十七 部族長との出会い
暫く行くと又小高い丘が見えて来た。アリーナの集落も丘の上にあった。
同じような場所で暮らしている。高台は襲撃され難いかも知れない。
アリーナを先に坂道を登って行った。円錐の住居が幾つも見えてきた。
後でアリーナからそれはテントだと聞いた。
後方から蹄の音がしたので振りかえると部族の男20人程が銃や弓を持ち馬に
乗り駆けて来た。
そして、二人は取り囲まれた。皆殺気立っていた。
頭らしき男がアリーナに聞いた。
「誰に襲撃された? 部族村長は無事なのか?」
「大勢の白人の兵隊に、父と母は殺された」
「何時頃?」
「大分前に、今行っても追いつかない」
「分かっている。その男は?」
「私を助けてくれた。白人の仲間ではない」
男達は坂道を駆け上がり部族長の処へ向かって行った。
アリーナは今の男達は自分と同じ部族で頭らしき男は副村長だと説明してくれた。
副村長にアリーナは良く思われていないと感じた。
村に入ると先程の男達が部族長のテントの前に立っていた。
テントの前には羽飾りを被った中年の男が立っていた。それが部族長だった。
その横に杖を持った老人がいた。どうやら祈祷師のようだ。
副村長は部族長に頼んだ。
「両親、妻、子供はほとんど殺された。今すぐ追って報復したい。20人程
手勢をお借り出来ないでしょうか?」
「大分前に襲撃されたと報告があった。今から追い掛けても無駄だろう。
報告して来た者が隊の番号、名前を見たので機会を待とう。
で部族村長は無事なのか?」
アリーナが部族長の前に出て泣きながら答えた。
「両親共殺されました」
「部族村長夫妻には気の毒な事になったがアリーナが無事で良かった」
そして、後方にいた小次郎を見て祈祷師と何かを話すと部族長が命じた。
「皆に重要な話がある各部族村長と副村長とアリーナ、そこの黒い客人は
テントの中に入るように」
テントは少し大き目で、部族長と祈祷師が中央に座り、その後に部族村長が
取り囲むように半円状に座った。
私とアリーナは部族長の対面に座らされた。
部族長が話を始めた。
「まずアリーナに話がある、残念な事に部族村長が亡くなった。次の村長を決め
なければならない。子供はアリーナしかいないが女は跡を継げないので副村長に
部族村長なって貰う。落ち着いたら別の場所で部族を立て直して欲しいと思って
いる。アリーナは一緒に行っても良い。又この部族に残っても良い。ただ客人と
祈祷師の話に関係がありそうなのでまだ残っていてくれ」
そして、次に私に向かって話をするように促した。
私は村の言い伝えにより災いを治めるため部族の娘に宝刀を渡しに来たことを話した。




