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十 源太


 その村は私の村よりも数倍大きく、小さな集落が数個集まったものだった。


各集落の長を束ねるのが村長だった。


村自体は土地持ちの百姓や小作人の集まりだった。


村長の話では一部の集落に幕府や藩の情報収集などしていた者が集まって

出来た集落があった。


野良仕事など碌にできない小作人で食べるものにも困っていた。


前に代官の部下がこの村に襲撃のことで調査に来た。形式的なもので問題はない

と思ったが、その後怖くなったのか? その集落の全員が姿を消したと話した。


私はその集落は何世帯で男だけかと聞いた。


確か六世帯で女房がいたのは4人で子供はいなかったと村長は答えた。


そして、その集落の長に最後に会った時に左頬に傷があった。


前には無かったので聞いたら鎌で斬ったと、どう見ても鎌で出来る傷では

なかったと話した。


村長に行き先を聞いたが、ただ西の方へ行くと言っていただけで、行き先までは

分からないと答えた。


村長にその集落の長の名前を聞くと「源太」と答えた。


代官所からも調査したが不明で引き続き調査を続けるとの連絡があったが、

形式的な事と期待していなかった。


私も遠くに出かける事があればそこの場所で聞き込みをしたが、唯一の手掛かり

が名前と頬の傷だけでは見つける事は出来なかった。


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