に宝刀を渡すと決めていました。私は白人と

部族の娘の違いがアリーナに会った時には分かりませんでしたが、その1人に

アリーナを入れても良いと思う。2人で競い合わせて優れた娘に

授けるつもりです」


私の心の中では兵隊の隊長を倒すだけなら自分1人で出来ると思っていた。


神の刀を持っていても寝る時、用を足すときには刀は持っていない。


場所さえ分かれば、昔隠密で暗殺をしていたので意図も簡単なことだった。


そうすれば早く帰れて鈴に会えると考えたが、それは神の意思に背くことになる

と言い出せなかった。


最後に部族長が話した。


「我々の祖先はこの広い神から与えられた土地で自然の恵み受け、たまには

部族間の争いもあったが平和に暮らして来た、ある時から大勢の白人が来て、

我々の生活、文化を破壊した。今も破壊し続けている。将軍を倒しても

そんなに状況は変わらないと思うが、それが転機となれば幸いだろう。

部族の言い伝えなので出来る限り協力する」


私はその時が来るまで娘達に剣術を教えながら暮らすことになった。


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